ナゴヤからの手紙
 
2016年10月
 
「病も気から落ちる」
 
            iPhone7plus
 
表題写真は、私が長年おっかけをしている”シルヴプレ”のお二人。
のぞみさんの、ナース姿は、相変わらず色っぽ、くはないですが、可憐です。
昨年は大須大道町人祭での全プログラムを制覇出来ました(3回×2日)が、
今年は前日からちょっと大変な事になり、まあ風邪なのですが、
参加が危ぶまれたのです。
仕事は37度程度の熱でも無理して出られるのですが、今年の春からの傾向と
して、風邪を引くと声が出なくなり、私の仕事は声が出ないと出来ないので、
春は長期の休みとなってしまったのですが、今回は大道町人祭の為に、
2日+休養日の計3日の休みを計上したのですが、風邪の治療と耳鼻科に通って
吸入(声帯にはこれが一番効く)に費やしたのでした。
実は今回は、もう一つの祭に参加したいとも思っておりましたが、叶いません
でした。
こっちは10/16に行われた関ヶ原の祭で、関ヶ原の戦いの様子を、実際に兵を
布陣させて再現。という勇壮なものです。
今年は”真田丸”で石田三成を好演した山本耕史さんがトークショーをされると
言う事で、ぜひ参加して、
「土方ぁ〜っ」という大河つながりで場違いなかけ声を掛けたいと思って
居りましたが、関ヶ原町までカブを飛ばすなどという体調ではなく断念。
結局、そーっとカブで大須まで行って、機種変したばかりのiPhone7plusで
雰囲気を撮影するにとどめました。
シルヴプレさんも初日一回。多少体調が戻った二日目二回だけ拝見という
駆け足で見ただけで残念でした。
関ヶ原に浮気しようとしたので、大須観音さんが怒ったのかもしれません。
 
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得意持ちネタの”テニス”での柴崎氏。
「走り回って、最後は階段駆け上がって、大変ですね。そろそろ年齢的に
きつくないですか?」と聞いた事がありますが、
「このビル、実はエレベーターがあるんです」という打ち明け話がありました
 
                 iPhone7plus
 
シルヴプレはパントマイムユニットなので、原則言葉を発しませんが、
台詞のあるネタもあり、”クリーニング屋”と、この写真の”ラーメン屋”は、
観客のファンから歓声が上がる程の人気があります。
もともと演劇畑のお二人で、下北あたりでは(適当(笑))仲間と芝居をよく
やっておられるので、PAなしで台詞が良く通ります。
 
       iPhone7plus
 
シルヴプレ待ちで、ちょっと拝見した中で、一番芸の深みと言うか、
「流石だな」と思わせたのが、この江戸操り人形。西洋のマリオネットとは
機構の違う精巧な仕草に、観客からはため息があがりました。
典型的なお座敷芸でしょうねえ。古き江戸が忍ばれます。
 
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桜小路富士丸さんもご健在。
去年似顔絵を描いていただき、今もツイッター等のアイコンとして
使わせていただいております。
ツイッターで、あまり長く拝見出来なかった事をお詫びしましたら、
かえって風邪なのに来ていただいてと恐縮されてしまいました。
豪放磊落な芸風とは違い、素顔はとても謙虚で優しい方です。
 
       参考映像
 
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大好きなちんどん通信社さん。このあと続く”らくだパレード”の露払いを
勤めてました。
チンドン屋さんの化粧って、例外なく男はチャンバラトリオのハリセンで
叩く方(リーダーは実は叩かれる方)、女性は京唄子さん似になりますね(笑)。
 
            iPhone7plus
 
そして、主役のらくだ二頭。江戸時代に大須(当時は遊郭のある歓楽街)に
本物のらくだがやってきて、大変な評判をとった。という史実があり、
じゃ再現してみよう。ということで、この企画になったらしい。
跨がっているのは今回の実行委員長さん。若手がやるのが多い役ですが、
今回はご高齢の方です。
 
            iPhone7plus
 
そして、今回は名古屋まつり英傑行列の三英傑が大須にやってくる!
という久々の企画が実現。
英傑行列では、山車に乗って手を振るお三人を沿道から見上げるだけですが、
大須では歩いてパレードです。お付きもかなり疲れたご様子。
パレード後ですからね。
これは信長さん。神経質なイメージのある信長ですが、この方は結構
おおらかな感じ。ちなみに三英傑は毎年公募で選ばれます。
 
           iPhone7plus
 
これは、ちょっと悪賢そうな(失礼)秀吉さん。やっぱり一番花がありますね
三英傑の中では秀吉のみが名古屋生まれ(信長は清洲市、家康は岡崎市)
なので、大阪のみならず、名古屋でも人気があります。
 
            iPhone7plus
 
家康さん。これは黒幕顔だー(笑)。ニコニコしているが、目が笑ってない。
中国で言えば鄧小平だな。
今回の三人では、一番”そっくりデ賞”をあげたいな。
まあ本物の家康見た事ないので、あくまでもイメージですけどね。
肖像画などからでは、実は家康はふっくらした古だぬき顔ではなく、
”真田丸”で演じている内野聖陽さんのいかつい顔が近いのだそうです。
 
