2009年12月 
 
  題名「市民の財産」  
                                  Tokina AF 19-35/3.5-4.5
 
  名古屋市の文化的事業の中で、名古屋港という比較的距離の
 ある場所にありながら、多くの入場者を集めているのが、
 「名古屋港水族館」です。
 名古屋港は、日本でも有数の輸出入を誇る大きな港ですが、
 港区以外の名古屋市民にとって、あまりなじみがない場所です。
 工業地区・倉庫が多く、多くの名古屋市民にとって
 港まつり、
 ポートメッセ(展示場)、位の印象です。ポートメッセは
 モータショーとマンモスフリーマーケットの時に人を多く
 集めます。後は我々の世代だと
 「南極観測船ふじ」を見に行く遠足、というのもありました。
 
  ここに水族館が造られたのは1992年の事です。
 開園直後に一度見に行ったのですが、あまり印象がありません
 でした。2001年には北館が増設され、イルカを中心にした
 展示とショーが人気です。
                    Tokina AF 19-35/3.5-4.5
 今回海洋生物オタクの友人に誘われ、久しぶりに行きました。
 地味な展示も中々面白かったのですが、やはりイルカのショー
 は迫力があります。こんなビルの屋上の小さな(といっても
 競泳用50mプールの数倍はありますが)プールではイルカも
 可哀想ですが、人工のものでは日本有数だそうです。
 昨年惜しまれつつ世を去ったシャチの
 「クー」が居ないのが残念ですが、もうすぐ和歌山から
 「ナミ」嬢がお嫁に来ます。はやく逢いたい。
                        SIGMA 55-200mm/4-5.6
                        SIGMA 55-200mm/4-5.6
  ショーはしませんが、もう一つこの水族館の飼育実績で
 誇れるもの(日本初の繁殖)があります。それは北極海に住む
 「ベルーガ(白イルカ)」。全身真っ白で、体温維持のため
 分厚い皮下脂肪に包まれ、しかも首はイルカの様に魚的な
 寸胴ではなく、一応胴と区別出来る海獣タイプです。
 しかも顔が大変愛嬌があり、子供が書くイラストの猫の様に
 口角が上がっております。赤塚不二夫っぽいです。あるいは
 ゴマちゃん(少年アシベに出て来るゴマフアザラシ)的。
 一度見たら忘れられません。専用の水槽があり、芸を調教中
 ですが、バンドウイルカ(ゆで卵で調教(嘘))よりは困難
 のようです。
                    Tokina AF 19-35/3.5-4.5
 私は水面の階より、水底のガラス壁で見る彼女達(オスが
 一匹しか居らず、普段は別居)の泳ぐ姿が好きで、ぐるぐる
 回りながら、時々
 「なんか人間が居るわ。」とガラスに顔を寄せて来るのが、
 結構萌えます。容姿はマツコ・デラックス級ですが(笑)、
 かなり艶かしいです。上階で日に何回か彼らが育った北極海の
 「オーロラの再現」とかで、水槽の照明を全て消しますが、
 下階の水底側から見ると漆黒の海を白いベルーガが舞い、
 時に接近する姿は、まるで
 「インディジョーンズ初作・レイダーズ失われたアーク」で
 悪人(桂文珍(笑))を最後に滅ぼす白い神の使いの様。
 幻想的、というより戦慄を覚える姿でした。
                    Tokina AF 19-35/3.5-4.5
  もう一カ所、お気に入りの場所は南館ペンギンの前。
 通路反対側にまるでサウナのような階段状ベンチがあり、
 ここでまったりするのもおすすめです。
                    Tokina AF 19-35/3.5-4.5
 「名古屋水族館って高いんだよなあ」
 確かに東山動植物園(500円)に比べると高いですが、この
 2000円は価値があります。まして年間パスポート5000円は
 3回行けば元が取れるのでおすすめです。
 遠方から来られた方をお連れするのにもいいと思います。
 クーの死、イタリア村の倒産と、ついていない名古屋港ですが
 これだけの文化サービスを提供してくれる市の財政を支える
 名古屋市民の義務としても、年一度位は訪れて欲しい施設です。