2010年10月 

 

  題名「会って来ました」 


                               SIGMA DP1


  駅で偶然ポスターを見かけなければ、危うく見逃す所でした。

 「探査機はやぶさカプセル公開!」

 これ見逃してたら、ちょっと立ち直れなかったかも知れません。

 おそらく貴重な休暇を使って、次の開催地に行ったことでしょう。

 よかった・・・。

 

  名古屋市科学館は現在休館中ですが、COP10開催の10月末まで、

 生命館だけ開けています。そこで展示するわけ。

 「入場無料。9時から整理券配布。撮影厳禁。見学開始は9時半より。

  見学時間は選べません(!)」

 という凄い内容なので、早く行かねばとおもいました。

 夕方まであるので、遅い時間の整理券でもいいやと思いましたが、

 一日を効率よく使うには、多少は早めに行く方がいいでしょう。

 と言う訳で、8時前に出て、カブで白川公園に。

 吹上通を西に向かって、白川公園に近づくと、そこにはオドロキの

 光景が!


  なんと科学館から吹上大通りまで、すでに列が伸びていました。

 名古屋に来られた方でないと判らないと思いますが、ほぼ1ブロック。

 白川公園は災害避難指定地。戦前には軍隊の集合地(学徒出陣とかも

 したのでしょうか?)として広い空き地が確保され、敗戦後すぐには

 米軍キャンプ。返還後は科学館や美術館が出来ても、空き地だけは

 そのまま確保。名古屋で一番殺風景な公園といって良い広大な空間な

 わけですが、その周辺の一辺、最近までホームレスさんの青シートの

 村があった(最近はどこへいったのか?不景気なので更に数は増えて

 いる筈なのですが、仮設住宅とかに移ったのでしょうか?人ごとじゃ

 ない気がします)そのだだ長い道路に並び、さらに折り曲がって外の

 歩道に回って科学館近くまで。ハンパじゃありません。


 「この列はアップルストア栄の開店の時より長いな。」と思いながら

 ならびました。

 列が動き始める頃、驚いた事に公園の向こう側に列が見えたのです。

 つまり科学館の向こう側まで列は伸び、科学館の前を突き抜けて、

 はるか反対の東側まで(驚)!


  ようやく10時前の早い時間の整理券がとれ、一旦朝食へ、

 名古屋で一番ステータスの高いマクドナルド、

 「マクドナルド大須スケートリンク店※」で朝食。新製品?の

 「サラダマフィン」とホットコーヒー(30分並んで体が冷えた)。

 それから自分の時間前に会場へ。すでに開館されており、長蛇の列。

 困るのは、列のどの辺が何時の券なのか判らない事。

 時間が判ってるのだから、並ぶ必要はないのですが、見ると11時の

 券を持つ人とかが並んでいる。マズいと思い、係の人に聞くと、

 慌てて案内してくれました。こんな長蛇になるとは思わなかったかも。

 というか、愛地球博で並ぶのが癖になっているナゴヤ人をなめてた

 のかも(笑)。


 ※世界女王浅田真央様がご幼少のみぎりから通われたリンクの一階

  にあるマクドナルド。ここで腹ペコ真央ちゃんが、がっつり喰った

  に違いない。帰りにすれ違ったスレンダーなジャージ美少女も髪を

  アップにしてた。間違いない。有名になってからは、お姉ちゃんが

  代わりに買いに行った(お姉ちゃんも有名だけど)に違いない。


  なんとか入場し、いよいよ会場へ。本当に狭い会議室位の部屋に

 折り畳むような順路を辿って進むと、小さな装置が・・・。

 本当に中華鍋みたいな筐体にサンプルを取り込む装置。

 電子基板は、見慣れたブラックボックスではなく、ハンダ付けの

 かなり判り易いもの。ハム世代には懐かしい感じです。

 そしてポリエステル製のパラシュート。こんなのがあの長旅の後、

 ちゃんと開いたんだなあ、と思うと感動です。


  見学者は年齢も様々。申し訳ないが(自分も含めて)熱心な

 天文ファンという様には見えません。

 小学生から、もう歩くのも大変そうなお年寄りまで。

 なにが彼らを早朝から並ばせるのか?

 はやぶさが、いかに多くの人に感動を与えたか、

 そして最近この国の人びとが忘れかけていた、

 「日本の職人魂=技術立国」という、この国の依り立って行かねば

 ならない、大きな題目を思い出させてくれたこの小さな機械を、

 もうキャラクターを感じてしまう程、愛する国民性を想いました。


  立ち止まらずに見学する人びとは(私も含めて)この装置の真価は

 わからないです。ただとんでもない長距離を宇宙飛行して帰還した

 この探査機の実物を見ると、やはり感動と言うか、思わず

 「柏手を打ちたくなる・・・。」思いになるのが不思議です。

 一番見たかった耐熱カバーが詳細検査のため(本当は見せたくない

 凄い技術があるのかもしれません。彗星・小惑星衝突に備える実験で

 飛行体としては異例の角度で突入させ、とんでもない熱だったらしい)

 公開されないのが残念でしたが、満足でした。

 短い見学の後、15分程の記録映像を見て(「最後の写真」と突入の

 映像で、やっぱ泣いた(笑))、科学館を後にしました。

 やっぱりみんなはやぶさが大好きだったんだなあ。

 
メールを送信