というわけで、今年は”ささやか写真館”にまとめる程の内容がない
大須大道町人祭でした。
ちなみに、今年もブラジャー着用の金粉ショーはスルーでした。
来年は体調を整えて、リベンジしたいと思います。
さて、もうひとつ長い間あたためていたコラムを続けます。
題して、
 
 
「蔵出し論文”聖書ととんかつの関連について”」
 
                   iPhone6
 
この企画は、現在の私(明日の検査に備えてカロリーをとれない)に
とって大変つらい物です。ですので、さらっと流します。
テーマはとんかつですが、カロリーが高いので、そして値段も高いので、
なかなか食べないメニューですが、
実は私は油物が大好き。一日のうち二食を極軽にしてでも食べたい派です
(どんな派閥だよ(笑))。
 
新舞子に向かう道すがら、東海市で、このような看板を見かけます。
「とんかつ しおん」
お昼時は結構繁盛しているお店ですが、名前が妙に気になる。
シオン。は現在のエルサレム周辺地域を指し、ローマ帝国によって滅ぼされた
イスラエル・ユダ王国の民、いわゆるユダヤ民族が、世界に散らばって、
経営の才能により欧米の財界を支配したり、芸能界でも大きな勢力となったり
時にはナチスの迫害を受けたり(アンネ・フランクも収容所に入れられるまで
は、町一番のお嬢様だった)、様々な歴史の中で翻弄された民族なわけですが
戦前、彼らが祖国シオンの地に戻ろうという運動=シオニズムを起こします。
そこにはイスラム教徒のパレスチナ人がもう千年以上も住んでいた訳ですが、
この地を植民地支配したイギリス政府の二枚舌外交によって、ユダヤ人にも
パレスチナ人にも独立権を与えてしまったため、集まってきたユダヤ人に
よって、パレスチナ人は祖国を追われ、ユダヤ人の建国したイスラエルと
パレスチナ人を支援するアラブ諸国の間で、中東戦争が起こります。
 
そのため、なんかの掲示板で、
「可愛いと思って娘に”しおん”とつけようと思ったら、友人に真顔で、
”そんな恐ろしい名をつけるべきじゃない”と止められた」という記事を見ましたが、キリスト教徒にとっても、シオンはイエスが伝道した聖地であり、
決して悪い意味ではありません。
ですから、屋号に”しおん”と付けるのは、決して悪くはないと思うのですが、
何分にもユダヤ教徒は聖書の教えから、豚肉を食べない(その伝統はイスラム
教徒にも受け継がれた)ので、とんかつ屋さんと言うのは、結構違和感が
あります。
 
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てなことを思いながら、ある日思い切って訪れてみました。
店構えは”商い中”とか、よくある和食系居酒屋風。
思い切って、というのは、とんかつって鰻程じゃないですが、お高いという
イメージがあり、敷居が高いんです。
「美味しんぼ」のなかに出てくる”とんかつ大王”の店主が
貧乏な学生(後に富豪になって恩返し)に只でとんかつをおごってやって、
「学生さん、とんかつをね。食べたい時に食べられる。それくらいには
偉くなりなさいよ」と諭す名場面がありましたが、戦前・戦後を通じて
とんかつは、高い外食でした。
名古屋では名店No.1と言われる緑区の”あさくら”は、実は結構リーズナブル
なのですが、それでもランチで1500円位覚悟しないと、満足出来ません。
 
このしおんは、ランチタイムは結構お値打ちと評判でしたので、1000円以内で
いけるかな?と思ったのですが、ミックスフライ系のランチが650円。
とんかつのランチが850円と大変嬉しい設定でした。
 
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やや小振りですが、本当に良質な豚肉を使ったとんかつ。
ごはんと、キャベツ、みそ汁お代わり無料という良心的な設定。
何故か生卵がつくので、お代わりをたまごかけご飯。もありですね。
デザート付きで850円は安い。
特筆すべきは、カツの厚みが極端には厚くない事。
最近の風潮は、カツの肉は厚い程いい。という間違った考えが支配しており、
コンビニのカツサンドでも、こういうのが人気
 
