ささやか写真館

                       2001年5月

              題名「エクターのテイスト」
       

            Kodak Ector 44mm/3.5

      まー、ゴールデンウィークと言っても、特に何をするわけでも
     無いのですが、1泊だけ、家族とキャンプ場に言って来ました
     カメラは、もう持っていくのはやめようかと思ったのですが
     前に安く買った、「コダック・シグネット35」なら、荷物に
     ならないので、持って行ったのです。
     このカメラ、30年以上?前のアメリカ製です。
     アメリカ人の普通の家族が、スナップに使ったカメラで
     今ならレンズ付きフィルムというポジションでしょうか?
     このあと、あっという間にキャノネットやピッカリコニカに
     その座を奪われる運命のカメラですね。
     裏蓋に露出とシャッタースピードの目安が書いてありまして
     「スーパーXX」とか言うフィルムが1/100秒で絞り11ですから
     ASA100と言うことでしょう。これが一番高感度の時代です。
     ご存じでしょうが、このカメラにはコダックが作っていた
     「エクター」というレンズが使ってあり、エクターと言えば
     知る人ぞしる名玉と言うことになっています。
     ただ中判用が多くて、あまり一般には出てこないレンズです。
     コダックでもヨーロッパ系のは違いますしね。
     この超家庭用カメラのシグネット35は、そのエクターが
     付いているので、3万位してしまいますが、アメリカ人にとっては
     物置に転がってた、昔ダディが使ってたぼろカメラに過ぎない
     わけで、ネットオークションで何千円かで手に入れました。
     ただし壊れていまして、
     「家の町の修理屋で見て貰ったら$50でなおると言われた」
     というコメント付きです。
     これをOカメラ店に持ち込んで、やっぱり5-6千円だったかで
     なおして貰いました。
     「鏡貼り直したからね」
     無い部品は作ってしまうおやじの嬉しい修理でした。
     このカメラのエクターでエクターを評価すると怒る人がきっと
     居るでしょうねー。ただよく言われるエクターのテイストは
     あると思います。
     もちろんファミリーカメラですから、解像度は高くないですけど
     ピントの合ったところの描写が優しい、よく言えばとろっと
     している。悪く言えば甘い。
     この写真は8か11まで絞ったと思いますが、後ろはきれいに
     ぼけている。でも像は崩れない。
     「メイ・クイーン」というジャガイモの様な絵です。
     前の少年(うちの子)のシャープかつ優しい肌の描写と
     左の子供づれのぼけながらしっかり原型をとどめた像が
     特に気に入ってます。女性モデルを写すカメラマンがエクターを
     好む理由がわかるレンズです。
     今のオートフォーカスカメラでは無い絵ですね。
     レンズ付きフィルムだと、こういう絵になるときはありますね。
     最近貧乏なのでこのカメラ、売り飛ばそうかと思っていましたが
     もう少し持っていようかと思いなおしました。
     シグネット35の2大欠点は、いかにも左指が触る距離レバー
     のような物はストロボ?の接点で、先の棒が刺さって痛いことと
     一方の距離計窓をシャッターを押す右手人差し指が覆ってしまう
     ことで、特に後者の方はあの手のでかいアメリカ人がどうやって
     写していたのか謎です。これ、黒塗りの軍用もあったんですよ。

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