2010年4月 

 

  題名「おみや」 


                         Sanyo W33SA


  何人かで共通の友人のお宅を訪問する事になり、

 「お土産に何を持って行こうか?」

 思いついたのが、名古屋駅前に出来たあの店。

 行列で有名なあの店。

 開店日は9時間待ち!と言う噂。

 で、誰が並ぶかと言うと・・・。

 その日休みだった私です(ヤパシ(笑))。


  数年前にこの店が日本上陸し、新宿に店を出したときは、やはり

 結構な行列で話題になりました。

 今でこそ関東には何件もあるのですが、最初は

 「一店しか出さない。」という戦略で、消費者の飢餓感を煽り、

 テレビ番組でも、話題造りの為にADを朝から並ばせて、スタジオに

 届けさせるなど、一挙に有名になった感がありました。

 アメリカから来た

 「Krispy Kreme Donuts」は独特の柔らかい食感で評判ですが、

 店舗は増えたとは言え、関東のみでした。本当は

 「Crispy(新鮮な)Creme(クリーム)」のはずなのですが、

 なぜKなのかは、本社の人間でも判らないそうです。ただ、最初の

 「オリジナルグレーズドドーナツ(160円)」のレシピを作った

 フランス人のシェフが、すでにKにしていたそうです。


  アメリカ人は、その先祖の多くがやって来たヨーロッパ文明には

 強い憧れを持っており、例えばドイツ語では多くの英語表記の

 CがKで表記される(例えばcardはKarte)事から、

 「ヨーロッパから来たオシャレなドーナツ。」という線を狙った

 ネーミングであったと思われます。

 漢字文化に憧れたベン君が腕にBig Benのつもりで

 「大便」てタトゥーしてしまう様なものか(違うか(笑))。


  という、由緒正しい(?)このドーナツ屋が関東以外で初めて

 名古屋駅前(と大阪心斎橋)に出来ました。

 ナゴヤ市民としては、大変誇らしい事ですが、聞こえて来る話は

 とにかく凄い行列と言う事。


  3時集合という事で、私は12時に名古屋駅に着きました。

 「3時までに買えるのか?」ドキドキしながら、タカシマヤの前まで

 行きましたが、案の定長蛇の列。しかもガードマンが大声で交通整理

 しておりました。列は他の店の前を横切るので、入り口の邪魔に

 ならない様に、隙間を作るためにガードマンが配置されているのです。

 「この地点から3時間待ち」と書かれた最後尾に並んだ時には、

 目の前が真っ暗でした。でも3時集合なら辛うじて間に合うか?

 愛地球博以来、行列は慣れっこの愛知県民ですが、この長さはちょと

 ぶったまげました。ところが列は意外と速く進みます。


  結局、30分が経過した頃にはもう店の前に。

 店頭に近づくとご苦労様でしたと言う事でしょう。店員がトレイに

 載せたオリジナルグレーズドドーナツを一個ずつ手渡してくれます。

 「これを一口食べて、憤然と列から離れたら、海原雄山みたいで

  かっこいいな。」と思いましたが(笑)、実際にはそんな人は

 おらず、皆おそらく初めて食すこのドーナツを真面目な顔で食べて

 います。私の初めてのKrispy Kreme Donutsはその独特な食感が

 印象的でした。とにかく柔らかい。


  前もって見せて貰ったメニューで、このお店のドーナツを全て

 味わうには、12個入りの箱を(何箱か)買えばいいと言う事が

 判りました。ちなみにこの箱は、180円単価のドーナツを選んで

 詰め合わせる物が1800円。

 オリジナルグレーズドドーナツを12個詰め合わせた物が1600円と

 それぞれ2個分お得になっています。

 ちなみにお急ぎの人には、チョイスはお店にお任せの1800円箱と

 1600円のオリジナルグレーズドドーナツ箱しか選べない列が別に

 用意されています。

 無事ドーナツをゲット。 まあ平日だったので、こんな

 感じですが、土日はこうはいかないでしょう。

 もう集合時間まで時間余りまくりです。

 店内に少しテーブルがあるので、ドーナツ一個とコーヒーを注文して

 みました(ガツガツ喰ってから気がついて写真撮った(笑))。

 まだ時間があったので、でっかい箱をぶら下げて、久しぶりに

 名古屋地下街をうろうろしました。

 実は同じ箱をぶら下げている人を何人も見かけました。

 みんな同じ境遇なんだろうなあ(笑)。


  3時に集合して、訪問予定のお宅に到着。

 全員でお茶にして、ドーナツを味わって感想を。


 ふむふむ はむはむ


  アメリカのお菓子は本当に

 「too sweet!」なんですね。ここのドーナツも砂糖のコーティングが

 しっかりされた物が多いです。土台はあまり甘くないんですけどね。

 恐らく他のドーナツ店も、アメリカから来た当時はこういう味だった

 と思われますが、次第に日本人の舌に合わせる様になり、例えば

 ミスタードーナツのオールドファッション抹茶の様な傑作も生まれ

 ました。しかしニューカマーのこのお店の味はアメリカのまんま。


  行列しながらガラス張りのファクトリーを拝見しましたが、

 ここのドーナツは、最終作業のトッピングを除けば、完全な

 オートメーションです。直営かフランチャイズか知りませんが、

 フランチャイズなら、オーナーはさぞかし高い初期投資をするの

 だろうな?と思わせる、まるで工場みたいな設備です。

 ですから、戦略上の制限を解けば、あっと言う間に各都市に

 ひろがるでしょう。名古屋と大阪はそのモデルみたいです。

 ある意味、名古屋人がいつまで行列を続けるか、見ている状態

 なのかも知れません。

 名古屋人は東京の流行が大好きですが、飽きるのも早いですから。

 この味を守り切るか、日本風に改良するか?微妙な所です。

 インド人が開くカレー屋は、当初は母国のレシピですが、直に

 日本風テイストを加えた味に替えて行き、そして閉店します。


  誤解されると困りますが、本当に初めての食感で美味しいです。

 しかし甘い。

 吉野家風に言えば、

 「美味い。甘い。長い(行列が)」という感じですかね。


 誰が上手い事言えと(笑)。



 
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