キョンシーSの
     ピンポンダッシュ!


       ★013 ストロー総研報告(笑)BIG3動く!


 食品業界で、大手は色々ありますが、ファーストフード業界では、吉野屋が牛丼を売れない今、
 「日本マクドナルド再建なるか?」が一番目立つ話題だ。マクドナルドはハンバーガーパテを
 なりましたーストラリアから輸入しているため、BSE騒ぎには巻き込まれずにすんだが、
 65円時代から急激に価格を戻したのがあだになって、売れ行きが落ち、利益が低下してしまった。
 そこで建て直しのため、社長に招いたのが元アップル日本の原田社長。彼は、全家庭に凄い勢いで
 普及し大ブームを巻き起こす可能性のあったiMacを、特定の販売店にしか売らせず、日本の
 コンピュータに占めるMacのシェアを大幅に減らし、Windows陣営に大いに感謝された功労者?
 だが、なぜか経営手腕を買われて、もう一つのマックを率いる事となった。
 簡単にいえばこの人の戦略は差別化指向だと思う。それは日本マクドナルドが目指しているものと
 重なっており、上手く行けば高級路線(かつてマクドナルドで食事するのは、めちゃくちゃお洒落で
 格好いいことでありました)に行くことが可能だ。内幕を知って居るわけではないので、推測だが
 彼の最初の仕事は「フィッシュ・ディッパー」で、これをお披露目として4個100円(税込)で
 セールしたのは見事だった。特にわさびソースはいい出来だ。
 イギリスの伝統的なスナック「フィッシュ アンド チップス」はちょっとお洒落だが、実際には
 油もの2種(さかなフライとポテトフライ)の組み合わせはかなりくどく、ハット卿(きかんしゃ
 トーマスの蒸気タンクで魚釣りして、フィッシュ アンド チップスにしてたべちゃった人)
 みたいな体型になること請け合いだ。実際にミニストップが売っているが、そんなに美味しいとは
 思わない。ところが、このわさびソースはその油っぽさをうち消して斬新だ。もともと定評のある
 マックフライポテトと組み合わせれば、英国人もビックリだろう。
 さてその次の、原田マックの第2弾は「マック・グラン」。グランはグランプリのグランちゅう事は
 英語でグランドにあたるフランス語だから、「壮大なマック」とかいう名前ですか。派手好きな
 原田社長らしいネーミングだが、マクドナルドはスコットランドの姓で、本来は「ドナルドの息子」
 の意味。マクは北欧系の姓「○○ソン(ソンは英語でサンなわけ)」と同じわけ。ちなみにMacの
 Macintoshは「イントッシュの息子」すごい姓。ま、林檎の銘柄らしいですが。と、言うことは、
 「マック・グラン」は英語に直すと「グランドサン」つまり「孫」ってわけだ。わはは、なんだか
 Yahoo BBの社長が買いそうなハンバーガーだな。
 冗談はともかく、とりあえず食べてみました。45分通勤電車に揺られて、10分歩いてマックへ。
 間の悪いことに、店舗改装中でドライブスルーだけ営業という最高の環境。車に挟まれて、歩いて
 マイク&カメラの前に立つという、大笑い。ハンドル握る真似をしたかったが、そこまで馬鹿に
 なりきれんかった。駐車場においたガーデンテーブル(パラソル付き)で食べる。パンは噛みごたえ
 を目指したそうだが、それほどではなかった。ま、あんまり固いと年寄りが喰えんわな。差別化
 高級商品の最大のターゲットは、「平成貴族」こと年金受給層だからね。かつて「ロッテリアの
 リブサンド」が大好きだった私にはもの足りんけど。子供が食べるにはちょとマスタードきつくない?
