ナゴヤからの手紙
 
2015年6月
 
「ぎうにう」
 
                    iPhone6
(↑この写真と題名・本文は特に関係ありません。この日の早昼でたべた
 スガキヤの新製品。580円だけど、”スガキヤ史上最高肉量”
 ”当社比12倍の肉量”という魅惑のキャッチに負けた。まあ美味しいです)
 
 
来期のアニメでは、待望の
「のんのんびより リピート」が放映されます。
昨年一期目の”のんのんびより”が放映され、その圧倒的な背景の美しさ
(有名な”草薙”というチームが担当している)と、登場する少女達の愛らしさ
特に最年少の小学一年生のれんげのユニークな個性。そして物語の完成度の
高さで大ヒットしました。
全校生徒が小中合わせて5人しかいない山間の学校に通う生徒達の平凡な
日常を描いた物語でしたが、いわゆる
「癒し系」の代表作と言われる程の大成功でした。
 
7月の開始を前に、もちろん私は旧作をおさらいしたのですが、いやあこれは
何度見てもいい。
「物語シリーズ」と並んでブルーレイボックスを買いたくなる質の高さです。
さて、この作品が話題になり始めた時に、ネットで
「よつばと」との比較を良くされていました(海外のファンにも)。
私はその時までよつばとという作品を知らなかったのですが、
あずまきよひこという漫画家の作品である事を知り、さっそく読んでみました
小岩井という青年が海外放浪中にある島で、孤児の?幼女と知り合う。
語られていない色々ないきさつを経て、幼女は小岩井氏の養女となり、
日本にやってくる。
しばらく田舎の小岩井氏の実家に暮らし、その後ある街に2人で移住。
髪の色も目の色も、明らかに日本人とは違う少女
「小岩井よつば」と小岩井氏、その友人たちと、近所の一家が繰り広げる
平凡な日常の物語。
子供を育てた経験のある方なら、誰もが思い出し共感出来る暖かい物語です。
 
                        2013 iPhone5
 
現在も連載中(とはいえ昨年は確か2話しか掲載されなかった)の傑作で、
特に既刊全12巻の中で、たった2話しか登場しない、ロボットの
「ダンボー」は作品を離れて様々な造形に取り入れられています。
 
   2013年ダンボー展(名古屋)にて iPhone5
 
結局のんのんびよりを全12話見て、よつばと全12巻読んで、ついでに
よつばとの作者、あずまきよひこ氏原作のアニメ
「あずまんが大王」まで視聴中ですので、どんだけ癒し系が好きなんだ。
という話ですが、私にとってはこの趣味は現実逃避ですから、やむを得ない
のかもしれません。
で、今回のナゴヤからの手紙に、どう話がつながるかというと、
”よつばと”の作中に、よつばが牛乳を飲むシーンがあります。
子供ですから牛乳好きな訳ですが、特にあるとき小岩井氏が通販で取り寄せた
ものすごくおいしい牛乳を飲む話があって、大きさから900mlのガラス瓶と
思われますが、1本千円くらいらしい!隣の奥さんに
「男の人はめちゃくちゃな買い物するわねえ」と呆れられるのですが、
おそらくジャージー種の乳牛の奴とかだと思います。
上の写真のダンボー展が栄のパルコであった時、併設のよつばカフェで、
このガラス瓶牛乳を販売(もちろんよつばのイラスト入り)してましたが、
これは確か2000円以上してましたね。買えませんでした(涙)。
 
で、これを読んでいる時に、食欲の引き金が大変シンプルな私は、
「ああ、おいしい牛乳が飲みたい」と思ってしまいました。
もちろん、時々職場の売店で買う200ml紙パックの調整牛乳も嫌いではないの
ですが、やはりおいしいのが飲みたいのですね。
小岩井氏みたいに千円もするのを通販で買う財力もありません(彼は翻訳家と
言う仕事の様)。そこで、
「名古屋で美味しい牛乳を飲むには?」というテーマで考えました。
 
