ささやか写真館


2005年6月

                  題名「幸運の女神」
 
 

                                  SIGMA 55-200mm/4-5.6

  ズームレンズというモノは単焦点レンズに比べて、ちょっと低めに見られがちです。
 ある範囲の焦点をシームレスにカバーするレンズは単焦点に比べ設計が難しく、全ての性能や描写で、
 単焦点には劣る物とされています。しかし突然奇跡的に素晴らしいレンズが登場する事があり、大口径や
 蛍石などを使った高価なレンズではない、比較的安いズームレンズにも評価が高い物が飛び出す場合が
 あります。キャノンのマニュアルマウント時代に登場したレンズでFD80-200F4Lでしたか、安っぽい
 外見にも拘わらず名玉とされ、いまだに中古価格が5万円をくだらないレンズがあります。
 友人から借りて使った事がありますが、名声にに恥じない物がありました。
 素晴らしいシャープネスとコントラスト!
  この往年の名玉を彷彿とさせると評判なのが、SIGMA 55-200mm/4-5.6です。
 往年の名レンズと違い、安い価格帯の入門用普及品として設計されたこのレンズは、シグマの開発者曰く
 「奇跡的にはまった」レンズになりました。
  私は基本的にズームレンズという物を信用していません。風景を決められたフレームで切り取ってこそ
 写真は絵になると思っているからです。ズームを使っていても結局一番短いか長いどちらかの端を使って
 撮ってしまいます。中間だと、なんか消化不良なのです。
 ただズームならではの撮影もあります。
 「幸運の女神には前髪しかない。だから通り過ぎてからは捕まえられない。」という西洋の諺があります。
 スナップショットも同じで「決定的瞬間」を感じてからカメラを構えていては間に合わないのです。
 その辺の嗅覚に天才的に優れていたのがアンリ・ブレッソンでした。
 私の様な凡人はすれ違いざまにぱちっと撮る嗅覚も反射神経もありません。
 この佳人は大須で出会った方ですが、表の方も大変な美人でした。見とれてしまいカメラどころでは
 ありませんでした。すれ違ってから、はっとしてふり返りカメラを構えてズームで追いかけました。
 足許まできちっと押さえられなかったのが、私の修行の足りないところですが、満足いくショットが
 撮れました。
  お顔をお見せできないのが残念ですが、あまりはっきり顔のわかる写真を公開しては失礼でしょうし
 後ろ姿のこの素晴らしくビルドされたお身体をこのシャープなレンズで写すことが出来て幸運でした。
  
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