2012年3月 

 

  題名 「梅は咲いたか」

 

                               Sigma DP-1  


桜はまだかいな。

江戸の小唄でございますが、古来私たちは春の訪れを心待ちにして参りました。

今年の冬はまた、とりわけ厳しかったですね。

毎年3月になると近所の農業センターで

「しだれ梅祭り」が開かれます。

桜に比べるとちょっとマイナーですが、梅も春を告げる花です。

「梅にうぐいす」花札の絵柄にも御座いました。

後は桃と並べれば、春告げ花御三家でございますが、

3月3日の桃の節句は、旧暦ですから現在では4月初め。

つまり桃と桜はほぼ同じ時期の開花である事がわかります。

梅だけが約半月程速いわけですね。

 

 話はそれますが、この三つの花で、なぜ桜だけが特別視され、花見が一般化

しているのかは不明ですが、思うに梅と桃は果実を取る樹として、農業として

栽培されて来たのに対し、桜は純粋に鑑賞用(サクランボの樹は同族だが別)

であり、しかも数日で散ってしまう。その潔さに昔の人も感じる所があった

のではないかと思います。それは、

「はかなさへの共感」みたいな高級なものではなく、

「一年ずっと我慢して、数日だけぱーっと咲くんだぜ、豪勢じゃねえか。」

的な、ま言って見れば例の能の

「ハレとケ」の間隔に近いのではないかと思います。しかも梅や桃の実は

買わなければ行けませんが、桜は庶民にも分け隔てなく与えられます。

 

 今年は3月終わりまできっちり寒かったので、梅の開花は大幅に

遅れました。桜は遅れても暖かくなりさえすれば、遅れを取り戻す様に

きっちり咲きますが、梅はそうは行きません。

実は3月初め頃一度見に行ったのですが、全くつぼみ状態。

今回3月終わり頃訪れて、ようやく満開の梅を拝見いたしました。

毎年咲くし、いちいち写真にする趣味はございませんが、

隣に居た典型的ニコ爺(ニコン一式を持って花とかを取るのが大好きな

爺)が一生懸命撮っておられたので、シグ爺の私も釣られて何枚か

撮影してしまいました。

これがその一枚です。

 

 梅や桜を見ると、

「ああ今年も生きて見られた。」という思いが湧いてきます。

最近健康状態が思わしくなく、すこし気を引き締めないといけないな

と思うのです。仕事ができて、趣味で遊べて、旨いものが喰えれば

(これがいかんちゅうの(笑))、他何も要らんです。

さあ、頑張って働こう。

 

年金つくまでは生きんと損だしね。

 
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