2017年5月


「5月のある日」


                  今回は全て SIGMA 55-200/4-5.6DC


久しぶりに東山動物園に行って参りました。

なんでわざわざ…と思われる方と、はは〜んと気づかれる方がおられましょうが、

そうです、記憶に新しい、あるアニメの大ヒットが動物園に及ぼす影響を確認

しようと思ったからです。そのアニメとは



                              資料映像

「けものフレンズ」深夜アニメですから、どんなに評判になっても、子供達や

おかあさん達の間でブームになるほどではないのです。

というわけで、アニメファン以外の大半の方が知らない。流行ってるってんで

いきなりミュージックステーションに声優がコスプレして歌っても、視聴者と

タモリさんはどん引きするだけだとは思うのですが、アニメファンの間では

まず、悪く言う人がいない。このアニメのなにがすごいか?


君の名は、とかジブリ作品(長久手万博跡地にジブリパークができるとか。

長生きはするもんんだ)の様な大作ではない。超低予算がありありとわかる

CG作画。動きも少ない。なのに面白いのです。

キャラは実在の動物を擬人化したもので、

「動物になんらかの科学的進化?をさせたフレンズという生き物」と遊べる

テーマパーク(ジャパリパーク)が、謎の理由で廃棄され、人間のいなく

なったテーマパークで、フレンズ達が暮らしている。そこへ

「帽子ちゃん」という何のフレンズかわからない存在がやってくる。

視聴者全てが最初から感じた様に、どうやら帽子ちゃんだけが人間らしい。

謎解き的な要素もありますが、何しろフレンズ達が可愛い。いわゆる

「萌え」というのとはちょっと違う。単に可愛いのです。

いろんな個性(オリジナルの動物から引き継いだ)を持つフレンズを

各声優が結構うまく演じている。

アニメ全盛のころ、夜7時とかのゴールデンタイムに放映したら、さぞかし

子供達が熱狂したことでしょう。深夜では大きいお友達しか見てなかった。

まあ、こういう傑作を買い取って再放送することでは定評のあるNHKの

教育テレビがきっとやってくれると思います

(けいおん!だってやってくれました)。


低予算だろうが、あっと驚く超短制作時間だろうが、いいものは評価される。

ぜひ見ていただくといいと思いますが、本当にほっこりする作品です。

制作側も、ここまで当たるとは思ってなかった様で、先行配信された

スマホ用ゲームは、アニメ放映前に終了。

ファンがグッズを探しても、フィギュアはおろか、ノベルティの一つもなく

やっと出たのが紙のお面(笑)。

ファンは2期制作を望んでいますが、いまのところなにかの映像作品は作る

とは公表されたものの、それが2期なのか映画なのかゲームなのか未定。


で、東武動物公園などは、制作段階から協力的で現在でもそれぞれの動物に

由来のフレンズのパネルを立てたりして、気合が入っているそうで、これも

機会があったら見に行きたいのですが、各地の動物園も入場者数は増えている

ものの、それがなんのせいなのかは、よくわかってない園が多いそう。

我らの東山動物園はどうなのか?

が今回のテーマです。

で、5月のある日。もう夏みたいに暑い日でした。カブで出かけました。


植物園側の裏門から500円(安いね)払って入場。

いきなりボート池。

青春の思い出いっぱいです。




「ここで2人でボート乗ると別れる」といジンクス付きの池です。まあ気にせず

デートで乗りましたけど。

まあ別れましたけど(涙)。

高校生の時の恋人同士が、結婚までいく例は10組に1組もないと思いますので、

池のせいじゃないです。

この日もチャレンジャーが沢山のってました。

わたしらの頃は手漕ぎでしたがね。

たしか波平さんとフネさんも婚約時代にボート乗ってたなあ。


で、まずオタクっぽい人がいないか探しました。

いや家族連れが多い。

とりあえず、フレンズ一番人気(帽子ちゃんの親友)サーバルキャットの檻

付近を確認




家族連れ、カップルばかり。

「おお!T氏、サーバルちゃんですぞ!」とかいいそうな人はいない。

この時点では望遠で確認しただけなので、ネコ科動物エリアに歩いていく。

「ああ、これが最近噂のサーバルキャット」という声がありましたが、

きっと隠れオタクに違いない(笑)




途中アライグマさんにお会いする。

けものフレンズでも”あらいさん”というちょっとおまぬけなキャラで評判でしたが

なんといっても、”ぼのぼの”の短気なアライグマくんは最高ですね。

ぼのぼのつながりで




フェネギーくん(フェネックキツネ)にもご挨拶。かなり可愛い生き物です。

で、いよいよネコ科エリアでサーバルちゃんを探すと




いきなり訃報。野生動物で22歳まで生きるというのはまずないでしょうから

動物園ならではですね。

まあ慌ててはいません。ここのサーバルキャットは

「サーバルちゃん」ではなく

「サーバルくん」だということは知ってましたから。




ムサシくんです。寝てますねえ。

まあ夜行性ですからねえ。しかたない。今年も8月にNightZooやるなら、

みにいこかな?

