ヤドカリの貝殻
 
 
2020年5月
「誰でも出来るiPhoneで多重録音」

さて20代の頃、私がソンガーシングライターだった事は知っている人と
知らない人がいる事実なのですが(当たり前)、その頃は金持だったので
機材も良いものを持っていました。
TEACの4chマルチトラックオープンリールレコーダー。高かったですね。
これに自分でギター入れて、歌っていた訳です。一度に弾けばいいようなもの
ですが、素人の限界でギターか歌かどっちか間違える(汗)。
なので一心不乱にギターだけ弾いて後から何度もやり直しながら歌う訳です。
たまに友人が来るとベース弾いて貰ったりして。

世紀が変わり、私は音楽を自分でやる事もなく、愛機のチャキW-60も
ケースにしまったままになりました。練習せずデスクワークばかりしてると、
このウエスタンギターでコードを押さえる握力もなくなってしまったのです。
ギタレレと言うごく小さいギターとか、今年に入って衝動買いしたエレキギター
なら押さえられるのですが。
録音機の方はMacに付属したGarageBandと言うソフトを使いこなすべく
勉強したりしましたが、なにぶん生活に忙殺されておりました。

今回定年になり時間も出来たので再開するにあたり、Macも新しいのが買えず、
どうしたものかと思ってましたら、Twitterで面白い情報を見つけました。
毎年お邪魔させていただいている、
「とよさと軽音楽甲子園」を主宰しておられる方が、この自粛の折、
バンド練習が出来ない全国の高校軽音部員の子たちに向けて、
iPhoneのGrageBandを使って自分で録音したり、打ち込みをしたりする事を
提案して、その方法をYouTubeに上げていたのです。
この大会は原則オリジナル曲なので、作曲の勉強にもなる訳です。
ご承知の様に高校生ではiPhoneの普及シェアは大人より高いので、
みんな持ってるこの携帯端末を使って出来る事を提案されたのです。

「そうかiPhoneにもGarageBandがあったんだ」
使わないので画面の遠くにおっぽっていたこのアプリを立ち上げてみると、
とてもシンプル。Mac用のはプロにも利用者が多いLogicというDTMソフトの
簡易版で、出来る機能が大変多いのですが、素人には使いこなせない機能が
多すぎる。

なにしろこちらがやりたいのは
ヴォーカルとギターの録音、それからドラム、ベースの打ち込み程度なのです。
そこでiPhoneを触ってみると、結構大きな問題に突き当たりました。
iPhoneにはヘッドホン端子がない。
現在のiPhoneはlightningと言う端子一つで、
マイクとヘッドホンと充電の三役を兼ねます。
充電は諦めて、電池がなくなるまで使えば良い。歳とると集中力が
続かないので、そのくらいで丁度良いのです。
後はヘッドホンとマイクが同時に使えればいい。
一番簡単な方法は、iPhone付属のマイク付ヘッドホンを使うこと。
趣味の範囲なら、これで充分かと思います。この方法なら、
余計なお金は一円もかかりません。

今回初めて実験的にGarageBandで曲を作って、やはりiPhone付属の
iMovieという動画編集ソフトに曲を貼り付けて、写真フォルダにあった
画像を適当につなげて作ったのがこの動画です。


https://youtu.be/1pQo1wMIvxY 

だかしかし、やはり元ソンガーシングライターとしては、もう少し
良い機材が使いたい。小さなUSB対応ミキサーも検討しましたが、
電源の問題等取り回しが悪い。
そこで調べてみると、まずAmazonで4極のミニ端子を3極ミニ×2に変換する
変換ケーブルを見つけました。これにiPhoneに標準で付いている
lightning変換アダプタを繋げば良いのです。
↓lightning変換アダプタを繋いだ図

3.5mmアダプタケーブル MillSO ヘッドホン+マイク用変換アダプタケーブル
 Audio Cableステレオミニプラグ-ミニ端子 Y分岐ジャックコネクタ
3極メスx2-4極オス ゲーミングヘッドセット PS4 Xbox oneタブレット 
スマホ等対応-20CM <iPhone/Xperia 使用不可>
購入してみると、かなりケーブルの作りがしっかりしており、
9百数十円にしてはよくできています。ネットの自宅録音サイトでも
推奨されていることもあり、人気商品でよく品切れになります。
iPhone使用不可となっていますが、これはlightning変換アダプタが
ついていない。という意味で、付ければ問題ありません。
私の場合はエレキギターを直接iPhoneに繋ぎたかったので、
この変換アダプタが必要だったのです。
(追記:この変換ケーブルは、外部マイクだ上手く機能しますが、エレキギターからの入力を繋ぐと内部マイクが切れません。どうも滅の機器が必要な模様。
ただいま調査中です)
前に買ったAKGのヘッドホンも使いたかったし(2000円値上りしてる!)。

