2011年1月 

 

  題名「微笑み」

                              

                              SanyoW33SA

 仕事に行く途中、地下鉄の駅から職場に向かう道で、なんだかいつも

にこやかに微笑まれている様な気がして、振り返るのですが誰もいません。

「なんなんだろうなあ。」と不思議に思いました。

自転車で通る時にも、一瞬だけそれを感じ、不思議はますます増加しました。


 12月のある日、いつものその感じがありましたので、思い切って少し戻って

見たのです。相変わらず誰もいません。

この辺はマンションが多く、どこかの窓から覗いて微笑んでおられる方が

いないかと思いましたが、それを感知する程の鋭い感覚を自分が持っているとは

とても思えません。


 結局見つけたのが、マンションの駐車場に停めてある自動車でした。

全然気にしていなかったのですが、いつも停まっていただろうこの車は

妙に笑っています。

確かに最近の日本車のフロントマスクは、つり上がった様な矩形ヘッドランプ、

イヌかメコの鼻面のような長いボンネット。横に長く口の様に開いた

エアインテークなど、動物の顔をイメージさせるデザインが多いです。

遠くフェラーリのスポーツカーや、それに近い路線を目指したフェアレディZなど

のデザインを踏襲しながら、空力やデザイン上のポリシーからそうなっている

と思いますが、特にマツダの車はその傾向が強いように思えます。


 私にいつも微笑んでくれるこのマツダ車などは、まさに

「ねこばす」の様ないたずらっぽいフェイスになっています。

オーナーがジブリファンなので、この車にした訳ではないでしょうが、

デザイナーは意識したのでは?と思います。

やはり各社の主流デザインは動物の顔に見えます。

一部(豊田車に多い。生産量と販売チャンネルが多いので冒険出来る)の

「過去の車のイメージにインスパイアされたデザイン」SAIとかですね、以外は

みんな良く似たようなデザインです。


 思えば我々が子供の頃

「未来の自動車」というと連想した車のデザインに近づいて来た気がします。

そういう車は空飛んでましたけどね。

「スーパージェッター」の流星号とか。

まだ手塚先生のアトムに出て来たパトカーのデザインは出て来ませんが、

時間の問題かも(犬の顔型。たれ耳がドアになってた)。


 謎が解けてからも、この微笑みは毎日通り過ぎる私に向けられています。

慣れて来ると、本当にねこばすに見えてきました(のでナンバー消したついでに

行き先書いてみた(笑))。

 
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