        資料映像
 
あさくらさん辺りになると、その辺の火加減が絶妙で、分厚い豚肉の中心は
ピンク色。衣はカリッと、中はジューシー。という究極の妙技が見られる
のですが、ただ厚さが自慢の店だと、モサモサになります。
誰だったか食通が、”とんかつの肉は厚さ1cmを超えてはいけない”と論破して
居られましたが(池波先生だったかな?)私も同感です。
あさくらや、今も伝説のひれかつの名店”八千代(現在は閉店し、市内に二店
弟子の出した店がある)の様な名人の揚げる店を除けば、確かにあまり厚い
トンカツは美味しくないです。名古屋人はその辺のモッサモサ対策として
”味噌かつ”を生み出したのですが。
ここのトンカツはちょうど良い厚み。
かけ声の揃った、和食屋によくある、職人の張り上げる(喜んで!とか)
だみ声ではなく、アルバイトの結構可愛いお嬢さん達の奇麗な声が、
この店の魅力の一つなのですが、その一人の方に、
「変わった名前ですが、由来は?」と聞いた所、
「良くは知らないのですが、なんでも聖書から取ったそうです」とのこと。
本物や!
今の店主は特にクリスチャンではない様ですが、元々の方がそうだったらしい
私の予算にはちょっと高めですが、あさくらや八千代の分家よりは、安くで
美味しいトンカツが食べられれば満足です。
 
                   iPhone6
 
さて、緑区にもうひとつ気になるトンカツ屋がありました。ここも良く通る道
カナンはシオンよりさらに古いイスラエルの旧名。
エジプトに征服され滅ぼされた古代イスラエル王国の民の大半が、エジプトに
捕虜として連れ去られ、長い年月が流れた後、モーセが民を引き連れて、故郷
に変える。ここで映画にもある十戒を神から授かったり、海を分断して
渡ったりする訳ですが、彼らが目指した故郷が
「カナン=乳と蜜が流れる地」なわけです。随分スイーツ(笑)な故郷ですね。
という訳で、カナンもユダヤ教徒縁の聖地。それだけに豚肉は似合わない。
日本でかなんと言えば、中国の華南地方。この字なら中華料理店にはありそう
中華料理は豚肉を単に”肉”と言って中心の食材としますが、それなら洋食の
とんかつ屋さんになっちゃったのは不思議。まあこの手の業種変更はよくある
話ではあります。
この店は口コミでは、安いので有名です。とんかつのランチが600円とか
凄い事になっています。
で、こっちも行ってみました。この店は様々な変わりとんかつ(アメリカン
とかイタリアンとか、フレンチとか(笑))でも有名ですが、オーソドックスに
ソースとんかつにしました。
 
                   iPhone6
 
ここのは、更に薄めでその分面積は大きい。いわゆる”手延べ”タイプですね。
ここの口コミに”カツはペラペラ”という悪い記載がありましたが、この厚みが
昔は標準でした。薄いから肉と衣がバランスよく賞味出来るのです。
大学時代、私は、”一定のとんかつに対するご飯の量は、とんかつの質量に
ではなく、面積に比例する”という理論を確立したのでした。
値段からすれば大変結構です。まさか600円代でとんかつのランチが食べられる
とは思いませんでした。
じつはその後も何回か、ここでランチしてから瑞穂区の山崎川で、
コイキング釣りをする、休日の日課が出来た程です。
店を出る時店員の女性に、店の名の由来を聞いた所、
「さあ、なんか外国の地名だって聞きました。なんなら店長を呼んで
来ましょうか?(創始者は先代で、今は息子さんが継いでいる)」と言われ
ましたが、確信が持てたので、それは辞退しました。忙しそうなので。
これも本物でしょう。聖書のカナンです。
 
という訳で、この2店はいずれも聖書由来と認定しました。
とんかつ屋と聖書。このつながりは、
「親分はイエス様」くらい違和感がありますが(熱心なクリスチャンは
食べ物屋系は経営しない事が多い。かきいれ時の日曜日に礼拝に出られない
ため)、ユダヤ人であるイエスの教えであるキリスト教が、ユダヤ教の戒律
(豚肉を食べる、酒を飲む等を禁じる)を廃し、そのためにその戒律を受け
継いだイスラム教ではなく、キリスト教がヨーロッパ人に受け入れられた事を
思えば、とんかつ屋はまさにキリスト教的。なのかもしれません。
 
ああ、くそっ!絶食中のこのコラムを書くとは、なんたる苦行!。
あす診察終わったら、塩釜口のパセリ※で、とんかつランチだ!
と無謀なことを誓う、わたくしでありました。
 
※大食いの体育会系名城大学生でさえ恐れる、巨大カツ立て置き2列と言う
 破壊力抜群のランチ。残すと罰金である。今の私には自殺行為だが、
 やらねばならない時もある(今がその時とは言っていない)。