ささやか写真館


 2008年9月


               題名「ブレッソンな日」
  
 
                                    XR RIKENON 50/2.0


  ひょんなことで、知り合いから写真を撮って欲しいと頼まれました。
 人物で無く商品写真なのは残念ですが、ちゃんと写真を撮るのはひさしぶりです。
 お話が決まってから、なんだか嬉しくてしょうがありませんでした。
 ここの休日写真ブログも更新が止まり、仕事と家事で一日が終わる毎日で、体調もあまり思わしく
 なく、写真どころでは無かったのですが、こう言う目的があると燃えますね。
 でも、商品写真ってとった事がないのです。
 商品の写真を撮っている友人の持論は、
 「自然光に勝る者無し」で、私も本当にそう思います。
 ライトセットとか、組み立て式のミニスタジオなどもありますが、光源が近いということは、
 それだけ光の当たり方が複雑になります。
 ライトは影が出ない様加減が出来ますが、お陽さんの光で影がでても、それはそれでええやん。
 と思うのです。
 ISO(昔はASAでした)が10とか、20という時代の写真は、写真館でマグネシウム燃やす以外は、
 太陽の下でしか撮れなかったのですから、やっぱり写真は
 「一夜明ければドピーカン※。」ですね。

 ※大橋巨泉司会のテレビ番組「11PM」はゴルフ、麻雀、競馬、釣りといった、
  「遊びを番組にしてしまう。」という高度経済成長時代の象徴的番組だった。
  ゴルフの取材などで、前日からタイアップしたホテルに乗り込み、豪華な食事、
  アシスタント女性(巨泉曰く「仕込みのナオン」)のお色気入浴、バーでの夜景と続いて、
  翌日冒頭のセリフがこれ。

 今回カメラはデジタル一眼のPENTAX *istD、銀塩は久々にライカM3。レンズはペンタが
 リコーのXR RIKENON 2/50mm。ライカはもちろんSumicron 2/5CMです。
 50mmにこだわったのは、商品を無駄に強調しないため。
 ズミクロンは私の宝物(私と同じ1954年製)ですが、リケノンも侮れません。
 リコーがXRシリーズと言う普及版一眼レフの「おまけ」みたいにつけた、安い50mmレンズですが、
 素性は日本版コンタックスレンズを手がけた長岡光学製らしく、その後その驚異の描写力に
 世界中でファンが増え発売当時の価格を現在の中古価格が大きく上回る(といっても美品で3万円位)
 お宝レンズです。今でも、田舎の質屋とかで、「レンズ付きのXR」として1万円位で出てたりします。
 私は某カメラ店の委託で3500円で買いましたが
 「いいの?」と聞いたら、店員が、
 「まあ、こう言う事もあるって事で(苦笑)。」と(何をイイ話を(笑))。
 こういうレンズがデジカメで使えるのが、ペンタの嬉しい所です。

 前にPENTAXでまともに写真を撮ったのは、
 「今池BottomLine」のライブの時。カメラを落としたときです(涙)。
 ライカに至っては、フィルムを入れたのが、桜満開の頃。
 フィルムから買いに行かなければなりません。

  フィルムは現在受難の時を迎えています。
 コニカミノルタが撤退。フジとコダックは銀塩フィルム存続を言及していますが家庭用で
 銀塩カメラを使う人は殆どいなくなり、残るのはプロや趣味で写真を撮るハイアマチュアに
 限定されます。つまり安いフィルムは無い訳で。
 ネガはモノクロが残るでしょう。暗室と引き延ばし機を使う写真趣味は王道と言えるからです。
 カラーはポジ(スライド)フィルムしか残らないのではないかと思います。

  久々の休日。撮影前にトップカメラによって、フィルムを買いました。
 お目当てはフジのVelbia。もう唯一といっていいと思いますが、ISO50という低感度・高品質の
 ポジフィルムがラインアップにあります。
 これ位になると、日中でもレンズを開放に出来るので、ピントのあっていない部分のボケ味が
 楽しめるわけです。
 残念ながら、1本売りは売り切れだったので、コダックの一番派手な発色のポジフィルムE100VS
 (ISO100)にしました。ちょっと前まで民生用で、
 「コダック ダイナハイカラー」という絵はがきみたいな鮮やかさのある大好きな安いフィルムが
 あったのですが、もっと高品質に派手なのがこれらしいです。E100VSやVelbia辺りになると、
 デジカメには望めない質感と発色が十全に楽しめます。

  ホームページ用の商品写真はトリミング等かなり加工しましたが、ちょっと散歩した時の写真は、
 秋の好天の気持ちが良く乗っています。
 ズミクロンも、リケノンもやっぱり凄いレンズです。
 この写真は名古屋独特の「屋根神様」。本格的に分祀したものでは無いでしょうが、各地の神様を
 祀ってある、超豪華版神棚みたいなもんです。神棚と違うのは、外の道路から見える所の屋根の
 上に祀ってある事。
 派手付きで、見栄を張るのが好きな名古屋人故の風習でしょうか?
 他の地方には無いそうです。
 本格的な分祀とはいかなくても、無断ではしないでしょうから、この商家の顔の広さ=商売の手広さ
 つまり、全国にお得意様がある事を示してもいたのでしょう。
  
  もう少し写真を撮らなきゃな。と思い、蓋が割れた*istDを修理に出しました※。
 1ヶ月位かかるとの事で、
 「寂しいな・・・。」と思いましたがよく考えたらそれぐらいたたないと修理代貯まらないや(汗)。

 ※結局修理代が2万以上かかる事がわかり、修理は断念しました。そんなに出すなら、中古のK100が
  買えます(買わないけど)。当分テープを貼った*istDでがんばります。

   
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