ささやか写真館


  2004年2月

                題名「名古屋最高の名所」
  

                                   Summicron 50mm F2.0

   前から気になっていた公園に行ってみました。名古屋市緑区にある「滝の水公園」です。
  名前が素敵じゃないですか。滝があって、そこから名水がとれて。茶室でもあって、
  ししおどし(鹿威しと書くのかな?)が「かこーーん」とか言ってそうな。
  駐車場に車を止めて、いきなり階段でした。
  登りました。この公園、小高い丘のてっぺんがやや平たくなっていて、今ミニチュアダックスを
  飼っているファミリーが座っている亀の甲羅のような石のオブジェがあります。
  その他に、突然こんなオブジェがあったり、反対側には唐突にこんな木製の遊具があったりします。
  いったいどんなコンペが行われて、この空間が出来上がったのでしょう?
  緑区のこの一体は、私が小学生の頃は一面の雑木林でしたから、この丘も木に覆われていたのだと
  思います。ひょっとすると麓には小川が流れ、小さいながらも滝のような渓流があったのかも
  しれません。私の散歩道の住宅地も、昔は平家蛍が見られた小川がありましたもの。
  宅地化の波の中、この丘の周りはぐるりと全て住宅です。せめてこの丘だけでも、せめて。
  こんもりした、雑木の森があれば。。。。
  よく行くいくつかの公園は、役人の大好きな芝生が多くを占めていますが、傾斜のある丘は
  なんとか雑木を残しています。雑木林を残す運動をしている皆さんの努力で、名古屋の緑は
  これ以上減らないようかろうじて残っている状況です。
  「緑」区の「滝の水」公園は、丘の雑木を切り倒し、もしかしたら小川を埋め立て、はげ山に
  なった丘の斜面に「崖崩れの起こりにくい」低木を植え、頂上に芝生を植え、なんだか不思議な
  オブジェをいくつか創って出来上がり。この公園を設計したデザイナー、オブジェを創った
  芸術家は、悲しくなかったのでしょうか?
  この地にはもう、「ニギハヤミコハクヌシ」は居ません。
   見方を変えましょう。最初からここには住宅の建ち並ぶ都会だった。ここも削ってしまっても
  よかったけど、ここに360度街を見渡せる展望台を作って、芝生を植えて、市民の憩いの場に
  しよう。これこそ「デザイン都市名古屋」の公園だ。この日はこの厳しい冬には珍しく風がなく
  お弁当をひろげる家族や、
  「アスファルト」の遊歩道で楽しむ子供たち。
  手入れの悪い芝生も二人で座れば一生忘れられない思い出のデートになるかも知れない。
  ま、いっか・・・楽しい場所が提供できれば。
   かくして、「滝の水公園」は名古屋で最も名古屋らしい名所になりました。
  名古屋という街が知りたければ、この公園を訪れるべきです。
  「愛地球博(笑)」もこの思想の延長で名古屋主義を世界に宣伝する事でしょう。
  でも、「滝の水」の地名は、覆い隠せない過去を語っています。

   
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