ささやか写真館


   2004年7月

                題名「花爺」
  

FinePIx F601
  
  今月は、雨ばっかりで、特に週末は雨でした。トプコンにフィルムは入れたのですが、撮る暇も
 撮りたい天気にもなりませんでした。
 この日も朝からはっきりしない天気でしたが、ちょっと晴れ間、、と言うほどでもなかったのですが
 まあまあの天気の夕暮れに、今年はやけに元気な紫陽花をデジカメで撮りました。
 私は、この紫陽花という花が嫌いで、嫌いなら撮るな、なんてものですが、嫌いな理由は憂鬱な
 梅雨の天気を思い出すからであって、他意はありません。
 世の中には花をほとんど専門の様に撮る皆さんがいます。
 大抵マクロの使えるレンズを使って、はっきりくっきり、背景は綺麗にぼかし、というような
 そういう絵作りですね。こういう年輩者「花爺」は大抵「ニコ爺」でもあります。体力もあまり
 ないので、登山して自然の風景を撮る事も出来ず、にこにこして応じてくれた孫も写真を撮らせて
 くれず、撮影会に行っても元気なキャノン小僧共に押しのけられ、しょうがないので震える手で
 三脚を置き、長年培った手練の技で、美しい花を撮る。当然綺麗に撮れるので、嬉しくて大判に
 焼き増し、みんなに見せると「綺麗だねー」と感心してくれる。小さな写真画廊で個展を開いたり
 する。でも綺麗なのは花なんだもの。「綺麗だねー」しか言えないよね。街角のなにげない情景を
 さらっと切り取る「ライ爺」の方が、私には好ましく思えます(自分がもうすでに爺だっつうの)
 もう少し元気な「高山植物爺」もいます。禁止されてるのに持って帰っちゃう輩よりはなんぼかまし
 ですが、まあ接写のために、お花畑にキャラバンシューズ突っ込んでんのはイエローカードですね。
 と言うわけで、花を撮るのはあまり好きくない私が、あんまり好きくない紫陽花を載せちゃうのは
 必ずしも本意でないのですが、面白く撮れたのでこれはこれでいいなと思います。
 なんかぼーっと光って怪しいではないですか?ハーレーションでしょうか?ホワイトバランスの
 どうのとか、AFが迷ってどうのとか、まあ説明はともかく、梅雨の切れ目になんか懸命に自己主張
 しているぼーっとした紫陽花が、ちょっと健気な感じだと思います。
 私はあんまりばっちり花を撮るのは嫌なんです。子孫存続のための器官ですからね、花は。
   
  
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