ハッピーボッチ!
2023年10月
「大好きな果実」

いよいよ実りの秋、様々な果物が比較的安く出回る様に
なって来ました。
桃と梨については近年大変値段が高くなり、なかなか
食べる事が出来なくなりました。
桃はどの品種が美味しくてどれがいまいち、と言うほど
食べることができないですが、シーズンが終わるまでに
一度きちんとしたものを食べたいですが、一個500円も
する様なものはとてもじゃないけど買えません。
ある意味2000円のうな丼より私にとっては
遠い食物です。

梨は未だに20世紀を超える品種はないと思いますが、
こちらも300円を超えるものが多いです。
せめて近くに産地があれば、見栄えが悪くて安いもの
とかを入手できるのですが。
リンゴを食べる機会は近年ほとんどなかったのです。
それは最近出回るリンゴの品種のほとんどが、
味は甘いのですが果肉が柔らかく、サクサク。
悪く言えばもさもさの食感で、食べようとは思えない
からです。
これは思うに、他の果物と比べてリンゴの購買者層年齢が
高く、固いものが食べられないからではないか?
小さい子供さんのいる家庭でも離乳食にリンゴを
すりおろしたり、お弁当にうさぎさんのリンゴを
いれたりしますが、やはり柔らかい方が歓迎されるのでは
ないでしょうか?
丸かじりしなくなったのかもしれませんね。

紅玉の様な酸っぱいけれどカリッとした食感のリンゴは、
ほとんどアップルパイなどの需要に回されて、一般には
出て来ません。
大産地の青森では子供でも食べただけで何種類もの
リンゴの品種を当てるそうですが、産地が近ければ
色々な端物が安く手に入るのかもしれません。
最近スーパーなどで
「トキ」という青森産のリンゴが出回っています。

これは黄色いリンゴで、黄色リンゴには代表的な
リンゴとして
「王林」
という品種が従来からありましたが、これは果肉が
大変柔らかい品種です。これに赤リンゴで固い
「ふじ」を交配したもので、名称は特別天然記念物の鳥
ではなく、開発者が土岐さんと言う方だから。
と言うことです。でも敢えてカタカナにしたのは
ちょっと意識してる気もします。
トキはカリッとして大変甘いと言う、私には理想的な
リンゴで、うさぎさんにしないで丸かじりなので
赤い事にはこだわりません。しかも100円位で買える!
歯があるうちにガシガシ食べようと思います。

もう一つの果物、ぶどうは円安で北米南米産が高くなり、
なかなか買えません。
シャインマスカットは安売りの時、
一回だけ食べましたが、やっぱり巨峰の方が好きです。
種あり巨峰は比較的安いので、一回食べました(笑)。

産地が近いと言う意味で大変有利なのは柿です。
岐阜、愛知(三河)、和歌山と柿の大産地に近く、
毎年岐阜県養老町付近の農家の露天販売に11月になると
買い出しに行きます。
小さめのが一袋300円程度で山ほど変えるので、
柿のシーズンは楽しみです。

9月くらいからスーパーには柿が並び始め、
一個100円程度と安いのですが、品名表記が
「たねなし柿」
となっており、富有とか次郎とか、品種ではないので、
なんとなくうさんくささを感じて
「11月まで待てば本物の富有柿が安く買える!」
と我慢しておりました。
しかし主に和歌山産のたねなし柿とは何者か?
興味が湧いて調べたところ、驚くべき事実が判明した
のです。

他の柿より早く出回る柿は
「刀根早生(とねわせ)」
少し遅れて出てくる柿は
「平核無(ひらたねなし」
と言い、収穫時期が異なるだけで、ほとんど見分けが
つきません。
実はこの二種はほぼ同じ物。
刀根早生は、私が子供の頃猛威をふるった伊勢湾台風で、
柿の木の多くが倒壊してしまった、奈良県の刀根さんと
いう農家で、木の植え直しをしていたところ、偶然
収穫時期が普通の平核無より早い木がみつかり、
それを増やして品種として登録したもので、
刀根早生も平核無とみなしても問題ないのです。
なので
「たねなし柿」
と店頭に表記してもギリ差し支えないのです。
平核無では
「平和と核廃絶を願う市民団体」
の略称みたいで、ちょっとお客さんの受け止めが違う
気がしますしね(笑)。

種無しの果物というと、なんか生育段階で薬品処理
したりしてるんじゃ?
みたいな負のイメージがありますが、平核無の原木は
新潟県にあり樹齢350年だそうです。
たねなし柿の歴史は大変古いのですね。
このたねなし柿を越後から庄内藩へ移植した時、
当時有名だった
「越後の七不思議」
にちなんでそれに匹敵する珍しい果物として
「八珍」
と名付けられ、たねなし柿が次第に全国に広がって
行ったと言う事です。

柿という果物は熟すに連れて渋みが抜けて行きますが、
渋みが抜けきらない物を渋柿といい、
普通は渋柿なんだそうです。
たねなし柿や三河名産の筆柿などは渋柿なので、
昔は干し柿にしたりして食べていたものだそうですが、
今は二酸化炭素を使って脱渋処理ができる様になり、
甘い柿が生のまま食べられます。

一方最初から甘い、つまり熟すと渋みが抜ける完全甘柿は
突然変異種で、戦国の頃から奈良県の御所村という
ところの名産として知られていたそうです。
石田三成はこの柿が大好きだったそうで、
関ヶ原の戦いに敗れて処刑される前夜に、柿を
差し入れされ
「柿は大好きだが、お腹がゆるくなる。
首を切られた時に粗相をするといけないのでやめておく」
と断ったそうです。

この御所柿を江戸末期に美濃に移植して大産地となった
のが富有柿。
三河の松本治郎吉さんが、静岡で偶然発見して家で
栽培したのが次郎柿。
いずれも奈良の御所柿の流れの完全甘柿です。
脱渋されたたねなし柿も甘さには引けを取らないので、
富有柿を買いに行ける季節になるまでは、
ちょっと高いのですが、このたねなし柿を楽しもうと
思いました。
 
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