ささやか写真館


2007年10月

               題名「至福の四半時」


 
                                        Sanyo W33SA

  昨日の晩、4時に目が覚めました。天井で、ものすごい運動会があったからです。
 前にもお話しましたが、いま我が家にはネズミが猛威をふるっており、静かに食料の一部を
 かすめて行く程度は構わないのですが、どういう訳だか、もの凄い音をだします。
 この日に備えて餌付けをしておいた(食べ残りを置いただけですが)、野良猫が天井裏に入り
 ついに掃討作戦に出たかとも思いましたが、それにしては猫の声はない。
 職場に行って、
 「あー猫飼いたい。」とつぶやくと、
 「えっ?猫好きなんですか?」と聞かれたので、
 「いやー、ネズミが凄くて。」と言ったところ、みんなに、
 「最近の猫はネズミなんて捕らないですよ。」と言われました。
 知ってますぅ〜う。
 多分猫って元々あんまりネズミを捕るもんじゃないと思うんですよね。大好きだとは思うけど。
 「トムとジェリー」みたいに労多くて報われない仕事だったんじゃないかと思います。
 人間が野生の一年草である「稲」を栽培して大量生産し、乾燥させれば、
 「まあ一年中喰えない事、なくね?」と言う事に気付いた(実は暗示に過ぎない事は、新米を
 食べると、つくづく判りますよね(汗))時から、倉庫を狙うネズミとの戦いが始まりました。
 イランで自生していた小麦を広く栽培する様になったヨーロッパでも状況は同じで、エジプト
 原産と言われるこの小型肉食獣が飼われる様になりました。飼われるというのもちょっと違い、
 すばしこい御馳走のチビが良く出没する穀物倉庫周辺に、張り込みしてただけだったのですが、
 この獣の可愛さに参ってしまった先祖の誰かが、反対する仲間(理由:喰えないから。犬は
 とりあえず食用家畜として飼われ始めた事は、ほぼ定説です。)を押し切って飼う理由が、
 「でもさ、ネズミとるんだぜ。」だったんです。
 
  この愛想のない小動物は、狩りの供になったり、羊飼いの助手になったり、牛乳を運んだり、
 雪山で人を救助したり、目の不自由な人の目になったり、麻薬を見つけたり、泥棒を撃退したり、
 敵将の首を取って来たり(そんな奴は里見八犬伝の八房だけ(笑))する事は一切せず、ただ
 「時々ネズミをとる」特技だけで、何千年もやってきました。たいしたもんです。
 こいつらの愛らしさは、今で言う「ツンデレ」につきると思います。
 「別にだっこして欲しいとか、背中をふもふもして欲しくて来た訳じゃないからねっ!」
 という感じですねえ。
 ただ猫を飼うのは、都会ではそれなりのコストを伴います。なによりどこかに行かない様に
 家の構造を考えねばなりませんし、猫様には恐らく不本意でしょうが、不妊手術、去勢手術も
 必須でしょう。「ねこまっしぐら」も高いですし。
 我が家には、忠実な番犬。外観に年齢が近づいて来た老ミニュチュアシュナウザーがおり、
 猫まで飼う余裕がありません。
 
  ため息をついておりますと、同僚がねこカフェと言う物を教えてくれました。
 「そりゃ、キャッツカフェ(名古屋にあるファミレス)じゃないよね?」
 「違うって。」
 「猫耳付けた、露出度の高いウェイトレスさんがいるとか。」
 「ウェイトレスさん、猫耳付けてるけど、オーバーオールだった。」ふーん。
 聞くと、本物の猫と遊べるカフェらしい。検索すると、名古屋の繊維街「長者町通」に
 あるらしい。ふむふむ。漫喫みたいに居るだけでお金がいるのね。15分300円で、
 最低30分と。その他に飲み物か食べ物を注文要と。メニューを見るとコーヒー400円は
 ともかく、パスタ600円はあの辺なら安い位ですね。

  と、言う訳で早速仕事の後行って来ました。
 私にはカシオの誇るサッカー審判時計がありますので、これで30分セットすれば最短時間で
 いけるはず。なんか飲み物よりパスタの方が割安に思えるので、そっちでいって、1200円。
 まあ漫喫なら3時間居れますが、濃密な30分なら構わないかも。
 店は、もと繊維問屋を改装しました、みたいな雑居ビルの4階にありました。
 靴を脱いで下駄箱に入れる。手を良く洗って、O-157の時におなじみになった消毒液をかける。
 ここへくる人は猫を飼っている人もいますので、猫の病気感染を恐れてでしょう。
 座席は床に座る形式で、ひざを崩せない私にはちょっと辛い形でした。
 猫ルームは食事のスペースとは隔離されており、客はメニューを見て注文すると、そそくさと
 猫部屋に参ります。いるいる。十匹ぐらい。触っても逃げないし、怒らない。
 まあ彼らも仕事と思っているのかも。なんて世界一勤勉な猫達かしら。

 一番人気は最近入った子で、まだ子猫です。コロンちゃんといいましたっけ。
 「ふまないよう、ご注意下さい。」というぐらい小さく可愛いです。
 あと檻に入れられてるトラ猫がいて、
 「脱走王子。謹慎中」というタイムリーなメモが貼ってありました。

  ここは猫と遊ぶのがメインですので、調理はのんびりしたもんです。でも私は30分で帰る
 つもりですので、頼んだパスタの到着時間が気になりました。あと10分と言う所でやって
 来ました。料理ができると、猫部屋に呼びに来てくれます。
 パスタは結構でした。ゆで加減もよし。ソースはレトルトかな?
 5分で食べて(早食い王子(笑))、残り時間で、ちょっと猫部屋へおわかれに。
 猫様の気持ちを汲んで、無理矢理猫をだっこしようとする客はおりません。やっぱり所詮
 猫ですから、店の営業方針にそれほど協力的な訳ではなく、ただ寝ています。お店の猫耳に
 聞くと、この店は昼11時〜早朝5時なのですが、夜行性なので夜になるほど活発になるそう。
 1日2回、エサ以外に「おやつタイム」があり、客はおやつを買って猫にやるのですが、
 このときは「ハレム状態。」だそう。平日昼の割引パックとか、深夜の割引パックもあり、
 「家に帰りたくない方には毛布もお貸しします。」という心引かれるコピーが(笑)。
 猫は無愛想ですが、客の反応をみるだけでも結構楽しい(カップル多いのは悔しい(涙))。
 みんないい人になっちゃう。勝手に一匹自分の猫と決めて、仕事中抜け出してこっそり頭を
 なでに来るリーマンとか、資金繰りに悩みながら癒されに来る中小企業経営者。深夜は多分
 ペットだめなマンション住まいの、お水関係の方も?いそうですね。

  最後にどうしても我慢出来ず、コロンちゃんを一回だけだっこしました。
 ちょっと迷惑そうでしたが、暴れませんでした。大人猫だと、
 「突然なによ。嫌な人間ね。」と怒られそうですが、チビねこだと、
 「何?何がどうなったの?」と言う感じです。
 いたいけな幼猫を無理矢理だっこしたりして、ちょっと良心が傷みました。
 ロリコンじゃないですよ。


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