ささやか写真館
2008年4月
題名「SAKURA COLOR」
SUMICRON 5cm/2.0
「桜を撮るのは快晴の日で無いと難しい。」とおっしゃったのは、私の写真師匠の一人、元日本軍写真兵のカメラ店主でした。
何年か訪れる事ができずに最近前を通ったら、カメラ店自体がありませんでしたので、もうお会いする事は叶わない事に
なってしまったかと思いますが、トプコン使いであったので、おそらく陸軍の方だと思います。海軍だとニコンですから。
普通は快晴だと空の青が映り込むので少し曇った方がいいとも言いますが、やはり
「写真はピーカン」の原則は桜にもあると思います。
現在一般的に植えられている「染井吉野」はいわゆる「桜色」が大変薄く、ほとんど白に近い色です。
最初は骨に近いとか、気味悪がられたりもした様ですが、壮大に咲いた様はやはり美しく、数日で散ってしまうはかなさ、
潔さが日本人の感性に合い、日本中で咲いています。
師匠の言葉を思い出し、花曇りか雨だった今年の桜シーズンの中で、奇跡的に晴れたある日の夕刻、近くの公園に
行ってみました。
結構沢山の人が散歩がてら訪れており、中には携帯で写真を撮っている人も。
なんか和みますね。
陽がやや傾きかけていましたが、やっぱり手前の陽の当たったところは桜の綺麗な色が出ています。
少し夕暮れになったので、珍しくストロボを焚いてみました。
ライカの専用ストロボ(M6,M7あたり用の)は、松下のOEMなので松下のを持っています。
M3には今のとは違うコネクタがついているので、変換アダプタをかましてコードで繋いでいます。
今どきホットシューでなく、コードで繋ぐカメラはないので、結構そのものものしい手順が好きです。
ライカは自然光と決めていますが、こういう写真には必要ですね。夜桜も撮ってみましたが、
生々しすぎてちょっと怖いです。
夜桜は別の公園で撮ったのですが、ここのシーソーで10人ぐらいの女子中学生が、ワーワーキャーキャー
言って遊んでおりました。桜の下では人は興奮する(そういう物質を花が出す)らしいのですが、
本当みたいです。写真撮りたかったですが、間違い無く携帯で110番されるシチュエーションですので、
撮影どころか、ちかづくののも無理でした。
桜は人を興奮させるとともに、記憶に深く刻み付ける働きもあるのか、または単に美しいと感動するから
記憶があるのか分かりませんが、一番上の写真のカップルさん(新婚さんっぽかった)は、
この日の事を一生忘れないんじゃないかと思いますね。
私も高校時代、彼女と歩いた某所の桜のトンネルは30年以上たっても忘れません。
ふられてから、行ってませんが(涙)。
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