2009年11月 

 

  題名「想い出のごちそう」  

                                         Sanyo W33SA


  土曜日も仕事があったので、そろそろ出かけねばと何気に※テレビを

 見ておりましたら、

 「花咲かタイムス」という名古屋のローカル番組をやっておりました。

 東マックスと友近という、なかなか旬なタレントを使っている金のかかった

 情報番組ですが、結構目のつけどころが新鮮なので遅刻しそうになる事が

 あります。


 ※この新語(80年代からだそう)も生き残るか正念場であろう。

  「何気なく」という「何らかの気配も感じさせない。」という意味から

  「特に理由もなく。」と言う否定を伴った言葉であった物が、否定語が

  とれてしまい、それでも同じ意味として使われる。というレアな変化を遂げた

  わけだが、最近この言葉は逆に

  「本当は」「実は」という意味に使われ始めている。

  意味の逆転が、更に再逆転した訳である。


  今回なかなか興味深かったのは、

 「デパートの大食堂」でした。

 もう、こう聞いただけで昭和世代の誰もが、一斉に語り始めるのではないで

 しょうか?

 日曜日。晴れのお出かけ。一張羅のお出かけ着。

 子供だって運動靴なんてはいてなかった。

 下駄箱の中の箱に入ったエナメルの靴。蝶ネクタイ。

 大人の買い物に辛抱強くつきあう。

 心は6階のおもちゃ売り場に。でも今日は誕生日でもないから、買ってもらえ

 ない。だから心は屋上に。

 観覧車。コーヒーカップ。でも今日は雨だし(涙)。

 こうなりゃ後は8階だけ。

 天井で回る扇風機。プロペラみたい。

 食券を買って壁際で座席が空くのを待つ。

 三食アイスか、ソフトクリーム(スタンド付き)か。

 そしてご飯はもちろん・・・。


  ご存知の様に現在デパートには

 「大食堂」はなく、各種の専門食堂があります。

 テレビによると、現在名古屋で大食堂(床面積ではなく、和食・洋食・中華、

 なんでも置いてあり、そのデパートが経営か委託している食堂。という

 意味付けでありましょうか)は栄の松坂屋本店のみと言う事です。

 そして、幼いあなたも私も心をときめかせた、

 「お子様ランチ。」これが初めて登場したのは、東京上野の松坂屋だそうで、

 30銭だったとか。

 戦前の事で、葉書が1銭5厘とかいいますから、お子様ランチは20倍。

 いまなら1000円ですね。

 当時との物価の比較は簡単には出来ませんが、最近のファミレスのお子様ランチ

 だと、もう少し安いかも。

 テレビによると、松坂屋のお子様ランチは、ずばり1050円。

 定番のハンバーグには黒毛和牛100%仕様とか。

 東マックスはじめ出演メンバーが、

 「旗が立っていてねえ。」とか、

 「ついているおもちゃが。」とか、言いつのる中で、レポーターが困惑して

 いましたが、現在の松坂屋のお子様ランチには旗もおもちゃもない(危険と

 言う事の様です)ですが、次の一言で私の耳がぴくんと動きました。

 「ちなみにここのお子様ランチは、大人の人も注文OKだそうですよっ!」


  もう行くしか無いと思いましたね。

 私が最後にお子様ランチを注文したのは20年以上前。

 当時ちょっと評判だったステーキレストランに一人で行った時。

 当時独身貴族の私は結構裕福でしたが、たまたっまっ!持ち合わせが無く、

 全てが5000円を越えるメニューを見て困ってる私に、

 「こちらもご注文いただけますよ。」と見せられたのが

 1500円のお子様ランチ。小さいですがしっかり美味しいステーキを堪能

 しました。でもかなり恥ずかしかったです。


  今回懐かしいデパートの食堂でお子様ランチ。しかも

 「いやあテレビで見てねえ。懐かしくって。」という盤石のエクスキューズが

 可能ではないですか。

 あ、この場合のエクスキューズは

 「言い訳」という意味でね。先日職場で

 「言い訳なんかしていいわけ?」と言う親父ギャグを飛ばし顰蹙を買った

 私ではありますが(笑)。あと

 「コーディネートはこーでねーと。」も有効です(なにが有効なんだか(笑))。


  とういわけで、鮮度があるうちに、行ってきましたさ。

 「ファミリーレストラン カトレアダイニング」

 本館の上階8階と9階に松坂屋の食堂街はあるのですが、ここ以外は、いわゆる

 名店の出店です。

 ラシックとか、今栄の名店食堂街は華やかですが、やはり

 「松坂屋の上の○○でお昼食べてねえ。」というのは、名古屋人にとっては、

 独特のステータスがあります。

 もうかつての大食堂のスペースは割けず、細長い配置のレストランでした。

 「ファミリーレストランか。そういえばそうだよな。何でもあるんだから。」

 でもファミレスのイメージは安いですから、このネーミングはちょっと安易かな?

 と思いますね。


  ここはファミレスではないですよ。

 4人がけのテーブル席は少なく、カウンターと2人がけ。

 老夫婦や気の合う女性2人連れが圧倒的に多いので、そういう形でしょう。

 案内されたのは窓際の2人席。

 景色がいい席でお子様ランチを待ちます。

 一緒に入って来た団塊紳士はお寿司を注文。

 後から入って来た私と同年代っぽい女性はおそば。

 隣のブロックでは、OL風二人連れがエビチリ。

 ランチメニューは平田牧場三元豚のカツ丼。

 確かに大丸と提携してからの松坂屋はなかなか意欲的です。


  出て来たお子様ランチは、定番のハンバーグ。

 海老フライ。グリルソーセージ。ハヤシソース。小さなご飯。

 ミニサラダ。プリン。オレンジジュースかカルピス。

 ハンバーグは流石に美味しかったし、フライもソーセージも家で食べるものとは

 一線を画してます。

 しかし流石にお子様ランチを注文するのは今回限りでしょう。

 やっぱ恥ずかしいや(汗)。


  自分が食べた想い出も、子供が注文した想い出も、もう

 既に過去のものとなりました。

 いつか、孫とカトレアダイニングに行けるかなあ・・・・。 





 

 
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