2012年9月 

 

 「友よ」


                          Tokina AF 19-35mm/3.5-4.5 

 

 実はうちの老犬が入院しまして、元気な奴だったのですが、最近散歩でよろよろするなと

思っておりましたら、起き上がれず、餌も食べずまずい事に水も飲まなくなったので、これは

いかんと思い子供と車で動物病院に運びました。先生の顔色が変わり、大変なんだといまさら

思ったのですが、とにかく入院。数日後には覚悟して欲しい旨の説明。

(これが8月中旬の事。)

 

 動物の場合、そのまま家に引き取る、または入院続けるかは飼い主の意志にまかされます。

この場合引き取れば、餌が食べられないので、点滴の技術がない我々では、次第に衰えて死を

迎える。

病院に居ても回復の見込みがなく、苦しみが続く場合は、そのまま眠らせる方法もある事を

告げられました。

普段は顔を合わせる事も少ない家族が、これからどうするか、話し合いました。

任意保険に入っていないので、全額負担ですから正直長期の入院は家計が保ちません。

どうするか…。

14年間、ろくに世話もできなかったし、一日2回の散歩はかなり負担な事は事実でした。

しかし

「とうとうお別れか…。」と思うと、やはりなんとか生きて欲しいのです。

ペットショップで売れ残り大きくなり過ぎた子犬。格安で譲って貰った犬ですが、あのまま

ひっそりと処分されてしまった(そうとは限りませんが)のと、環境劣悪な我が家で14年間

生きたのと、どっちが彼にとって幸せだったのかは判りません。

 

 ありきたりな

「ペットを飼う事は、子供の人格形成にいい。」と言う理由で買い始めた犬ですが

子供の一人は

「こいつが死ぬ頃は、僕は大学出て就職しているかなぁ。」と小学校のころ思ったそうです。

彼は今年就活中。うちに犬が居る事が良い影響を与えたかどうかは、わかりません。

「ペットは死ぬから二度と買いたくない。」

悲しい別れを経験した人は良く言いますが、今後の事を、涙を浮かべながら激論している

家族を見ると、彼が家に来てくれた事を感謝する気持ちになります。

ペットは死ぬから人格形成にいいのかも。

(8月下旬)

 

 我が家の老犬ですが、退院いたしました。

何とか自力で餌・水を取れる様になったためですが、財政的な所も大きいです。

犬猫にも保険制度があるのですが、今まで飼っていた犬は、結構最後はぽっくり逝く感じ

でしたので、

「まあ時がくればお別れだなあ。」位の感じで何もかけずにおりました。

今回の入院は結局一日3万円。病院も手を抜かず一生懸命治療していただきました。

おかげで彼はまだ生きているわけですが、半月の入院ですのですでに治療費が50万円を

越えようとしています。

「お金には換えられない。」という言葉がありますが、これは真実であり、綺麗事でも

あります。もう少し入院させる手もありましたが、

「メンタルな面では、自宅の方が安定する。」

という獣医師の言葉で決心しました。

今はできるだけ、家族の誰かが側にいる様にしています。まだまだ回復は遅く、病状の

急変もあり得ますがなんとか家で最後まで看取る様にしたいです。

(9月上旬)

 

 さて退院してから一ヶ月。今も週1回程度通院する日々ですが、少しずつ元気になり

餌(病犬用の特別フード。5000円/3kg)も一日3回、元気に食べてくれます。

ただ腎臓がかなり悪くなっており、その点は回復の見込みは無いとの事。

足腰も弱っており、前の様にリードをぐいぐい引っ張って散歩をするまでには、

もう回復しないのではないかと思います。

9月は老犬と共に過ごした一か月でした。

餌をやり、ペットシートを交換し、水を補給し、薬を与え、通院する。

長時間出かける事も、あまり出来ない現状ですが、あと何日一緒に居られるかと

思うと、出来るだけの事はしてやりたい(お金はあんまりないけど(汗))。


 

 


 
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