2014年7月


「てなもんや一日旅」



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※小生の関西弁はニセモノでございます。自分は生粋のナゴヤ人。学生時代の

 4年間、京都にいた以外は、名古屋以外に住んだ事はございません。

 そんな小生のニセ関西弁に、違和感を感じ、あまつさえ不快に思われる方も

 おられるかも知れませんが、小生の上方文化(桂米朝師匠に代表される)

 に対する、深いリスペクトに免じ、何とぞご容赦願います。

 少なくとも以前放映されたアニメ、

 「放射能に耐性がある新人類高校生特殊部隊のヒロイン」の関西弁よりは

 ましかと…。


 先日仕事上の止む終えぬ所用で、大阪に行って参りました。

問題は足の手配でございます。

まあ、名古屋からの足と言えば、まずは新幹線。世界に誇る新幹線。

後は、近鉄(名古屋と大阪ではイントネーションがちゃいます)の快速特急

「アーバンライナー」名古屋出ると、

焼き肉の聖地、鶴橋。

上本町(ここの六丁目を大阪人は親しみを込めて”ウエロク”と呼ぶ)そして終点

ミナミの中心、難波。

までノンストップと言う、思い切ったダイヤグラムの特急。


 「新幹線が5000円、アーバン3000円か、難儀やなあ」

そんな金、あらしまへんがな。

「そや!バスがあるやないか!」

学生時代、ズタ袋に一杯の洗濯物を詰め込んで、京都駅からJR高速バスに

飛び乗り、週末飯と洗濯を親にたかって新幹線代出してもらって京都に戻ると

いうモラトリアム学生だった私は、正直あの長いバス旅は気が進みません

でした。でも実は京都駅までのバス

(当時京都には地下鉄がなかった)と名古屋駅からの名鉄バス(当時鶴舞線は

天白まで来てなかった)の所要時間と余りかわらなかったり。

「金がないのは、首がないのと同しとはよう言ったもんやなあ」

休みは一日だけ。日帰りの大阪往復って果たしてバスでいけるんか?


 結局、バスを選んだのは、勿論予算面ですが実は楽しみでもありました。

前から乗って見たかったバス会社だったからです。

 それはWiller Express。

前の職場が、名駅近くでしたので、特徴あるあのピンクのバス、なんだか

超デラックスなシートが売りの、この高速バスには、一度乗ってみたいとは、

思っておりました。

んで、Webサイトへ。


 「なになに?【55歳以上限定】おとなの自由旅1000円プラン?

東京、大阪へ片道1000円だぁ?なんでやねん!なんでそんな安いねん!」

葉っぱの岩木の様に呟きながら、絡繰りを推測してみました。

数年前から高速バスは、観光バスツアーとしての営業が許されなくなり、

きちんとバス停を作り、時刻表通りに毎日運行しなくては、

認可されなくなりました。

という事は、平日日中などは、利用座席数が少なすぎると、色々とマズいの

だと思います。


 「ここ年寄りで埋めちゃえ」


私もだんだんそうなりつつありますが、お年寄りは概して保守的。一度決めると

もう変えたりしません。

いっぺん顧客を掴めば、次は正規の料金の日でもリピートしてくれます。

私なぞ、次はデラックスシートで東京行く事を夢見てます。


 という戦略であろうと勝手に想定してその戦略にまんまと乗る事にしました。

大阪往復2000円ですぞ!

で、片道3時間の旅。

バス旅行と言えば、気分悪くなる子。トラベルミンとか飲んでも、やっぱり

駄目なものは駄目。

予め酔いやすいからと、後ろで、大はしゃぎする級友から離れ、

最前列担任の隣。

加齢臭(と、当時はポマードやね)に余計気分悪くなる。という悪循環に

苦しんだ同輩も多かろうと存じます。


 今思えば、あんなにみんなが酔った原因の三大要素は、


1.室内に流れ込むディーゼル排気。

2.フラットで安定しないシート。

3.歌集(手書き謄写版印刷で、読み難く

 集中しすぎて酔う。なんでたかが遠足に”しおり”とか作るのか(笑))。

であります。


歌集(笑)はともかく、1は現在完全にシャットアウト。排ガス自体も

前よりはクリーン。

2は、今回のWillerでは、一番安いシートにも関わらず、新幹線等以上に

車のシートに近いデザイン。ハイバックは当然として(安全性から)、

お尻の上腰の両側を支える緩やかな突起があり、結構楽でした。

バスのサス自体も、以前よりは遥かに揺れが少なく、快適でした。


 普通のシートでこうなら、デラックスのはさぞや…。と思わせるのが、

Willerの思う壷なのでしょうなあ。

「その手に乗っちまう!(ミュージカル”マイフェアレディ”の楽曲、

”運がよけりゃ”の一節)」ですね(笑)


 行きはほぼ50%の乗車率。隣には荷物を置けました。

シートの背中には液晶画面があり、映画とか音楽とか楽しめる仕様。

でもこれはちょっと画面小さいかな。

結局iPhoneいじってたら時間が過ぎました。


 子供時代は乗り物酔い王者だった(でも絶対リバースしない

”喰った物は意地でも出さない。肥満児魂”(笑))

というポリシーのアテクシでしたが、まさかバスに乗ってiPhoneの

小さい字を見ながら3時間過ごせる日が、来ようとわ!!