表題写真がアップです。

けものフレンズのサーバルちゃんは



                   資料映像

右側が帽子ちゃんですね。

なんかヒョウ柄のスカートみたいのはいてますが、実際のサーバルキャットは

「ヒョウの子供の毛皮」として売買されたため、乱獲で絶滅の危険があった

そうです。これはちょっと頭身が小さいバージョンで、作品中は主に上の

プロポーションですね。

好奇心旺盛で、友達思い。実際のサーバルキャットは人間にも懐くそうです。

ペットにしている人もいるとか。ベンガル猫と交配でサバンナキャットという

品種もできており、こっちの方が飼いやすいのでしょうね。


ネコ科のエリアには、こんな高貴なお方も。




雪豹ですね。スノーレパードですね。Macでは随分お世話になりました。

あ、かつてのMacOSの名前です。

あと東山にはこんな生物も。




ジュラシックパークだ(笑)。

東山恐竜像はわたしの子供のころからありました。

もっとコンクリート打ちっ放しの色でしたが。

ジュラシックパークって、メノウの中に閉じ込められた古代の蚊が吸っていた

恐竜の血液から遺伝子をとりだし、現代の生き物に組み込むことで、恐竜を

作り出す。っていう話でしたね。

実現しそうな話で怖い。




よくわからない折り畳まれ方(頭の上のは後ろ足ですねえ、どう見ても(笑))

で子供を袋に突っ込んでるお袋さん(文字どおり)と相変わらずグータラ

くつろいでる大人達。本当に無防備に寝るのね。

まあ瞬間で立ち上がるのでしょうが。

オーストラリアには天敵が少なかった。ということでしょう。




あぶないっ!

まあ作り物の象ですが。

東山で象といえば

「ゾウ列車」他の動物園では戦争中に猛獣は処分され、園長が軍部に隠れて

象をかくまった名古屋の東山動物園にしか象がいない有様でした。

戦争が終わって、”象が見たい”という子供達の願いかなえることは、戦後の

平和と復興の誓いでもあったのです。

かくして日本の各地から特別列車で子供達が名古屋に象を見に来たのです。

今回展示物を見て、最初のゾウ列車に乗っていたのは、滋賀県彦根市の

小学生達だったことがわかり、最近彼の地に縁がある私はちょっと感動して

しまいました。




そういつも笑ってられるかってんだ!

この日は笑ってくれなかったワライカワセミ。




東山動物園のシベリアオオカミたちの母、ソニアさん。今年の春にお亡くなりに

なってました。

私は東山に来ると、一番遠くて大変なのですが、かならず狼を見に行くことに

しています。その巨大な体躯と、犬としか思えない風貌(まあ先祖同じだから)

大好きです。狼と犬の一代雑種である狼犬も新舞子海岸で散歩に連れてきたのを

みたことがあります。信じられないくらい巨大で美しい犬でした。

「大きい犬ですね、シベリアンハスキー?」

おじさんは黙って首をゆっくりふる

「あ!狼犬だ!」

おじさんはにっこり微笑んでうなづきました。

これくらいの犬だと、他の犬が吠えかかってちょっかいをかけてもビクとも

しないのですね。

狼ならなおさらでしょう。




この園の狼は二つのグループに別けられています。

新しくできたエリアには、ソニアさんと子供達。

元からあった旧エリアにはソニアさんの旦那。この人(いや狼(笑))、

大病を患って隔離されたまま隠居したらしい。

あと別の園からきた狼もこっちにいます。

それと娘で、妹との抗争に敗れて身の危険があるため、お父様の所に身を寄せた

姉狼。どうです?なかなかドロドロしてるでしょ?




