ささやか写真館


               題名「おすもうさん」
  
       

                   ズミクロン50/2

   今月は雨が多く、写真も撮れなくて「ささやか」に載せる写真がないな
   と思っていましたら、7月は名古屋場所なのを思いだし
   近所に泊まっている三保ヶ関部屋の稽古を見学させていただくことに
   しました。
   朝7時半過ぎに行ってみましたが、おすもうさんたちは土俵で柔軟体操
   をしていました。土俵には屋根がありますが、周りはなにも有りません
   そこで、ぐるっとよしずが張ってあり、目隠しになっています。
   ドアが2つあり、入っていいのか、行けないのか、ちょっと悩む
   雰囲気でした。やがて人々がやってきて、ドアを開けて入って行くので
   「あっいいんだ」と思って、一緒に入りました。常連みたいな
   人に「写真撮っていいですかね?」と聞いたら「だめだめ」と手を
   振られました。今日はおすもうさんの邪魔にならないよう、800の
   フィルムを入れ、世界一シャッター音の小さいM3を持っていったので
   すが、あきらめようと思いました。やがて土俵上で稽古が始まりました
   まだ髷が結えない新弟子が一人居て、兄弟子の胸を借りて、大変長い間
   稽古が続きました。凄く荒い息で、本当にはたで見ているといじめて
   いるみたいですが、彼の体つきを見ると、常人よりははるかにいい体
   ですが、お相撲さんの体ではぜんぜんないので、普通の稽古をすると
   壊れてしまうのでしょう。彼だけ集中的に鍛えて、早く追いつくように
   という兄弟子の愛情だと思います。はあはあ言っていますが、兄弟子の
   忠告に、いちいち気合いの入った「はいっ」で答えていた彼は、この
   時期が大切だと言うことを承知しているようです。有望な新人です。
   もう一人、次に若いのかな?最も小柄で細いのですが、大変技が切れ
   しばしば巨漢の兄弟子に勝つ力士がいます。この人も舞の海みたいで
   人気が出るだろうなあ、と思いました。顔もきりっとしてます。
   兄弟子達はそれぞれ体も充分出来、それぞれ課題を持って練習して
   いるようでした。そうこうしているうちに親方が3人入ってきました
   一人は回しをしめて稽古をつける方の様でした。それからタニマチと
   いうか、後援会の人たちが来ました。一人が1眼レフのカメラで
   撮り始めたので、「いいかな?」と思いましたが、後援会報のために
   かも知れないので、やっぱりやめときました。
   関取が3人入ってきたのは8時頃でした。白い稽古回しなのですぐ
   判ります。このころには、沢山の見学者が入ってきて、その中の一人が
   コンパクトカメラでパチパチ撮り始めました。しかもストロボたいて。
   「よしっ!」とばかり、私もM3を取り出して撮ることにしました。
   関取衆の稽古はさすが実戦さながらで、見応えがありました。上の
   写真はその一枚です。近くで見ると出来上がったおすもうさんは
   筋肉がもりあがり、それを皮下脂肪が鎧のように防護して、鍛え抜か
   れた、スポーツマンの体です。細っこい新弟子の体から幕下さんたちは
   衝突のエネルギーを生むために体重を増やし、関取になると、鍛え抜か
   れた筋肉がそこに加わって、おすもうさんの体が生まれるのでしょう。
   海外の人々が sumoを見る前には、肥満した男達による伝統的な
   ショー位に思っていても、実際に海外巡業を見るとその肉体美に魅了
   される人が多いというのは良くわかります。
   わたしらの贅肉とは全然ちがうんだよ。

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