2015年11月 


「リベンジへの道のり」



※今回はドキュメンタリー調にしたかったので、文体が固い。お許し願いたい。


ドキュメンタリーといったとて、所詮定例の豊郷参りの話なのだが、もう何回も行き、その都度この

コラムのネタにしているので、そろそろマンネリ感は否めない。

そこで、今回は行事の内容よりも、それに至る準備、私の意気込みから語り進めたいと思う。

「けいおん!」というアニメに出会って、それまでのアニメ好き人生が変わったかといえば、

そうだとも、それほどでもないと言える。

好きなアニメという面では、決して私のベストワンではない。まあベスト5には入れてもいいが。

「物語シリーズ」

「のんのんびより」

「あずまんが大王」の方が好きだし、他にもインパクトでは上を行く作品もあった。

肯定的な面は、演じる声優というものに興味を持ったこと。

そして、アニメ作品を支えるファンたちの熱い心に触れたこと。


この作品は制作の京都アニメーションが、舞台の学園に現実の名建築

「豊郷小学校旧校舎群」を設定したことで、一気に

「聖地」としての側面を持ち続け、さらにそこに年4回(澪誕生会、新入生歓迎会、律紬誕生会、

そして唯梓誕生会)ファンが集うことにより、放送終了後6年が経過してもファンの炎が消えることが

ない、稀有な作品となった。

このような現実の(オタク風にいえば三次元の)聖地を持つことで、永遠に生きる、かどうかは

ともかく、現在を迎えているわけである。

体を張って取り壊し計画を阻止し、母校の名建築を残した豊郷小学校卒業生の皆さんには

感謝の言葉しかない。

ここに通うことで、私は現実を忘れ、同好の友の連帯を感じ(会話もないのだが)、

リフレッシュして名古屋に戻る。

まさに聖地巡礼である。


今回11月初旬の唯梓(平沢唯、中野梓)誕生会に参加するにあたって、私は目標を立てた。

1.できるだけ準備すること。

2.今回ならではの思い出を得ること。

3.無事に帰ること。


3は当然として、1では出来るだけ心を奮いたてる準備。

そこで、ステッカーを作ってみた。

中学時代、友人3人と家で定期的に徹夜で遊ぶ(一応バンドだったので演奏したり、ゲームしたり。

と言っても健全なもの。お菓子を持ち寄り、近所の自販機でジュースを買い。闘球盤という

ボードゲームで遊ぶ)ことを定期的にやっていて、私はその都度ポスターを描いていた。

そんな心をもう一度。と思って今回ステッカーを自作した。

売り物ではないので、色々拝借して組み合わせる。

イメージとしては、記念列車のフロント標識。”うさかめ”は豊郷のシンボルである。

これをカブの前面に貼り、聖地に乗り込む算段だった。


実はこのステッカーにはサイドストーリーがあり、これはファミマのデジカメプリント2L版で

印刷したものだが、これをタブレットのケース(100均製)に入れたまま、地下鉄の車内で落として

しまった。

後日落し物センターに電話して見つかったのだが、その電話で、

係員「何か(特定の)決め手になるものがありますか?」

私「あのう、ステッカーが入ってます。聖地巡礼号っていう」

係員「(ほとんど笑いそう)なんか会社の名前が?」

私「はい、うさかめ電鉄株式会社」

電話切ってから笑われたと思う(汗)。



※今回の写真は全てiPhone6です(ん、ななんとMacOSを10,11 EI Captainにしたら、

 「あいふぉん」では変換しないんだよ。「あいふぉーん」じゃないとiPhoneに。

 アメリカ本社の指示なんだろうか?日本じゃあいふぉんで定着してるのにな。ひょっとして

 ドアホンのアイホンとの摩擦を避ける為か?と深読みしてみる)。


で、ファミマデジカメプリント1L版で、バッジも作ってみた。既成の缶バッチに乗せ、

大切な缶バッジを保護するビニルカバー(こういう商品がちゃんとある)を更に上に被せただけ。

これだけで、もうwktk※である。


※掲示板略語。”ワクワクしながら、顔テカテカさせながら待つ”の意。




次の2の件だが、やはり豊郷参りはバイクに限る。

1月の秋山澪誕生会は、季節的にバイクは無理。一番楽な関ヶ原越えでさえ、雪道が怖い。

11月初旬の唯梓なら、最難関の鞍掛峠※越えでさえ通れる。


※鞍掛峠=国道306号線は、11月中旬から翌春まで閉鎖される。


前から下の写真に見えるひざ掛けカバーは装着済み。防寒、防水ジャケット、同オーバーパンツは

所持。靴は防水ハーフブーツを持っていたが、ちょっと履きにくいので敬遠。

今回長靴を購入した。

元々我が家は丘の上にあるので、豪雨の日や、雪の日の通勤用にも必要だと思っていた。

