2010年1月

 

  題名「ぴゅあはぁと」 

                                        SanyoW33SA


  仕事が変わって、鶴舞線だけの通勤になりました。

 前は伏見で東山線に乗り換えだったのですが、私は名古屋の大動脈とも言える

 東山線が、どうしても好きじゃありません。

 狭いでしょ?小さいでしょ?古いでしょ?

 名古屋で最初に出来た地下鉄で、他の線とは規格が違うので、仕方が無いの

 ですが、本山駅の名城線乗り換え階段など、本当にホームぎりぎりを歩かねば

 ならず、

 「狭いっ!」という感じがします。

 登ってからは近代的なデザインなんですけど。


  まあそれにしても、東山線は市交通局のドル箱として、がんばって居る訳で

 して、あんまり悪口は言いたくはないのですが、やはりキャパシティに無理が

 あるような気がします。

 ラッシュ時の乗客率が高すぎるからこその

 「女性専用車両」と言う事なんでしょうが、なんかこれもやりきれない気が

 します。

 伏見→名古屋という、たった一駅東山線に乗るだけでも、なんか人酔いする

 感じがありました。


  その点われらが鶴舞線は、なんかのんびりしています。もちろん通勤線として

 黒字を出し、バス路線の赤字(市民サービスとしては止むなしとは思いますが)

 を少しでも補完する役目を果たしている鶴舞線ですので、朝は赤池から乗ると、

 八事(名城線乗り換え)

 →御器所(桜通線乗り換え)

 →鶴舞(JR中央線乗り換え)

 →上前津(名城線・名港線乗り換え)

 →伏見(東山線乗り換え)

 →丸の内(桜通線乗り換え)と、

 6回も乗り換えをこなし、しかも東は名鉄豊田新線、西は名鉄犬山線と

 乗り入れるという、まるでスクールバスの様な忙しさですが、最後の丸の内を

 過ぎてからののんびりさは、降りる皆さんに

 「労働者諸君!今日もごくろうさん。」といいたくなる程の乗客激減です。

 かつて終点の上小田井(で犬山線にかわる)まで通勤していた時には、

 伏見・丸の内過ぎると、ほっとしたものでした。


  丸の内を過ぎて浅間町に着き、ここでも一定数の乗客が降りますが、その次の

 浄心という駅で、更に沢山降ります。

 ここで最後の力を振り絞って乗客を降ろし、抜け殻の様になって上小田井まで。

 そこからはもう高架の駅。

 名鉄犬山線として、何喰わぬ顔で普通の電車になるのです。

 さてこの浄心という駅ですが、凄いネーミングですねえ。

 「心が洗われる様ぢゃ。」という意味でしょうか?

 時々クイズ番組にもなる名東区の

 「極楽」に匹敵するセンスではないでしょうか?

 調べてみると

 「浄心寺(上の写真のお寺)」という由緒ある曹洞宗のお寺から来ている

 ようです。なになに?

 「パチンコ発祥の地」!!??

 「パチンコミュージアム」!!!!

 これはまた調べねば(笑)。

 

  上小田井まで乗っていた時に、浄心の駅ではとても不思議な事がありました。

 かなりの乗客が降り、発車までの間に、ホームの乗客が、中々減らないのです。

 同じ様な渋滞は東山線名古屋駅で見られますが、あそこはもう乗降客数が

 圧倒的に多いので仕方がないのですが、他の駅より客数は多いとは言え、

 まあ中ぐらいの規模の駅で、あの渋滞は異常です。

 

  実は今度の職場の最寄りが浄心なので、その謎が解けました。

 この駅は改札が上りと下りのそれぞれに独立してあり、自動改札がそれぞれ

 2台づつしかないのです。

 出入り口は4つあり、交差点の4角にそれぞれほぼシンメトリーに配置されて

 います。

 つまりここを利用する通勤客は、朝降りる時と夕方乗る時は別々の出入り口を

 利用する事になります。特に乗るときに口を間違えると、線路の下をくぐる

 トンネルへ階段を登り降り(バリアフリー化で短いエレベーターが出来ましたが)

 をしなくてはならないという事になります。

 2台しかない(他の名古屋の地下鉄駅は4台はある)自動改札はここで並んで

 もらう事により、その先の細く長い階段・エスカレーターへ人が殺到しない

 為のダムの役目を果たしていたのでした。


  この駅を使ってもう1ヶ月が過ぎようとしていますが、特に帰りに、希望の

 方向のホームにたどり着くために、信号を渡る事が多くなりました。

 朝も最初迷子になりそうでしたが、じきに

 「今日はこっちの信号渡ろうかな?」とか、結構気ままに(青になった方を

 渡るとか(笑))地上をうろつく事が多くなりました。一個しか無い改札を

 出て、長い地下道を通り、思い詰めた様に毎日決まった出入り口をとおって

 出退勤するサラリーマンの群れが通り過ぎるだけの駅に比べ、なんだか

 浄心駅の作りはのんびりしています。


  そのせいか、他の駅にくらべ、地上には飲食街が多く、不思議な事に女性を

 置いて接客する様な飲み屋より、

 「どうだいマスオ君いっぱい。」

 「いいですねえ。お義父さん。」みたいな焼き鳥屋さんみたいのが多いのです。

 名古屋は元気がなくなった。もうぼろぼろ、とか言われる最近ですが、

 名古屋人はあのころだって

 「今名古屋が元気」だなんて全然思ってなかったし(ビルはやたらに建ったけど

 実感なかった。マスコミだけが騒いでた)、今も不景気には違いないですが、

 日本の中で名古屋がとりわけ凹んでる訳じゃなし。マスコミが

 「繁華街も夜になると、まるで火が消えた様。」なんて映像を

 流してますが、昔から名古屋は夜が早く、11時過ぎると怖い位人が居ない都市

 なんですね。

 で、どこに居るかと言うと、自分ちの近くのこういう安い飲み屋さんで、

 ドラゴンズやグランパスの話をするんですね。


  浄心界隈を歩くと、この街は古い城下町の繁華街だったろうという面影を

 強く感じます。

 バブルに踊らない、古い名古屋人の底力を感じるとともに、シャッターの

 閉まった店の多い他駅前の商店街に比べ、

 地上の人の流れ=駅の出入り口の配置の妙を感じます。

                                       SanyoW33SA
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