2013年5月

 

 「小旅行」



                         Pentax SuperTakumar 28/3.5


 名古屋からちょっと日帰りで遊びに行こうとすると、あまり定番がないんですね。

70年代の若者なら、彼女を誘って、買ったばかりのマークIIかクレスタかチェイサー

(同じだ(笑))に乗せて、内海に行ってペーパームーンでお茶飲んで(カーステレオ

のBGMは山下達郎)、ディナーは郊外の小洒落たレストランを張込むか、彼女が

行った事なければマルハ食堂という意外性※を使うとか。まあそんな感じ(半疑問形)?

今はどうなんでしょうねえ。知人の多重見合経験者(女子)は当時、

「なんで全員内海にドライブなんだ?!」と文句言ってましたけど。


※今でこそ栄とかにもあり、セントレアとその対岸のりんくう地区にもある店だが

 当時は知る人ぞ知る、南知多の大衆食堂だった。海老フライのでかさと美味さは

 当時から変わってないが、随分店舗はお洒落になった。タモリが名古屋人=

 エビフリャア好きと看破したのも、この店の負う所が多いと思う。


 子供連れならリトルワールドとか万博公園のサツキとメイの家とかが喜ばれますね。

その他はあまりない。

岐阜出身の作者が書いた

「僕は友達が少ない」には名鉄パノラマカーに乗って内海に行く話や、どうみても

「そこ、長島スパーランドだよね」という遊園地が出て来て、ネットで話題になり

ましたが、関東のTDLや関西のUSJに比べると、なんか地味です。


 先日姉と会食(いつもごっつあんです)した時、まあ金のない弟ですので、せめて

労働力で、と思い、9時前から並んで予約をゲットして、金山の桂新堂(以前コラムで

取り上げましたが、1050円で海老料理のフルコースという太っ腹な設定。10時の予約

開始に並ぶ。電話予約不可)でランチしながら、なんか地元ネタないかと聞いたら、

「そう言えば常滑にめんたいパークが出来て明太子の試食が出来る」との事。工場見学の

後、ちょっと試食出来るらしい。また常滑は陶器の街として、散歩道コースの整備に力を

入れており、散歩するだけでも楽しい。との情報を得ました。



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 こういう企業テーマパークとか、街おこしの企画とかは、大抵しょぼいものが多く、

「こんの舐めくさって!」という物が多い。西原理恵子先生が看破した如く、

「代理店に騙されおって」と言うものが多いと思いますが、話によるとめんたい

パークはコンセプトが大変清々しい。つまり

1.工場をガラス越しに見学してもらう。

2.試食で旨さを実感。

3.後は広大な即売コーナー。と言うもので私なんぞはその横に

「明太子とご飯。350円。高菜食べ放題」

とかあったら嬉しいのだけれど、そういう夾雑物は一切ないらしい。実に清々しい。


 と言う訳で早速行ってまいりました。実は出かける直前まで、バイクで行くか

電車で行くか迷っておりまして(流石に自転車は無理(笑))、その為半袖Tシャツ

に革ジャンという、暑いのか寒いのか判らん格好になりました。

結局電車にしましたが、何時もの赤池駐輪場へは、自転車で行く事にしました。

赤池へは行きはゆるい上り坂。帰りは家の近くで急な上り坂。という環境ですので、

通勤には使いたくないのですが、こういう日はいいかと思ったのですが、革ジャンで

自転車はこの季節暑い。金山駅でコインロッカーに革ジャン入れようかと思いました

が、しなくて良かった。と後から思った次第です(詳細は後述)。



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 丁度準急が来たので、のんびり止りながら常滑へ。今回電車で行きたかったのは、

車中でまとめてみたい動画があったから、なので、時間がかかるのは好都合でした。

知多は今

「知多娘」という萌えキャラを展開中で、常滑にも専属キャラがいるのですが、

出来ればその缶バッジも欲しい。

自転車用帽子に付けたいのです。今は暫定的に、家にあった亡母のものと思われる、

ブローチを付けてますが、ちょっとお洒落過ぎる。やはりここは自分の趣味を全面に

打ち出したい。

大須で見つけたチェ・ゲバラのバッジに心が揺れましたが、今のあっしにはそんな

高邁な理想は似合いません。アニメキャラがお似合いでがんす。

という訳で知多娘の缶バッジを狙っていたのですが、毎夏お世話になっている新舞子の

「知多舞子」ちゃんのが欲しいのですが、今回常滑で、

「常滑セラ(陶器=セラミックから(笑)セントレア勤務らしい)」さんのでも買えば

いいかな?と思いました。



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 で、駅に着いたのですが、全然セラさんはいない。街で温度差があるのかな?