釣り人用の防水長靴も考えたが、今回はオシャレ性?にちょっとくらっと来て、流行り物を。

「日本野鳥の会」ブランドの長靴である。

ある年齢以上のかたには、紅白歌合戦でおなじみのこの会であるが、日本中で野鳥調査と保護に

活躍している。彼らは公共交通機関を利用して、目的地で着替えて行動することが多いと思うが、

その際長靴は、出来るだけコンパクトに折りたためるのが理想。

そこでこの超薄型のヘロヘロ長靴が出来上がった。

事前調査のおかげで、地元のショッピングモールの婦人靴店で、通販より安く入手。

「 B(バードだろうね)」のエンブレムがおしゃれ?

到着後は、しまって代わりにクロックスを下ばきにするつもり。




ステッカーも貼り、前回紹介した予備ガソリンタンクを搭載した前かご(カバー付き)も万端。

しかし予定日が近くに連れ、私のwktkに暗い影が…。

なんと、当日の予報が雨なのである。

頼む!外れてくれ!

その前数日、悔しいような秋ばれの中、通勤しながら、私は祈った。

しかし甘くなかった。小雨決行だと防水スプレーやゴム手袋まで買い込んで意気込んだが、

目覚めた当日の朝、小雨の音を聞きながら、私は迷った。

しかし3の目標がある。伊達に40年単車に乗っていないので、雨道のスリップの怖さは知っている。

しかもスーパーカブは、年代を経ると前輪ブレーキに変なロックがかかることがあり、

それは雨の日に多い。カーブで減速のため前輪ブレーキをかけ、盛大にこけたことがある。

結局私の心を決めさせたのは


「楽しくなけりゃ、ツーリングじゃないじゃないか」


目的地まで行くだけなら小雨決行でもいいけど、さすがに11月の雨は、楽しくはないだろう。




というわけで、JRに切り替え。

地下鉄→鶴舞から中央線→名古屋から東海道線。で米原へ。

米原から近江鉄道で豊郷へ。

11時前に到着。

受付をすませる前に、一応聖地中の聖地。音楽室(軽音楽部部室)にお参り。

そこで私は、衝撃の事実を知る。




何?今年もやるの?

昨年初めて参加した

「とよさと軽音楽甲子園」

昨年。客の入りが少なく、主催者が思い切り暗い顔。

「来年は出来るかどうか…」

その後気にはなっていたが、何も引っかからず、てっきりないと思っていた。

誕生会はツイッターで告知が出るが、この甲子園はFaceBookだったのだ。

日付を見ると11/22。

「月二回も遠征か」と思ったが、勤労感謝の日前後は、不思議に雨が降らない。とのジンクスもあり、

「これは、ツーリングリベンジするか!」と新たに心を奮い立たせたのであった。




とりあえず”けいおんCafe”で。昼食を。電車賃の予定外出費もあり、出来るだけ出費は抑えたい

ところだが、まだ食べてなかった

「カレーのちライス(放課後ティータイムの楽曲から)」を注文。

歌詞通りでない中辛のような。




これが今回の等身大ポップ。

これをじゃんけんに勝って、持って帰る人がいるわけね(都市交通希望(笑))。

これを、書く絵師さんはかなり光栄らしく、ファンからも認知されるらしい。

ポスターはもっと重要で、絵師の認知度は一気に上がるだろう。

今回のとよさと軽音楽甲子園のポスターを描いた

「らぐほのエリカ」さんは、そう言ったけいおん絵師さんの中でも最頂点の方で、今年ついに

月刊漫画誌に連載を開始(まんがタイムきららMaxで”すくりぞ!”を)した方。

今年5月の”新入生歓迎会(けいおん!限定同人誌即売会)では、彼らのブースだけ長蛇の列。

という第一人者だが、かつてはこういう絵も描いていた。




これが今回の誕生日ケーキ。

愛を感じるが、これが数十分後には無残に分断されて、人々の胃に。

というのがいつものパターンだが、今回は雨のため、主催者は

「持ち帰って食べてください」と連呼していた。

校舎内を汚されて、使用禁止になったらアウトだからね。

けいおん好きに悪い人はいない。と思いたいが、今回も注文せずにCafeの座席を占有する

マナーの悪い一団(初参加らしい関西弁)もいたので、仕方ないだろう。

私は今回もケーキが当たり(くじ引き)、帰りの暗い豊郷駅待合室で崩れたケーキを食べた。

美味かった。




今回のミニコンサート。三回参加した誕生会では、一番上手だった。ボーカルうまい。


参加者同士声を交わすこともないが(女装している人もいて、ちょと怖い)、

今回ウォッチした中で一番印象に残ったのは、私と同年かちょと若いぐらいの男性と、

そのお母さんと思われる女性。

結婚もせず、アニメに夢中の息子の趣味に仕方なく付き合ってるうちにお母さんもハマった

パターンかな?