Willer恐るべし。

てか、年老いて三半規管がへろへろになっただけかも(涙)。


 うまいこと

7:40名古屋駅発。10:40 梅田着。

帰りは

19:20 梅田発。22:30 名古屋駅着。

が取れました。ふむ帰りが10分余計にかかるんやな。交通事情やろか。

まあ5時に起きれば間に合うやろ

「ごごご5時ぃっ!?」という往年の志村けん、石野陽子のコントを

思い出しながら、就寝。

もう年寄りは4時に目覚めてしまいましたとさ(笑)。


 バス停に早く付き過ぎ、仕方ないので近くのミニストップで時間つぶし。

なんで早朝にコーヒー準備してないんや

しゃーない、缶コーヒで辛抱するわ。

で、定刻にバスが来ます。

奇麗なピンクのバス。休憩の駐車場でみつけ易い色。

楽しみにしていた一回だけのトイレ休憩(バス旅行の醍醐味)でしたが、

パーキングエリアのスナック類売店は10時から(涙)。

お土産屋とか、コンビニは開いてました。

ちなみに帰りも既に閉まっており、ちょっと旅の楽しみが半減。

まあカロリー的には良かったですが。



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 特にトラブルも無く、定刻に梅田着。

梅田と言っても、大分外れで新梅田っていうのかな?

スカイビルとかいう、空中庭園があるビルの麓に停車。

そこから結構歩く(名古屋だと笹島の109シアターから名駅までの感じ)

んやね。線路の下を潜る地下道を通り延々と。

名古屋だとクレセントタワーに行く地下道を思い出しました。


 目的地は環状線の西九条という駅でまあ名古屋から鶴舞ってな距離。

所用は13:30からなので、梅田で昼食。

なんかかっこええビルが多く、この辺でランチしよかと思たけど、

ごっつ高そうやな。お好み焼きでも、ちょっと高級。


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 ちなみのこの辺のビルの周りはちょとコジャレタ公園の様になっており、

水の都大阪(今はあんまりあらしませんが)にちなんでか、

人工の川を流してはる。若いお母さんが、幼児を遊ばせてはる。

あまり深くないので、幼児は、パンツいっちょで、水遊び。

おかあさん日傘でスマホいじってる。

なかなか風情がありますが、なぜか女児ばっかりなので、

あんま近くに寄ると、通報されそう(汗)。

それにしてもこんな都心で水遊びて、東京だったらガードマンが止めるやろ。

名古屋だったらお母さんもパン…(嘘)


 さて、高そうなコジャレ食堂街を抜け目指すは梅田のシンボル(俺的)の

「阪神百貨店」

オシャレな高層ビル(大阪駅もケバい)

ちょっと威圧的な阪急百貨店、

老舗の気品を感じる大丸に比べ、

阪神百貨店の一角は、レトロで庶民的。

目指すは地下の食堂街。特に

「いか焼き」

「大阪三大粉もの」の一つ。

あとのお好み焼き、たこ焼きが、大阪中至る所に名店があるのに対し、

いか焼きは、阪神百貨店の地下だけ。



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 一階の案内嬢(百貨店の顔ですね)に

「いか焼きってどこですか?」と聞いたら、待ってましたとばかり教えて

くれた。

ルイ・ヴィトンはどこにあるか?と聞く答えと寸分違わず。

しかも目は嬉しそうに輝いてました。

同期の中で一番の美人さんが選抜されるのでしょうが、中身はやはり、

浪速娘なんやね。いか焼き育ち。


 地下食堂街のフードコート的な一角(最近のモールのとは比較にならない

ほど狭く、椅子なしの立ち食い)で

いか焼き(ノーマルとデラバン=卵入)

たこ焼きと明石焼(各4個)、あと

なんとか焼きと言う(忘れた)餃子の具が練り込んである粉ものを食べる。

小盛が可愛い”阪神チャーハン”とか、

300円のカレーとか、食べたかったが、

おっちゃん、もうポンポンぱんぱんやで。

これで、1000円ちょっとなので、安い。



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 阪神電鉄は、球団だけは手ばなしたらあかんと、真剣にオモタわ。

