ささやか写真館


   2008年11月


               題名「色の記憶」

 
   SUMICRON 5CM/2

  なんだかライカに触りたくなって、明治村に出かけました。
 最近はデジカメばかり使っています。
 なんと言ってもフィルム代、現像代がかからない事が、貧乏人には有り難い
 ですが、撮影後ホワイトバランス等を変えて、自分の記憶の中にある光景に
 近付ける事ができるのが、一番いいです。
 そう言う意味では、携帯についている簡便なカメラは別として、デジカメは
 RAWモードで使わなければ意味が無い。とまで思います。

  銀塩フィルムの場合はそうは行きませんでした。
 スキャナーで取り込む時は、ある程度自分でいじれるのですが、バランスが
 難しく、やらない方がましな結果が多かったです。
 紙焼きはほとんどしませんが、プロラボじゃあるまいし
 「もう少し緑を濃く」なんて指定してやり直し、などというお金もない。
 結局、
 「あのレンズで、あのフィルムだとああいう結果になる。」という経験則で
 使うしかなかったわけです。

  多くの人が言及しているように、古いライカレンズとフジのネガフィルム
 との相性はあまり良くありません。
 フジは日本のカメラメーカーとともに歩んできた歴史があり、古い日本の
 カメラには(コニカでも)、どんぴしゃの相性ですが、ライカ等欧米の
 古いレンズだと、何か違うのです。
 たいていの欧米レンズだとコダックがいいのですが、私はライカレンズと
 コダックフィルムも微妙だと思います。
 唯一の例外は一番やすい無印のコダックで、現場写真用(今は問題ない
 様だが、最近まで工事現場の進捗記録用写真はデジカメプリントが、
 認められていなかったため、フジとコダックの安いお徳用フィルムが
 大量に出回っていた)のは良く使いました。
 1960年代までのレンズは、あまり発色の派手なフィルムは得意ではない
 気がします(何故かポジフィルムになると状況は一変しますが)。
  
  コニカのフィルムは、元々
 「さくらカラー」というぐらいで、植物を含む緑の発色が好きでした。
 特にズミクロン(とその前に持っていたズミタール)では、コニカの
 ネガフィルムとの相性は抜群でした。
 CENTURIAシリーズになってからは、発色が少しフジよりになった感じで
 残念に思っておりました。
 まあこの辺りからデジカメ依存度が高くなったので、ライカはポジで使う
 事が多くなったせいもあり、CENTURIAは殆ど使っていません。

  コニカミノルタが写真事業から撤退し、デジカメ部門はSONYに売却され
 フィルム事業はDNP(大日本印刷)が引き継ぐ事となりました。
 今どき銀塩フィルムなんてと思いますが、データが失われれば修復不能な
 デジタル映像に比べ、粒子が残っていれば色褪せたフィルムからでも
 ある程度の再現が可能な銀塩には長い目で見たメリットがあるそうです。
 現在DNPからはCENTURIAシリーズのみが発売され、コンビニにも
 あるし、カメラ店では安売りされています。
 このフィルムは、コニカ時代のCENTURIAシリーズとは無関係で、
 コダックがOEMしているそうですが、確かにかつてのコダック無印に
 似ている感じがします。
 でもどことなくコニカ風でもあるので、旧コニカ側からある程度の
 レシピが渡されているような気がします。
 「フィギュアスケートの日系アメリカ選手」というより、
 「和服を着た英語のしゃべれないハーフのタレント」ぐらい、この
 「新CENTURIA」は「旧CENTURIAより前のコニカネガ」っぽい
 感じがします。

  サイトで見ると、
 「コニカらしい派手な色乗り」などと表現したところがありましたが、
 派手な色乗りが欲しい時は、デジカメか、コダックのポジを使えば
 いいので、コニカのネガは旧CENTURIAも含め元々渋めの発色だと
 思います。このフィルムもそっちの系統なので、ズミクロンと相性は
 いいですね。
 ちなみにネガで派手だったのは、今は無き
 「アグファ Ultra 」でした。あれだけはポジの
 「コダック Dyna HiColor」とタメでしたね。
 
                  

   
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