2017年12月 


「合計188歳!関西へ」



(今回の写真、大きめの写真はLeitz Wetzlar 1954 Summicron 5cm/2,0

                         あとはiPhone7plusです)


今年は、いい映画に巡り会えました。”シンゴジラ”と”君の名は”の二大ヒット作はもちろんですが、

”Planetarian”という、名作に出会えたのも収穫です。




主人公は”ほしのゆめみ”というアンドロイド。花菱百貨店という架空のデパート屋上にある

プラネタリウムの案内係です。毎日プラネタリウムを動かして、星空の解説をする人気者。

しかし、彼女の知らない人間の事情で、この町は廃墟となり、彼女は一人放棄されます。

何百年もたったある日、一人の屑屋(遺跡のトレジャーハンター)がこの百貨店あと訪れると。

まだ各地で上映していますので、ぜひごらんください。君の名はでも泣かなかった私、大泣き。

と、いうことで、今回は青春18切符を使って、この作品のプラネタリウム機のモデル

明石市立天文科学館のカールツァイスイエナUPP23/3型(1960年製)、通称

「イエナさん」に会いに行くことと、こちらも太古のワンダーランド。大阪一ディープという

「新世界」に行くことにしました。




とにかく時間を有効に使わなくてはならないために、暗いうちに家を出ます。

JR鶴舞駅が6時20分。まだ夜明け前って感じですね。




当日のアテクシ。膝まである黒いコートに、最近使い古され妙に評判のいい(英国旗の

缶バッチ付き)をかぶった、普段よりはまだ怪しくない(これでも(笑))出で立ちですが

胸にはしっかり




花菱百貨店プラネタリウム館の職員バッチ。もちろん自作。花菱の社章は赤色の様ですが、

最初これを作って、カーキ色のジャケットに付けたら、どう見ても北の将軍様みたくなった

ので、黄色に変えたというシロモノ。丸いバッチはほしのゆめみファンクラブのバッチで

これも手作り。会員ナンバーの02487291は作品中で少し壊れているゆめみが屑屋に

「ようこそ、あなたが02487290人目のお客様です”」といって、ガラクタで作った花束を

差し出す(いかん、書きながら泣けてきた)シーンがあるので、次の客になったつもり。




天気はあまり良くなくて、折りたたみ傘を持って出かけました。

明石に近づき、海が見えた!