 とりあえず、結構でした。80点。でも315円か・・・。俺ゃあモスバーガーをとるな。モスは
 本物の高級差別化指向まっしぐらだからね。例の限定品は食べてないけど。今春の「春待ち大根」
 よかったなー。380円出せるのよ、すんなりと。今のカツオバーガーは、美味しかったけど、やっぱ
 カツオだしなーって感じ。(そういえば今日「ハリーポッター」の一作目、テレビでやってたけど
 日本語版ってダンブルドア先生の声が波平なのね)。

 さてお次のビッグ食品メーカーはコカコーラ。世界中から人間が消えて「コカコーラC2日本先行発売」
 って、みんな日本へきちゃうってCM。後の国でも順次発売なの?ほんとだろうな。絶対だな。
 コカコーラと言えば、アメリカではペプシに完敗。この状況を作ったペプシ社長がスカリー。その
 スカリーを「いつまで砂糖水を売ってるつもりだ。」と言ってアップルにヘッドハンティングしたのが
 ジョブス。そのジョブスがなんとスカリーに追い出され、一旦アップルは低迷。身売り寸前になって
 ジョブスがアップルに戻ってきて、ビル・ゲイツに融資をうけ!(ゲイツは青年のころ熱狂的な
 アップルファンだった。彼自身の唯一の大傑作、「エクセル」は元々Mac用の傑作表計算ソフト。
 後はMSDOSもWindowsもWordも、人から買ってツギハギしたもの。大金持ゲイツはジョブスに直に
 頼まれて、舞い上がって、つい金を貸してしまった)、iMacを作り、あっというまにアップル再建。
 月給1$の仮CEOジョブスは完全に「王の帰還」だったな。あ脱線した。とにかくコカコーラは一度
 アメリカで味を変え、大失敗している。日本から元のコカコーラが逆輸入される騒ぎになり、慌てて
 元の味を出したのが「コカコーラクラシック」。C2とは、この時の教訓を生かしクラシックな味を
 残しながら、ダイエット時代のカロリーオフを・・・。と言うことでしょうね。でもさ、飲んだけど
 コカコーラライトと、どこが違うの?「えー?知らないんですか?コカコーラライトはお砂糖が全然
 入ってないけど、C2は少し入ってるんですよー」って珠緒だ。(砂糖珠緒。なんちゃって(汗))
 知らないのは君だ。かつてコカコーラライトには砂糖が入っていた。ところがペプシが砂糖0の
 「ダイエットペプシ」を発売したため、急遽アメリカから「ダイエットコーク」を輸入して販売した。
 しかし、「コークと呼ぼうコカコーラ」と昔から必至にPRしてきたにも関わらず、一向に日本では
 この愛称は定着しなかったため、ダイエットコークはそのまま2代目コカコーラライトになったわけ。
 このあたり、複雑だろ?試験に出るぞ。で、俺が言いたいのは、初代コカコーラライトとC2の味の
 差がわからんということ。なんか自販機の一角まで潰して「発売日までお待ち下さい」ってやったり、
 FM局で一日中「今日発売」って宣伝したり、姑息にもマックの何とかセットを買った人にだけミニ缶
 先行でつけたり、端で見てると大騒ぎをしたのはコカコーラばかりで、みんな醒めてるみたい。
 「ま、一回は買ったけど・・・。」という人は廻りに多いけど。あ、断言しちゃおう。
 「C2って結局マニュフェストですから。残念っ!」
 太るのを気にする人は、2代目コカコーラライトをアスパルテームの後味を我慢しながら飲むし、
 太らない人は戦後日本の原点、クラシックコカコーラ(特にボーリング場で飲む瓶のやつ)を飲む。
 C2は中途半端だなー。てなわけで、コカコーラは大丈夫か?