美浜恋ちゃんなんて美浜幕府(源義朝ゆかりの所だかららしい)とコラボで駅にも

大々的にポスターが貼ってあるのに。セラさんがいない…。まねき猫のキャラの方が

常滑では幅を利かせております。

とにかくめんたいこを食べに、いや見学に。

駅から10分とありますが、結構距離あります。この辺りは広大な埋め立て地で、

今後はコストコ(アメリカから来た会員制スーパー。激安らしい)とかイケアも進出

予定とか。ここまで買いに来るかなあ?と思いますが、まあそういう皮算用に

乗せられて、一大ショッピング街が出来上がるらしい、

多分出来ると思う。

出来るんじゃないかな?

ま、ちょと覚悟はしておけ(笑)

という状況になってます。名古屋人にとってかなり遠い感じのする常滑ですので、

上手く行くといいですけどね。

お台場チックになるんでしょうかね。




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 さてめんたいこパークですが、この施設は噂どおりの清々しさ。

最初少しだけスケソウダラの生態とか、名古屋港水族館の視聴覚展示と高校文化祭

クラス展示の中間位の展示(笑)があり、

「本日勤務35名」という程の規模の工場を窓から覗いた後、お待ちかねの試食。

筒切りの明太子

食パンにカナッペ状に塗り付けた明太子

明太子の軍艦巻き(ごく小さいの)が

カウンターに並べてあり、それを一口で試食。旨い、旨いぞ。流石カネフク。

あとコーヒーとかジュースのカップベンダーが、無料。太っ腹すぎて憧れます。

そしてそのご厚情に感動の涙を流す市民達は、続々と直売店でお土産を購入。

「明太子シュウマイ」というのに心惹かれましたが、予算がないので我慢。

無慈悲な距離を、また歩いて駅に戻る。

埋め立て地ゆえ、海風がビウビウ吹いて、革ジャン着て来て良かったと思った

次第です。



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 さて駅に戻った後、反対側の

「やきもの散歩道」へ向かう。

出発点の陶磁器会館に行く途中、陸橋の端から、巨大な招き猫が覗いている!!!

これ結構きます。これ見ただけでも満足。

「とことん舐めとんな!(常滑だけに)」とはもう言いません。

この猫は常滑が招き猫の生産日本一である(それは知りませんでした(笑))

事からなにかとキャラを立てているもので、競艇の常滑ボートでは、独自のキャラ

「とこたん」というのを持っています。

一般的に常滑でゆるキャラと言うと、こちらをイメージする人が多いのですが、

この巨大猫

「とこにゃん」の半覗きステッカーも各所で販売されたり、貼られていました。

私はこっちの方が好きです。


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 散歩道に行く途中(駅前にも一部ある)色々な作家(素人もいる?)の作った

様々な招き猫があり。楽しめます。

散歩道は、真面目に最盛期の町並みを保存したもので、これは散歩して良かったと

思います。

海辺の、坂道の多い町。と言う事で、長崎とか、大林宣彦監督の尾道みたいな感じ

があります。

廻船問屋滝田家の屋敷とか、真面目に保存してありますが、なにしろ圧巻なのが、

登り窯を始めとする各種の焼き窯が保存、あるものは使用されている事。

高い煙突が立ち並ぶ町並みは、ちょっと感動でした。



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 順路の途中に団子屋さんがあり、ここの団子は観光客が必ず買うらしいのです。

私も最後の一本(80円)を買いましたが、タレがなんともシンプルな醤油のみ。

砂糖っけのかけらも無いシンプルさで、却って今時のお菓子では貴重です。

順路の途中に

「団子の串入れ」が備え付けてある等、この坂道を楽しんでもらいたい気持ちに

溢れていました。



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 途中の個人宅の庭と思われる花壇に、

「ご自由にご覧下さい」とあり、お言葉に甘えておいてあるベンチに腰掛けますと

「ご自由にお持ち下さい」と陶器が。

今回お土産に陶器を買いたいけど、予算が…と思っていた私には、嬉しいお申し出。

染付けの小皿を2つほどいただきました。

最後に立ち寄ったパン屋も大変結構。まあ日本のパン屋で不味いのはあまりない

(日本では当たり前と思ってますが、外国から来ると日本のベーカリーの旨さに

愕然とするらしい。米の国なのに、と。観光客がディナー代を浮かせるため、

パンを買い込で部屋でパンだけのパーティーをする事も多いとか。調理パンの

多さは凄いからなあ)のですが、また行きたい店です。



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 今回は電車を使った小旅行の体ですが、実は夏に良く行く新舞子海岸のちょっと

先なんです、常滑って。りんくうには海水浴場もあるらしいので、次はバイクで

行こうと思っています。

パン以外に、通り過ぎた店にあった

「占い猫」というキャラクター陶器に、何故か心惹かれています。

夕方で閉店していた為買えなかったのですが値段も決して高くないし、

今度は買いたい。ただのビー玉持ってる猫なんですけどね。



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 今度の小旅行で、常滑がぐっと身近になりました。いままでは、

「中野良子さんの出身地」としてしか認識してなかったのですが、ちょくちょく

遊びに行きたい街です。






 
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