明石駅からかなり歩いて、明石市立天文科学館へ。駅からこんなに離れたところに作った

のは、この建物が中学校の地理で誰もが習った東経135度線上に作られているから。

春分秋分の日に、ここに太陽が真上に来た時を昼12時にしているのですね。

この写真は、昼過ぎに撮り直したものです。来た時はどんよりした空にそびえる

敵のアジトみたいだった(笑)。

今回は久々にライカM3を持ってきました。大きめの写真がライカで撮ったもの。

私のM3は1954年秋にM3がフォトキナで衝撃のデビュー(あまりの精度に国産カメラ

メーカーはレンジファインダーから撤退し一眼レフに向かい、それが現在の日本カメラの

礎を築いた)翌年の1955年製。レンズは1954年製沈胴式ズミクロン5cm(当時は50mm

とは表記しなかった。M3直前のバルナックライカ用)。私も1954年製ですので(笑)、

合計188歳!という超ロートルトリオです。iPhone7plusでも撮ってますが、彼女(性別

は不明ですが一応Siriが女性の声なので(笑))は今年生まれた0歳児ですので。




この日は朝一番の上映がキッズ回で、近隣の保育園?から沢山園児が来てました。

終わった後で、外の芝生でお弁当食べてて可愛かった。この回も見ましたが、女性の

解説員が優しく説明する以外は、内容は次の回の一般上映と変わらない内容でしたが

子供達は熱心に聞き入ったいました。私も小学校の頃、出来たばかりの名古屋市科学館の

プラネタリウムで同じ話(アンドロメダのところ)を聞いたので、感慨深かったです。

小さい時に見た、カールツァイス投影機の能力最大の星空の美しさを、子供達は

一生忘れないと思います。




一回目の上映まで、展示を見ました。星の説明とかきちんとした(当たり前)科学館展示。




上階の展望台からの風景。霞のかかった淡路大橋をズミクロンが美しく再現してます。

晴れの日にはない描写ですね。この展望台のさらに上階に望遠鏡がありますが、これは

観星会の夜にしか一般公開されません。明石市民は幸せだな。




うちの0歳児iPhone7plusのカメラは、先代の6の血を受け継いでかなり広角よりの

じゃじゃ馬ですが、パノラマ機能を使って、円周型の展望台を撮ったら、面白い逆魚眼

みたいな絵になりました。




2回目の上映まで明石を散策。700円で入場券を買うと、その日の上映何度でも見られる

という太っ腹。

こんな碑がありました。源平合戦屋島の戦いだね。

『人間五十年〜」の謡曲敦盛のお兄さんか。戦死した平家の公達を哀れんで地元民が

馬を埋めたんだろうね。歴史を感じます。




遅めの昼食は卵焼き(明石以外の人は明石焼きという)と決めていたので、近くのお店で

懐かしい”ハムカツ”。おばちゃんと話してたら、明石市民のプラネタリウムへの愛情が

感じられました。

「震災でみんなひどい目に合うたけど、イエナさんが壊れなくて本当に良かった。

プラネタリウムは、明石の宝やで。ほんまに」




カールツァイスプラネタリウムの系図。明石のは東ドイツのカールツァイスイエナ社の

1960年作。名古屋市科学館の旧機は西ドイツカールツァイスのIV型。1964年製。

西ドイツが第四世代ということは、ロケット研究と同じく(アメリカはドイツV2型

ミサイルの技師を図面ごと連れ去った。ソ連は残った製造設備を持ち去った。宇宙開発で

ソ連が先行し、アメリカが追い上げて抜き去ったのはそのため)製造に苦労したのだと

思われます。プラネタリウムはイエナの方が本家なのですね。

今でもイエナさんのメンテは、ドイツから技師を招聘することがあるらしいです。




表題写真がイエナさんの外観をライカで撮ったもの。ドイツの技術で撮ったドイツの技術

これはiPhoneで撮ったイエナさんの上部。 上映中以外は撮影してもいいそうなので、

ちかずいて撮らせていただきました。つられてみんなわらわらと取りに来る様は、

まるで結婚式披露宴のケーキ入刀みたい(笑)。




同じく下部。

今回のプラネタリウム鑑賞の反省点2つ。

1.仕事・生活用のメガネを持って行ったため、等級の高い小さな星がよく見えず、イエナ

 さんの真の実力を確認できなかった事。

2.2回目は途中で寝てしまった(汗)。はっと目が覚めたら、離れた席からイビキが(笑)

 ここの催しで、プラネタリウムを見ながら寝るというのもあるそうで、快眠必至です。

 「完徹(完全徹夜)証明書」なるものが売店に売られていましたが、妙に律儀な私は、

 買う事が出来ませんでした。悔しいのでまた行きたいです。

 もういちど、ほしのゆめみ役の声優すずきけいこさんの解説イベントやって欲しい。




さて、歩いて明石の繁華街で卵焼きを食べようと。

今年のB1グランプリ受賞で賑わってました。昨年の青春18きっぷ旅では、明石駅前で

食べて、すぐ大阪に戻るという慌ただしい旅程だったので、今度はたっぷりと思い、

まず老舗といわれるきむらやさんに。

なかなかの店構え。




20個で850円。というのしかないので、これで満腹になり、ハシゴが出来ませんでした。

したがって以後の写真は、店頭のみ。

ともあれ、きむらやさんの卵焼き。さすがに大変結構でした。








”魚の棚”と呼ばれる。明石の目ぬきアーケードでガイドに出てくる名店の前を、

悔しい思いで通り過ぎました。

作り置きできないという事情はわかりますが、5個単位ぐらいで食べ比べできると

もっと集客できると思います。




大阪に着いたのはもう5時前。予定していた豊郷小学校のライトアップは時間的に

無理(その日のうちに名古屋に帰れない)とわかり断念。

新世界でゆっくりする事に。

まずは本場の串カツを。

「てんぐ」という店。




これが、その串カツ。二度づけ禁止は有名ですが、キャベツはいっぺんに取れだの

なかなか注文がうるさいが、こっちもあんまり大金使わないので退散。




新世界は戦前からある、通天閣を中心とする娯楽街ですが、今は地元の人が気軽に

飲みにくるというよりは、大阪外の観光客が来る観光地になっている気がします。

とにかく串カツ屋ばっかりで、これやっていけるんかいな。と思います。

そんな中で、こういう碁会所とかは、生活の匂いがしていいですね。




一応これが通天閣。夜はライトアップもされず、登る事も出来ません。




串カツだけでは夕食にならないので、たこ焼きを。これはなかなか美味しかった。




こういうディスプレイは大阪っぽいですね。




これが大阪や!




射的屋さん。2軒並びで、片方だけ流行っているのはなぜか?




エロ映画館。今時スチュワーデスって(笑)。




提灯もライカで撮ると、ねぶた祭っぽく。ならないか(笑)。




このディスプレイもかっこいいけど、これで客が呼べるんかねえ。




大衆演劇。こういう施設はぴったりですね。




こういうのも大阪らしいんか?自虐ネタ好きやなあ。




かっこいい大阪の電車。




ようやく鶴舞駅について、トイレに入ったら、器具倉庫の扉に、JR東海マンの

真面目さを見た(笑)




さて鶴舞公園で旅の終わりの記念に電飾を撮影。

そのあとポケモン取ったかって?

ちょっとだけね(笑)。




 
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