ささやか写真館


2008年5月
               題名「西へ東へ」
  
 
                         XR RIKENON 50/2.0

  この写真のどちら側を自然に感じますか?
 行儀よく並んだエスカレーターの人々。脇を急いで昇る人。
 左側が自然に感じられるのは関西の方。
 右側が自然に感じられるのは関東の方。
 テレビ番組でも時々取り上げられますが、並ぶ側、横を抜ける側が関東と関西では違います。
 関西は右側に並ぶ。
 関東は左側に並ぶ。
 右側に並ぶのはあと仙台市があるそうで、残りは関東式の左並びとの事です。
 日本は自動車が左側通行であるため、追いこし車線は右側。そのため元々は左に並ぶのが普通で
 あったとの事ですが、大阪万博の時、海外から来日される外国人観光客のため、関西では欧米流の
 右ならびになったそうです(仙台の事情はわかりません)。
 元々は、と言っても、私が子供の頃、デパートのエスカレーターでもそんな2列で並べる幅の広い
 ものはほとんどありませんでした。
 幅が広くなって間に仕切りの線のようなものが入ると、手すりにつかまる必要から、どちらかに
 寄る事になり、最初は友だち2人で並んで立っていたのが、特に駅などで
 「急ぐ人のために脇を開けましょう。」と言う事になったのだと思います。特に規則があった
 わけでも無いのに、自然に片側を開けるようになり、2車線自動車道路の習慣から自然に右側を
 開けるようになったのでしょう。もともと駅の階段なども昇り下りで分ける事もあり、
 毎日定期的に利用する通勤・通学者が次第にこのルールを作ったと思われます。

  ところが最近この並び方を見直そうと言う動きが2方面から起っています。
 一つはエスカレーター製造メーカー。
 メーカーの立場から言うと、片側にだけ人が立つのは部品の片減りを促進し、結果的に寿命を
 短くする。ひいては重篤な故障にもなりかねないそうです。
 またエスカレーターは構造上駆けのぼる様には出来ていないので、ドンドンと強い重量を
 かければ、もちろんさらに故障の原因となります。
 もう一つは設置責任者側。
 片側を走ると言う事は、常に片足が宙に浮いている事になり、また全体に手すりは持ちませんから、
 万一バランスを崩すと転落する。
 さらにバランスを崩した人は何かにつかまって持ち直そうとしますが、それは動いている
 壁面では無く、横に立っている人。つまり大規模な将棋倒しが起るわけで、最近の半端で無い
 角度と長さのエスカレーターでは死者を含む大量の負傷者を生む事でしょう。
 階段を使わず、止まってエスカレーターで昇っていく方の中にはお年寄りや子供もおりましょう
 から、危険はさらに倍増します。

  さらに輸送効率の問題もばかになりません。ただでさえエスカレーターには段ごとに立つ事は
 まずありません。写真のように1つ置き、または2つ置きです。これは前の人に必要以上に
 接近する事を嫌がるからで、女性の中にはエスカレーターに乗る時に躊躇し、少し乗り遅れる
 傾向のある方があり(まあ彼女だったら可愛いですが(笑))、その前の方までのペースで
 タイミングを計って乗り込もうとすると、その人だけが乗り遅れて自分との距離が1段になる
 事があります。相手とは背の差があるので、段差の関係で丁度自分の顔が相手の首筋に接近。
 息を止めないと鼻息が聞こえる(汗)事になるので、慌てて一段下がると今度は後ろの人と
 ぶつかりそうに、とヤバい事になります。
 少し脱線しましたが、ラッシュ時の立つ列も昇る列も両方びっしりの時間帯はともかく、
 ほとんどの時間帯、追いこし車線はがらがら。
 立つ方がそこそこ混んで並んでいる時など、この非能率にはうんざりしますね。
 (だからといって、歩こうとは思わないと言う(笑))
 
  スキーのペアリフトの様に、最初から2列で並ぶのを基本として、隣が誰かなんか
 気にしないで、どんどん立ってしまえばいいのです。知らない人に接近したく無いので、
 自然にまん中を開けるようになり、手すりを持つので安全だし。
 
   
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