ただの息子孝行かと思ったが、ビンゴで商品あたって結構喜んでた。




とよさと名物、三次元かぶりものキャラ(中の人などいない!)に今年は異変が、

秋山澪のキャラが数体いたが(ここが夢の国のネズミと違い、同時に存在可)、

制服姿でなく妙に色っぽい。身長も高く、作り物でなければプロポーションも抜群。

中からおじさんが出てきたらやだな(中の人などいない!)




恒例のビンゴ大会で、なんと名古屋の味仙の台湾ラーメンのカップ麺12個入りが当たる。

「名古屋から来たんですよ」と言ったら、ちょっと司会者が失望していたな。ごめん。

去年の澪誕生会で、当時はまだ販売再開していなかった

「ペヤング ソース焼きそば」が商品に出され、大盛り上がりして以来。前回も

ペヤング、それから各種ご当地カップ麺が商品に出される。

ご存知の通り超激辛で、ひき肉の分量が少ないため、本物の味仙には比ぶるべくもないが、

その後の私の食生活には、大いに貢献している。

JR交通費の元をとった感じ(笑)。




とういうわけで、無事終了。雨の日の聖地も乙なもの。

ここがあって”けいおん!”ファンは、本当に幸せだと思う。

京都の小学校校舎を利用して漫画ミュージアムが作られたのも、ここあってこそだと思うし、

もっとさかのぼれば、ミッキーマウスや長編アニメで成功を収めつつあったウォルト・ディズニー

がディズニーランドを建設したのも、こういう聖地というものの魔力を知っていたからだと思う。








で、いきなり11月下旬である。

絶好のツーリング日和。とは言い難い、はっきりしない天気だったが、とにかく予報では

雨は降らないらしい。

上の準備段階で感づいた諸兄諸姉もおられようが、私もわかっていながら考えないふりをしていた

問題があった。

それは件の野鳥長靴の薄さである。

走り始めて数時間で、つま先が痺れてきた。仕方ないので、早く着きすぎたことでもあり

彦根のダイソーで靴下を買うことに。

ちなみに今回のルートは行き帰りとも、国道302←→国道22←→国道21←→国道8。である。

このルートは最も平坦で、ライダー殺しの悪名高い

「滑り止め縦溝舗装」が一箇所しかない(さして急勾配でも積雪多そうでもない彦根近く。

ええ加減にせいよ。殺す気か!)という楽な道。


前回果たせなかっった

「楽しくなければツーリングじゃない!」を十分リカバリーできた楽しい旅だった。




諸般の大人の事情で一般客は撮影禁止だったので、会場の雰囲気はこの最後の集合写真撮影風景

のみにとどめるが、5回記念大会として8バンドが決勝に集ったこの大会は、昨年より多い観客

(参加者の父兄、友達が従来の5バンドより多いとも言えるが(笑))で盛り上がった。

去年も思ったが、今の高校生の実力はかなりのもの。

しかもプロにはないひたむきさが伝わってくる。まさに甲子園。


この大会は開催県である滋賀県代表以外は予選大会を行わない。

あとはテープ応募審査により選ばれる。

滋賀県だけ夏。あとはセンバツという感じ。


滋賀県代表は県立大津高校。県立で県庁所在地の名を冠した高校の偏差値が低かろう筈もない

ので、おそらく進学校だろう。名古屋で言えば県立旭丘高校が甲子園に出場するようなもの

(戦前の旧制名古屋一中時代は出たことがある)。

予選を勝ち上がってきたのだから、うまいのだが、昨年はなぜかガチガチにあがって、残念な

感じだった。

今年は8バンドを捌くため、午前中のリハはやらず、演奏直前のサウンドチェックのみだったが

結果的にはこれがリラックスできたのか、いい演奏だった。

彼らはいつも

「自分たちは別扱い。主催県の優遇で特別枠みたいな物」という劣等感があるのではないか?

