ハッピーボッチ!
2024年11月(10月休みました)
「ご開帳」


先日愛知県豊川市の財賀寺と言う平安時代から続く
真言宗のお寺にご開帳を見に行った。
なぜか?と言うと、ここに秘仏の文殊菩薩が
おわすからである。
書いている小説上、主人公が内定中の文殊菩薩様には
是非お会いしたかったのだ。
お寺に到着したのは時間前だったので、お庭の見える
縁側でお抹茶をいただく。

お菓子が松山の坊っちゃんのだったのは、
どなたかのお土産か?

縁側の上辺には、ずらりと歴代横綱の手形が並んでいる。
なんで相撲?
と思ったら、近在の相撲好きの方の寄付らしい。

↑大好きだった「左喉輪、右おっつけ」の琴桜関。

そうこうするうちに時間が来た。
本命の文殊菩薩。
「当時の都人にとっては東の境界。こっから先は
遠江(とおとおみ)つまり浜名湖」
在原業平の例の様に平安時代の貴族・皇族にとっては、
舟に乗って浜名湖を渡った先は流刑地だった。
このボーダーギリの東三河の山寺に、
"学問の神"文殊菩薩が安置されているのは、
この寺に密かに放り込まれた高位の皇族か貴族の子弟の
持仏であったのではないか?
と思う。

秘仏はかなり小さく、穏やかに瞑想するお姿で、
拝観すると仏教徒でない私でも心が安らぐ気持ちがした。
文殊堂を辞し、山道をさらに登る。

↑N開祖弘法大師の銅像の下に、
海洋堂のフィギュアが(違う)。

さらに進むと長い階段。
迂回路を遠回りして本堂(千手堂)に至る。

この寺の本尊は千手観音で、こちらも秘仏である。
「財賀寺 千手観音」
で検索すると出て来る画像は全て
「お前立て様」
と言われる普段拝み用の仏像で、こちらもかなり年代のある素晴らしい仏像だ。


秘仏のご本尊様は?
と言うと、秘仏だから詳細は言えない(もちろん写真も
とっていない)が、かなり手足の長いシュッとした
大きな仏像で、百済観音に千手を付けた感じの
プロポーション。
本体と千手の取り付け方がちょっと不思議で、
元は別の観音なのでは?
とさえ思った。
当日のXには
「なんかガンダムっぽい」
と観音をTweetしている。

とにかく秘仏と前立ては全く別の造形である。
両菩薩とも、ご開帳は60年に一度の甲子(きのえね)の年
で、今年はその20年前のご開帳であると言う。
多分本当の開帳に備えて壊れていないか?とか
確認の為なのだろう。
修復が必要なら20年はかかるから。と言う事なのか?

10年以上前に名古屋の大須観音から嫁がれたと言う
文殊堂の奥様も
「千手観音様は初めて拝見した」
との事だった。
次は20年後、甲子の年。

私は90歳なので、多分生きていないだろう。
生きてても行けないと思うので、
このコラムを目に留められた方は2044年秋に
財賀寺に行かれると良いと思う。

その他にも可愛い神像の展示があった。

↑イチオシの迦楼羅くん。

↑阿修羅くんもいい!
ちなみに一番下の山門にある仁王像は平安時代の作と
言われ、かなり大きく迫力がある。
美術史では平安の仏像は公家文化で優雅、鎌倉の仏像は
武家文化で豪壮。と言われるが、こちらの仁王像は
慶派(運慶・快慶)の仁王像より迫力があると思う。
例えれば鎌倉期の仁王は鍛え抜かれたマッチョ。
ここの仁王は人外のモンスター。
と言う感じだ。

ここの仁王さんは腰に〆縄を付けているのが特徴で、
その縁で力士(例えば懐かしい少年マガジン創刊号の
表紙を飾った三代目朝潮太郎関)の参詣もあったと言う。
大改修が行われ、寺に仁王像が戻った時には、
当時の横綱貴乃花の土俵入りも奉納された。

携帯電波も圏外という(楽天モバイル)深山の空気と、
古代からの人々の信仰。
十分に満足できた1日だった。

帰るころには、拝観しようという車の列が
すごいことになっていた。
時計を見るとまだ昼前。

帰りに豊川名物の豪華モーニングを
オープンテラスで頂いて、名古屋に戻ったのでした。
 
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