 最後に巧みなマーケティングと商品自体の良さで花マルつけたいのが、サントリーの「伊右衛門」。
 いえもんって言うと、取りあえず若い人は「ザ イエローモンキー」ですよね。いい加減、再活動
 してくれー。年寄りには四谷怪談か。「嗤う伊右衛門」という映画もあった。ネーミングとしては
 覚えやすく、擬視感もある。しかもこの伊右衛門さん、京都の「福寿園」という有名な茶補の初代
 の名らしい。サントリーは頭がいい。「福寿園」って素敵な名前だよなあ。で、調べて見ました。
 まず福寿園さんは、京都市内にはないのね。山城の国にはあったらしいが。創業は寛政年間と凄い
 けど、京都人は「応仁の乱」前からじゃないと本物の老舗とは言わない。一番古い宇治の茶補は
 「創業平安末期」と言うから呆れる。ちなみに京都人のランクでは(京都人はお茶に大変うるさい。
 日頃飲む番茶でも値段が一桁違う)メジャーどころでは裏千家御用達の「一保堂」。京都にお遊び
 の際にはここで超小さい茶壺の抹茶をお土産にどうぞ。流石の美味です。荷物にならんし値段も
 手頃(昔2000円位だったが・・・)、ま長崎カステラなら一保堂が「福砂屋」なら、福寿園は
 「文明堂」ですね。戦後色々なデパートに出店を持って台頭した所も似ている。サントリーに暖簾を
 貸してくれる位だから、福寿園さんも商売上手と言うわけだが、名前もいいし、老舗っぽさが、
 ぷんぷん匂うから、ベストなパートナーだ。そこへCMで伊右衛門さんに本木雅弘、奥さんに天下の
 宮沢りえを起用。「たそがれ清兵衛」で美しい日本女性の偶像となったりえちゃん。昔、汗くさい
 相撲取りに振られたり、摂食障害になったり(これは気の毒でしたけど)、そんな負のイメージは
 もう完全に払拭した。しっとりした美しい映像。連続ドラマ仕立ても楽しい。
 ま、売り方が上手いのはサントリーの定法(烏龍茶のCMの中国人女性達もいいね)だ。この会社、
 伊達に開高健を宣伝部から出してない。そんなことじゃ、おじさん驚かないぞ。でも、福寿園と
 提携して日本茶の新製品で、ネーミング決めようってとき、福寿園の創業者の名が伊右衛門と判って
 「これでいいじゃん」って決めたとき気持ち良かったろうなあ。すごいなあ。宣伝部かなあ。
 電通かなあ。ひょっとして仲畑さん?中島らもだったりして。関西だけに。「いいやん」て。
 とまれ、今回とりわけいいのが本当に美味しいこと。「伊右衛門」の成分は3種類。順序逆になるが
 まず「最後に石臼引きのお茶をひとつまみ」これは前から他社にも抹茶いり緑茶として存在した。
 「山崎の天然水で淹れたお茶」。これもサントリーなら当然。ウイスキーを作る日本最高の銘水の
 ひとつだもの。
 でも、もう一つ「純水で淹れたお茶」ってどういうこと?純水というからには実験室レベルのH2O
 だよね。もう少し純度の低いのは「精製水」と言うはずだから。もっくんの伊右衛門さんは、
 寛政年間にどうやって純水を手に入れたか?はどうでも良いが、お茶を純水で淹れると美味しい
 というのは聞いたことがない。どんな味なんだろう。おそらく我々の知るお茶の味とはほど遠いが、
 お茶本来のエッセンスががんがん出ているのだろう。これはProject X 級の新発見では?
 しかも、きっとそれだけでは水の持つ美味しさが全くないため、天然水で淹れた茶をブレンドし、
 福寿園らしさをだすため、抹茶を少し仕上げに入れる。今までの緑茶にはない、判りやすい美味しさ
 今までのは正直、家でお茶淹れて、冷やしてペットボトルに入れたのとどこが違うの?という感じ
 だけど、今回の「伊右衛門」は違うと思う。だって純水なんて家庭じゃ入手困難ですもの。
 味は好きずきで、ひょっとしたら俺も、ネーミングやCMや純水や福寿園のステータスに騙されてる
 かもしれないけどね。ブラインドテストをしたわけではないが、かなりの人が「美味い」と思う味に
 仕上がっているのではないか?濃いのにすっきりしてるんだよね。
 暑い夏の日。蝉の声ががんがん響く中、汗だらだらで自販機にたどり着いたら、俺は多分間違いなく
 これのボタンを押す。いっとくが、C2じゃないぞ。
 多分そういうときに限って「売切」ランプ点灯だろうな。伊右衛門は。