全然見劣りしないよ。

ゲストで出演したプロ若手の滋賀県出身バンド”Climgrow(メンバーに1回大会の参加者がいる)”

の熱演に熱い声援を送る彼らに、滋賀の未来を見た。来年は上位入賞を。


その他は、千葉、東京、神奈川、静岡、名古屋、大阪2校。

それぞれいい演奏だったが、

一位(文科大臣表彰)の東京、中央大学杉並高校は圧巻。審査員も

「このままプロデビューです。と言われても普通に納得」との激賞だった。

「不思議系の皮を被った本格派」という感じ、七色の変化球が大好きな豪速球投手。

まあダルビッシュだね。なんとか星から来たとかいうボーカルも、ゆうこりんなんか問題に

ならない超本格派だった。

イロモノといえば、いつも楽しませてくれる大阪勢だが、今年は去年の準優勝校(一昨年の

優勝校)も、なんか実力が伴わない感じ。

杉並の本格派ボーカルに、ステージで卵産まれたりされると、負けるわ。

そろそろ出でよ!ナニワのブルースシンガー!

ちなみにこの東京のバンドは、唯一サウンドチェックで、演奏曲でない、放課後ティータイムの

楽曲をちょっとだけやってくれた(ミキサーにおこらりてた)。

リスペクトなのか、媚びの計算なのかわからないが、おじさんは心意気に惚れたぜ。

誕生会に来いよ(無理か(笑))。


二位(滋賀県知事賞)は神奈川立厚木高校。綺麗なメロディラインのガールズバンドで、

何より仲良しが伝わってくる仕上がり。

初対面でいきなりいいセッションをするスタジオミュージシャンとは違い、高校生バンドは

練習してなんぼ。そしてそれより、その後どんだけ遊んで仲良くなってなんぼ。

中野梓の名言

「先輩たちは練習しないのに、何であんなにいい演奏するんだろう?」は嘘じゃない。

このバンドがアンサンブルとしての結束度は一番だった。

一糸乱れず。という感じ。か弱そうな女の子が分厚いサウンド。

ただ昨年の優勝バンド”バウンダリー(大阪)”は3人で、これ以上の厚みとバインディングを

出していたのは凄かったんだなあ。滋賀大会にゲスト出演したのか。聞きたかった

(さすがに月3回遠征は無理だったが(笑))。

ちなみに、舞台衣装(白一色)を含むビジュアルの美しさも厚木がピカイチだった。

さすがに関東の娘っ子は綺麗だなや。

おじさんの好みはベースの子です(不純(謝))。


第三位(NHK大津放送局長賞)は我が愛知の名古屋経済大学市邨高校。

プログラムを読んで、”ギターレス”というので驚き(今のバンドにギターないなんて)、

実際のサウンドを聴いて驚愕!

このバンドが優勝でなく三位なのは私も同意だが、それは実力の差ではない。

「なでしこ」というバンド名にふさわしい和のテイスト。

元ちとせをさらにパワフルにした感じのボーカル。華麗でぴったりシンクロする二台の

キーボード。それを支えるリズム隊。

上質な映画音楽を聞いている感じだったが、一位でなかったのは審査員の言葉に表れた。

「一つくらいはこういうバンドもいいかと思って選んだが、想像以上だった」

「彼女たちの世界に引き込まれて、ここがとよさと甲子園であることを忘れそうになる」

私の感想は、

「インターハイのアマチュアレスリング部門に横綱白鵬が出てきちゃった感じ」

とにかく彼女たち、ただ者ではないので、世に出て欲しい。

まあ主催側のNHKや協賛のヤマハもほっとかない気が。

ただこのバンドを手本に、とよさと甲子園目指す後輩が出てきてもなぁ。という気もする。

今回の2曲はYoutubeで聞ける。

「市邨高校 なでしこ」で検索した市邨高校の部活サイトに

リンクが貼ってあります。




というわけで、夜の聖地にあばな!

次は1月の澪誕生会か。

関東勢も今日中に帰るのだろうな。

千葉の高校は、連休のため彦根近辺に宿舎がなく、昨日は名古屋に泊まったとか。

来年も是非やってほしい行事。


帰りがけ駐輪場で、カブ50のおじさんと少し話した。何回かこの催しにきているそうで、

名古屋から来たと言ったらびっくりしてたが、豊中からだそうで、時間を聞いたら

同じくらいだった。やっぱ原付は大変だな。

「何とか予算が下りて」と開催できた経緯を話してくれた主催者の方。

ここでは裏方に徹する豊郷ティータイム(誕生会の主催者)の皆様。

本当にありがとうございました。

来年も何とかお願いします。

私もそろそろ少し主催側に(新歓か?)と思うけど、距離の壁はね。

やっぱり自動二輪取ろうかな(車買おうとは思わない(笑))?
















 
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