アフリカ象もおります。雄大ですね。サバンナを感じます。

アフリカゾウは人に慣れないともうします。

人が使役するのは、性格のおとなしいインド象を始めとするアジア象。

北アフリカはカルタゴのハンニバル将軍が、ローマに攻め込んだ時、象部隊が

活躍したそうですが、やはりアジア象だったのでしょうか?




のんびり泳ぐカバくん。

おとなしそうに見えますが、じつは気は荒く、アフリカでは猛獣にやられて命を

落とす事故のトップは、ライオンでも象でもサイでもなく、カバが常にトップ

らしいです。水辺でやられるらしい。それは怖かろう。




とはいえ、この方にガンつけられても助かる気がしません。よく映画などで、

サイは猪突猛進なので、走路を変えれば助かるとかやってますが、実際には

この巨体でかなり小回りも効くらしい。おそがい(名古屋弁)。




実は動物園でもっとも人気があるのはこの方々。

人は異形の存在には素直に感心してしまいます。進化論で木の上の方にある葉を

食べるための進化と教科書にもありますが、限度あるだろ、この長さ。

首の骨の数は豚と同じとか、よく言われますよね。

故桂枝雀師匠が落語の枕に使っていた進化論の話で、ダーウィンの自然淘汰だけ

では、こんなにいろんな動物が進化するのは説明できない。

「こうなりたい」という願望が進化をもたらす。というのがありましたが

(なんとすごい落語家だったことか!)、なんか滅茶苦茶美味い葉っぱでも

木の上の方にあったんですかね(笑)。




東山動物園といえば、かつてはコアラ。でしたが、今はもう並んで待って

見学するほどではありません。

あいつら愛想がなさすぎだもんな。




東山動物園は、日本で初めて檻ではなく、堀を挟んで動物を野外環境で見せる

というやり方を採用した園です。今では多くの動物園が手本にし、旭山動物園

などはさらに進んで、身近に感じられるような仕掛けも加えています。

東山でも、堀の向こうのライオン達の間近まで行ける通路を増設していますので

こんな近いライオンが拝めます。

前回行った時はカップルのライオンがめちゃめちゃ仲良くしていて(交尾とか

じゃなく、単にイチャイチャしてる)ちょっと妬けました(笑)。

なお屋外型施設は、かつてある企業の協力により建設されました。

そのことに感謝する石像が、今もライオン舎の前に建っています。

その企業って?そんなもん

「ライオン(当時はライオン齒磨)」に決まってるじゃないですか(笑)




ぬいぐるみの愛嬌のある姿と異なり、実際のクマの無表情、凄みは、

そのへんの純血種ヤクザのおじさんも全く歯が立ちません。

こわもてのおじさんがじーっとクマを見つめるのは、なにか感じる

ことがあるのでしょうか?

その中でも、世界最大、最強のクマがこのホッキョクグマ。

こいつに睨まれたら、これはもうあかん!と観念するしかないでしょう。

九州のかき氷だとおもって甘く見てはいけません(そんな奴はおらん(笑))

なにしろ、北極圏の食物連鎖の頂点にいる生物です。

ちなみに南極大陸の食物連鎖の頂点は、ペンギンです(笑)。




さて、このかわうそくんの写真を見ながら、今回のまとめ。


まず、東山動物園に、けものフレンズブームの影響は全く見られない。

これっぽっちもないというよりは、頑なに拒絶してるように見える。

惜しい。実に惜しい。ビッグビジネスのチャンス?なのに。

なにしろ土産物店にも、ぬいぐるみはおろか、キーホルダーの一つ

でさえサーバルキャットの影も形もない。

むしろ、すがすがしいと言えるが、ダメじゃん。とも思います。


あと池の周りで、ものすごく懐かしいものを見つけました。

「ウォーターシュートが、ここにあった」という銘板。

そういうのあったなあ。

高いところから、そりみたいに滑って、池にバチャーーーン!

乗客ずぶ濡れで、先頭の船頭さんみたいな人はなぜか

大きく飛び上がって着地。大拍手。というやつ。

事故もあったようで、各地にももうないそうです。

八景島シーパラダイスのが2005年に最後に廃業したそう。

あれ子供の時は乗れなかったんですよね。危ないって。


久しぶりの動物園でしたが、結構楽しかったのでまた行こうと思います。

もうすぐでっかい鳥の施設も完成しますし。

500円は安いよね。しかもあと2年で100円になるという(笑)。

敬老パス(年間5000円で市バス地下鉄乗り放題)で動物園行って

100円で1日過ごす。と。

ああ、爺いに生まれてよかった!(育ったんだけど)



 
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