ヤドカリの貝殻
 
 
2018年3月
「ねんどろいど自立支援協会(準)」
今回はメモ絵以外iPhone7plus
 
豊郷に行きますと、みな様々な人形を持ってきて記念撮影されています。
大きなぬいぐるみとか、
いつも自分の痛車の助手席に乗せている等身大キャラとか…。
あとは30cmくらいあるドールとかを持ち込む上級者も。
あとはフィギュアですが、いちばん多いのがねんどろいどとか
ちびきゅんと呼ばれる二頭身くらいのフィギュアです。
 
私もついに症状が進み、持ち歩く事にしました(笑)。
前にもコラムで紹介しましたが、けいおん!の推しキャラである
琴吹紬さんのねんどろいどです。
オークションで未開封品を購入しましたが、1000円以上するフィギュアは
初めて買いました。
まあ1100円でしたけど(笑)。
ところが、このねんどろいど、けいおん!バージョンが発売された
初期の頃は、椅子のようなスタンドに腰掛けるような透明の台で、
見栄えはいいのですが、このスタンドで立たせるのはかなり難しく、
並べて展示していても、気がつくと倒れています。
ドール派の上級者の皆様の様な覚悟がまだないために
(覚悟を育みたいとは言っていない(笑))、
さっと取り出して、周りの人が気付く前にしまうという、早業には
適さないのです。
いきおい、こちらのちびきゅんというシリーズを持ち歩く方が多いのですが、
この大きな台座と、百済観音の光背の様な棒で支える形式は、いかにも
味気なく、ヒト感がスポイルされます(ちなみにけいおん!以降の後期型
ねんどろいどはもっと大きな四角い台座)。
で、ツイッターで知り合った友人と、
「なんとかあのへろへろな台座なしで、ねんどろいど自立できないでしょうか
ねえ」と話しておりました時に、彼はfiguma(手足の関節が可動する
小型ドール)使いなので、
「後頭部に穴を開けて、そこにスタンドをつける」という提案をくれました。
私は
「えー?頭に穴開けるの?古代インカの頭蓋骨じゃないんだから…」
と痛いの嫌いなので抵抗したのですが、
 
sigmaは、あらかじめ後頭部に穴が開いており、広い台座と自在クレーン式の
スタンドで、宙に浮かせる事もできる優れものですので、穴さえ開けて
しまえば、ねんどろいどの場合は、スタンドは小さめのものでいいとのこと。
彼にこのfigma (とある科学の超電磁砲の白井黒子さん)をいただき、
現物を見て納得しました。
 
 
で、最初に、こんな感じでいいのかなあと、iPhoneの手書きメモ機能を
使って送ったメモ。これは没。
ねんどろいどの小さな両足と、金具の底面の狭い3点で支えるので、
倒れるだろうと。
 
次に提案したのが、二本の棒をハの字に開いて4点で支える方法。
かなり目立ちますが、使わない時は畳んでおけるので、いいんじゃないかと。
でなるべく目立たないありものを探しましょう。ということで、
ダイソーとかいったのですが、畳める定規とかは惜しいけどいまいち。
彼は彼で、sigma系、ドール系、プラモ系とか専門分野で探してました。
 
そんなある日、私はガリガリくんを食べておりました。
その刹那、突然ひらめいて、私はアルキメデスが風呂から飛び出した様に、
彼にメッセージを送ってました。
「おい!ガリガリくんの棒!」
返信は、かれの自転車ウエア着用写真で
「はい、ガリガリの棒人間です」
彼は細マッチョな方なんです(笑)。
「違う!アイスの棒を使えばいいんだよ!」
 
こうして、誰でも使える、アイスの棒を使ったスタンド制作がはじまりました。
彼は、使わない時は外せる、アイスの棒とプラスチック部品と
金属のハトメを使う精巧な製品を開発し始めました。
 
↓詳しくはこちらをごらんください。↓
 
もっと雑な私は、軸は爪楊枝。という彼の途中の提案を採用させていただいて、
すべて木と輪ゴム。という原始的なアプローチです(笑)。
 
いちばん勇気が要ったのが、穴あけ作業。
幸いねんどろいどの後頭部は外れるので、
「これはカツラ。髪留めを付けるのと同じ」
と言い聞かせ、キリで穴を開けました。
通してあるのは爪楊枝を髪に合わせて黄色く塗ったもの。
結果的にこの部分はほとんど隠れるので、着色は要らないと思います。
 
とりあえず、黒く塗ったアイスの棒と爪楊枝でそおーっと自立。
うん、うまく立つ。
 
前から見た図。なんかバニーガールみたい(笑)。
でも前から見ると、ほとんどスタンドは見えない。
黒というのは、日本では歌舞伎や人形浄瑠璃の黒子として、深層意識に
「居ないもの」という刷り込みがされているので、気にならないと思います。
 
切った上で、位置決めのための輪ゴム。
これ仮止めじゃありません。このジョイント部分がいちばん壊れやすいので、
爪楊枝と輪ゴムという、どこにでもある部材をあえて使ったのです
(手抜きじゃないか?ま、結果オーライ(笑))
 
一応完成しました。
自立性はかなり高いです。携帯性も向上し、
 
閉じてしまえば、前にコラムで紹介した女物くるぶしまで靴下の寝袋に
すっぽりしまうことができます。
 
こうしてどこでもムギちゃんを持ち歩ける様になりました。
一人だと寂しいですが、五人全部持ち歩くのは大変です。
そこで、上のカゴの中にある、ちびきゅんシリーズの
化物語”千石撫子”ちゃんを自立改造しました。
物語シリーズの中で一番の推しキャラではありませんが、
家にたまたまあり、しかもスタンドを紛失(汗)。
ビジュアル的にもよくできた可愛いフィギュアなので、これにします。
ちなみに一番の推しキャラは八九寺真宵ちゃんですが、
巨大なリュックサックを背負った彼女を自立させるのは困難だと思います
(笑)。
 
「一回殺せば、何回殺しても同じだゼ!」という犯人みたいな心境で、
ダイソーで買った1mmドリルを直接挿して自立を確かめる外道(笑)。
まあ彼女は白蛇様が憑依した怪異なので多少のことは大丈夫かと(笑)。
 
このくらい広げないと倒れやすいです。
このフィギュアが片足を上げているのが致命的です。
 
結局、切り取った棒の切れ端を貼り付けて、足の底面を広げることで
安定性を向上させました。
 
同じ構造です。
ところが、流石怪異。
朝になると、撫子は倒れており、ムギちゃんはなんと机の下に!
何が起こったのか?
再現したところ、足の接地面が小さい3点設置のため、ハの字が重みで
だんだん広がり、突然倒れること。しかも頭が大きく丸いため、
猪熊慈五郎先生が褒めそうなほど見事な受け身で転がり、隣のムギちゃんを
跳ね飛ばしたことがわかりました。
 
そこで、勝手知ったるミニ四駆の部品を駆使し、ストッパーを追加。
簡単に閉じれるので靴下寝袋にもしまえます。
というより短期の撮影なら、先ほどのの写真の開き具合で大丈夫です。
 
と、いうわけで、バスケットに二人連れて、出歩いてます。
この喫茶店のナゴヤ的おつまみはなんと
”放課後ティータイム”にぴったり(笑)。
しかもねんどろいどの大きさも”ミニ”って記してくれてますね。
また行こう(笑)。
 
春ですね。5月の新歓イベントでは、この
”ねんどろいど自立支援協会(準)”名で研究展示します。
ぜひ現物を見に、おいでください。