キョンシーSの
     ピンポンダッシュ!


      ★002 牛丼について考える。

  なぜ牛丼が姿を消すのか?
 それは、自衛隊がイラクに行ったからである。
 昔「牛肉とオレンジ」の輸入自由化をめぐって、アメリカが強い圧力をかけて来たとき日本の
 政府は国内の農家を守る事が出来なかった。
  日本は日米安保条約で、アメリカに守って貰っている国だから、ボスの言いなりになるしか
 ないのだ。
  今度のBSE騒動について、アメリカは「全頭検査しなくても大丈夫」と言っている。
 日本は「国産牛は全頭検査してるから大丈夫」と言っている。
 正直、どっちも信用出来ない。
 この国の制度なんて、抜け穴だらけだ。アメリカにも全頭検査なんてとても出来ない事情がある
 のだろう。ウシ多すぎるもんね。アメリカ人は今日も大丈夫と言われて、全頭検査なしの牛肉を
 食べている。本当は日本人にも食べて欲しい。でも言えない。
  国民の多くの反対を押し切って、日本政府は、自衛隊をイラクに派遣した。小泉にはそうする
 権利がある。去年の総選挙、自民が勝てば小泉首相。民主が勝てば菅首相。憲政史上初めて国民は
 直接総理大臣を投票で決めたのだ。そして自民が勝てば自衛隊は武器を持ってイラクへ。民主が
 勝てば行かない。これも国民全員が知っていた事。
  僕は戦後平和主義の申し子だから、憲法改悪にも、自衛隊派兵にも反対だ。でも日本国憲法には
 多数決による民主主義の原則が貫かれているから、去年の国民の選択には従う他無い。9条をどう
 曲げても、今回の派兵は出来っこ無いのに、国民の選んだ小泉はやってしまった。アメリカは
 大きな借りを日本に作った。今まで米国内でさえ許されてない防カビ剤まみれの農作物を平気で
 日本に押し付けて来た(情報from山岡士郎)あのやり方からすれば、BSEがちょっと出た位で、
 アメリカ牛輸入禁止など、今までの日本政府には言えっこ無いのである。でも言えてしまった。
 専守防衛論の宮沢には言えなかった。
  まあ、これから日本を待っている地獄を考えると、アメリカから1点取った位で狂喜乱舞して
 いる場合ではないが、もし自衛隊員が死んだりしたら、また1点取った事になる。自衛隊が地元の
 人のためになんか穴掘ってて、大量破壊兵器でもうっかり掘り出しちゃったら、もう100点位
 取ったことになっちゃうだろう。
  とにかく、そういう訳で、アメリカが「ごめん」と言わないと、米牛肉は入ってこない。牛丼
 各社は多いに困る。
  予言するが、吉野家は負ける。他社は全く芸のない対応=豚肉で丼(松屋なんて「豚めし」だ
 もの。「豚のえさ」とか「ブタ箱の臭い飯」とか連想しそうでためらいそうなものだけど、あえて
 このネーミングは凄い開き直りで、かえってすがすがしい)でしのごうとしている。吉野家だけ
 「カレー丼」だの「マーボ丼」だの新メニューに躍起だが、400円払って、なんでそんなもの
 食べに行かなきゃならんの?「ココ壱番屋」のカレーや、「バーミヤン」のマーボ豆腐とライスの
 方が良くない?(それでも一通りは試食するつもりだが)確かに吉野家の牛丼は最高だった。
 そのうえ280円だった。他社は豚肉丼で290円を維持すると言っている。松屋など「牛めし」より
 「豚めし」の方が好きだったりする。吉野家はこのままでは負ける。哀しい。小泉のせいだ。
 自衛隊がイラクにさえいかなければ、米国牛は日本に輸入され、吉野家は牛丼を売り続ける事が
 出来た。そんな危ないもの誰も食べないだろうって?どっちみち今の食い物全部危ないって。
 280円で一食楽しめたんだぜ。あの味だぜ。
  吉野家だって、死人が出ては倒産だから、必死で米国契約農家の自前全頭検査位するだろう。
 政府の「安全宣言」より、吉野家の「安全宣言」のほうが、信用できる。もしこの道が選択出来
 なければ、吉野家が行く道は、もう一つしかないと思う。「ラム丼」の発売である。
 オーストラリアやニュージーランドの農家と契約し、子羊肉を大量に買い占める。あの秘伝の
 牛丼の味付けにスパイシーを加味して、豚肉では出せない味を出す。キャラクターは高橋留美子
 先生作のあの豚ウシ(名前はレイ。ラムののもと婚約者。ランの現恋人)。あれにラム丼どかどか
 食わせて、振り向いて「ラム!」と一言。決まった。
  ちゃんと調理すればラムは美味い(情報from山岡士郎)。いまこそ日本人は子羊を食おう。
 吉野家よ、ラム丼で行こう。イラクを始め中近東ではシシカバブなど羊肉料理が多い。
 いまこそ「がんばれ兵隊さんセール、ラム丼280円」でしのぐのだ。

 最新情報・・・
  松屋は豚めしを350円に値上げするらしい。せっかく完膚なきまでに吉野家を叩きのめす絶好の
 チャンスを逃してしまった。相変わらず吉野家に追従する事しか出来ない会社である。
  実質ほとんどの吉野家が2/10に牛丼の販売を休止した。「牛丼一すじ」の歴史に幕が下りた。
 ショートインターミッションであってほしい。10日には長い行列が出来たそうだ。熱心なファンは
 もうみんなそれぞれのタイミングで告別式をすませている。僕はほとんど10年ぶりに「大盛り」を
 食べて告別を先週した(糖尿のため、いつもは並)。果たして並んでいるのは、「牛丼食べるの
 3回目だけど、無くなると聞いて」とか、初めて食べるとか言う馬鹿もいた。
 イベントじゃねえぞ。並んでいる奴の中で、去年総選挙で投票した奴、手を挙げてみろ!