この一角が、

「タイガース勝ったで(或いはアカン)いか焼き喰うとくか?」という

共同幻想で成り立っている空間だと思います。

大阪に生まれたかったなあと、ちょっと思ってしまうアテクシでした

(中日優勝しても、そんときだけセールだからなあ)。


 さて所用で3時間半ほど拘束され、梅田にもどると、まだ5時半。

三大粉ものの最高峰。

お好み焼きで〆めないと、大阪来た気がしまへんで。

iPhoneで検索すると、梅田では有名な

「きじ」というお店があり、土日は長蛇の列らしい。

東京にも支店があり、そこも繁盛してはるらしい。

てなわけで、さっそくお邪魔する。

ガードの近くの、ものすごレトロな飲食街”新梅田食道街”

に”きじ”はあります

「食道」って、”食の道”ってことかな?

消化器官にしか聞こえんが(笑)。

まあそんなことはどうでもよろし。



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 狭い階段上って、店に入る。

「荷物は椅子の中に」なるほど。合理的

カウンターの鉄板で、背の高い渋いお兄さんが、焼いてくれる。

裏では、ずーーーーーーっと

「とんとんとんとんとんとんとんとん」

おじさんがキャベツ刻む音。いいぞ。

食べログとかで、

「モダン焼きが人気」とあったので、それにしたんやけど、すぐに後悔。

見事なパレット状に焼き上げる豚玉とかと違い、焼きそばベースの

モダン焼きは、ちょと、形がだらしない。

ジャバ・ザ・ハット状というか(笑)。

「あーまたモダンかいな。素人やな」と思われてるんゃないやろか。

今度来た時は、芸術の様な普通のお好み焼きにしよう。

「ちょっとソースかけ過ぎちゃうか?」

と思たが、見事な大阪焼きでした。

また来るで。


 ここが本日の〆でした。はずですが、店でたら、なんと大阪名物

「ソース二度漬け厳禁!100円串カツ」

の松葉があるじゃ、あーりませんか。

寄ったのか?寄ったんだな?

寄りましたとも。



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ビール飲みたかったけど、帰りのバスで気分悪くなると嫌だったので、水で。

たまたま財布に小銭がなかったんや。

1000円札もなかったんや。

あんまりおつり多いと、悪いやろ?

おっちゃん、ほんとに1-2本で出よ思たんや。



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 みんな財布がわるいんや、おっちゃんちっとも悪うない~」

岡林みたいに呟きながら、よろよろ店を後にする、初老の紳士(自己評価)

完全にカロリーオーバーや。


 食い倒れ、とは良く言うたもんですな


 さてその後は梅田の街を冷やかしながら、あの地下道を通ってバス停へ。

暑かったので、スカイビルの一階にあるだろうカフェで、時間を

潰そうと考えたのですが、

なんと素敵な(喜)Willer専用待合室があるじゃあ、あーりませんか。

トイレがない(ビルの共用)代わり、着替え室がある。確かに友人の披露宴

とかで、帰りにバスで礼服では過ごしたくないわな。


 暑い日でしたが、冷房がんがん(喜)。

なんか飛行機っぽく、搭乗客リストが貼り出してある。座席指定も。

おお、ほぼ満席か。帰りはUSJ発のバスらしい。隣は?あ、外国の人。

中近東系の名前だな。

途端に特徴的なアーモンド型の目の美女を思いだしましたが、考えてみると、

ムスリムの女性は、バスで独り旅なんかしないな。しかも男名前だしorz。


 待合室の携帯無料充電コンセントの所に、小柄であざ黒い眼鏡青年が、

タブレットをいじってました。

日本橋辺りの電気店の紙袋持って…。

オタクか?

こいつか?こいつだな。今日のねいばぁふっどは。

で、こいつだった(笑)。

別に話しかけるでも無く、帰りの道中、ずっと彼はスマホとタブレット

いじってました。

俺とおそろだ(笑)。


 名古屋駅は、新幹線口から更に歩いた則武にバス停があります。

聞いた話では,Willerにはもう一つバス停があり、そっちは笹島なので、

さらに遠いとか。

ぽつんとバス停があるだけで、バイトのおじさんが待っていて荷物を

トランクから出してくれます。

大阪の豪華な待合室と、大違い。

この会社は大阪が本社らしいので、仕方ないのかな?


 そういえば、今回急ぎ旅で、お土産買ってなかった事を思い出し

(阪神地下で難波556の豚まん買おと、昼間は思てたんや(汗)。)、

待合室の一角に慎ましく置かれているお土産の中から一番安い

「ばかうけ、大阪限定お好み焼き味」を

買って帰りました。

結構家族に受けたので、さすがばかうけだと思います

(小学生の夏休み絵日記調の〆で(笑))。

 
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