あとこのケーブルだと、別にマイクも必要となります。Amazonで調べた
ところ、3000円以内でマランツのマイクがありました。
このブランドはかつてはオーディオアンプの名門で、後に日本の会社が
買収し、現在は恐らく中国資本で、畑違いのマイクとは怪しいですが
今回はAmazon限定みたいな位置付けですので、まあ信頼することにしました。

5/20現在品切れしており、再入荷は不明。別の業者のサイトでは9800円
以上と馬鹿げたプレミア価格がついていますが、人気になる理由としては、
1.結構本格的なコンデンサマイク(電池不要)。
2.スタンドが付いている(底面積が小さいので背は低い卓上スタンド)。
3.マイクのケーブル出しが直付けでなく本格的なXLRキャノンコネクターで、
ステージなどの現場でも使える(大音量には向かないと思うが)。
4.ハウリング(キーンというやつ)を防ぐためか離れると感度が悪くなる
特性で、ヴォーカル、楽器録音用に使い易い。
5.キャノンケーブルが、嬉しいミニステレオジャック仕様で、
かさ張るミニ→標準変換アダプタを使う必要がない(このアダプタだけで
千円以上する)。
6.ミニ3極マイク入力とミニ3極ヘッドフォン出力をUSBに変換する
アダプタが付属しているのでPC、Mac用にも使える(これだけで
3000円以上する)。
という大真面目な内容で、転売業者が強気の価格設定するのもうなずけます。
私は入荷予定納期未定で2週間ほど待たされましたが、次回入荷があるので
あれば、おすすめです。

さて機材は計4000円弱の出費で揃いました。食生活が数ヶ月ほど
貧しくなりますが、パチンコに比べれば経済的な趣味です。

今回私がやった録音方法ですが、ギターかピアノが弾ければ弾き語り演奏風に
仕上がりますので、お試しください。データを録って、詳しい人
(軽音楽部員のお子さんとか)に伴奏をフルに付けてもらうことも
できるでしょうね。
流れとしては
1.とりあえずテンポがズレるといけないので、ドラムのパートを作ります。GarageBandでは出来合いのカッコいいループと言われるフレーズが沢山あり、
その中から選んだり、組み合わせたりします。良いのが無ければ自分で
どの打楽器をどこで打つか指定して自分でループを作る事も出来ます。
これは後からいくらでも変えられるので、まずは単調なリズムで
メトロノームの役割をさせます。昔リズムボックスと言うのがありましたが、
そう言う感覚です。後で使わないなら単純なメトロノーム的な音で
良いでしょう。
2.さて出来上がったリズムパターンに合わせて別トラックでギターを
録音します。私は鍵盤楽器が弾けないのでギターですが、
ピアノが弾ける人はそれでも良いです。伴奏楽器と言う事ですね。
3.さてこの後ヴォーカルを入れる訳ですが、納得が行くまで録り直しが
出来ます。もちろん多重録音も可能なので、一人で合唱団も出来ます。
4.後はベースを入れるとカッコいいですが、私はHardOffで前にジャンクの
ベースを買ったのですが、調整が出来てなくていい音が出ないので、
今回はGarageBand内のベースを使いました。入れ方は何種類かありますが
(残念ながらiPhone版は音符入力が省かれている)、今回はベースのネックの
絵を指で触る方式で入れました。この辺も今後は本物のベースで
録音出来る様に調整したいです。
5.後はリード楽器を自分で録音したり(今回は間奏で口笛)、打ち込みで
入力すればいいのです。エレキギター様には基本のイフェクターが
入っており、結構それっぽい音になります。
6.完成したら、バランスやリバー等を加減し、曲として書き出します。
今回はiMovieに書き出して画像を貼り付けました。
7.Youtubeに登録して、リンクを友人にLineやTwitterで送りつけて
迷惑がられます(笑)。
まるで落語の”寝床”だね。

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