まず思い浮かぶのが、よく行く名古屋市農業センター。
春にはしだれ梅祭りが有名なところですが、ちゃんと乳牛を飼育しており、
牛乳やジェラートなんか販売している。
 
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それから、名古屋近郊になりますが、日進市の
「愛知牧場」
ここは乳牛を多数飼い、”アイボクミルク”として1000mlの紙パック入り牛乳を
近隣のスーパーなんかでも販売している。
洋菓子店なんかでは、
「原料にアイボクミルクを使っている」とわざわざ明記する場合があります。
 
                    iPhone6
 
農業センターは勿論、愛知牧場も自転車で行けない事はない距離と勾配です
ので、6月中に一度。と思っておりました。
ところが6月後半は、流石に梅雨に入り、休みの日に限って雨が降るのです。
結局車で、雨の中出かけました。
雨という事もあり、いつもとは違って、
「牛乳を飲む」という事だけに絞った訪問です。
 
まずは近い方から。
ここの牛乳(152円)も時々飲みますが、どうしてもここではジェラートが
中心になってしまいます。
雨の割には結構駐車場には車も多かったです。入場無料という事もあり、
結構名古屋市民に愛されている施設です。
いつもの奥のジェラート売り場には行かず、ゲートを通ってすぐ右の
農産物なんかを売っている売店に。
冷蔵ケースから取り出し、レジに行くと、
「今お飲みになりますか?」と聞かれる。
「持って帰ります」というと、
「では次にこられた時に、瓶をお持ちください」とのこと。
まあ152円の牛乳にガラス瓶一本持って帰られたら採算とれないでしょうなあ。
古代ローマ人が驚嘆した(@テルマエ・ロマエ)精度の高い瓶ですから。
可愛い絵が入っているので、ノベルティとして、瓶代込み割増し料金を設定
して欲しいものです。
味は、濃厚。しかも栓を抜いて口に含むと、まず固まった乳脂肪が舌に当る。
「不純物が浮いている。腐ってる」とか、無知な親に言われそうです(笑)。
この濃度は、他の牛乳にはありません。
この辺は利益性をそれほど上げなくていい、公立の強みですね。
 
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さて、次に日進市の愛知牧場へ。
日進市は名古屋市の東隣ですが、この牧場は日進市の北端。
愛知用水水源の愛知池の近くに広がる丘陵にあります。
もともとは酪農農家でしたが、名古屋から近い事もあり、観光牧場として
乗馬が出来たり、乳絞り体験ができたり、結構賑わってます。
今日は雨なので、閑散としているだろうと思いましたが、駐車場は結構満車。
よく考えたら、ここには屋根付きのバーベキュー施設があり、食材もここで
揃えてくれるセットがあるので、雨でも食事に来る人が多いのです。
ここの紙パック牛乳は低温殺菌の良心的な製品で、それほど高くないので
ファンも多いのですが、今回はあえて、240円もする、
「しぼりたて、ノンホモ牛乳」をオーダー。この
「俺は女が好きだー!(笑)」みたいな名前は、牛乳製造界で昔から使われている
製法である”ホモゲナイズ”を行わない。という事のようです。
農業センターの牛乳で舌に感じた固形分。これクリームと言われるもので、
これを取り出してさらに固形化した乳脂肪がバターです。
飲料としては抵抗があり、保存や輸送中にどうしても分離しやすいので、
特殊な方法で酸素に降れないように、均質化するのがホモゲナイズです。
ホモというのが”一種類にする”という意味なんですね。だからホモは(笑)。
 
これをすると口当たりは良くなり、お腹を壊しにくくなりますが、
がつんとくる濃厚さは損なわれる。
そこで、ノンホモなわけです。
今回飲んでみて、確かに市販のアイボクの低温殺菌牛乳より、少し濃厚な
気がしました。コクはだんちだけど。
ここは観光地なので、あまり濃厚なのは好まれないのかな?と思います。
子供の頃に愛知牧場で、絞って低温殺菌しただけの、生暖かい生乳を飲ませて
貰った時の、強烈なショックはもうないみたいです。
もっとも子供の私はそのとき、
「何だこれ!こんなの牛乳じゃない!」と思いましたので、やっぱり好き嫌い
はあるかも知れませんが、最近は調整牛乳の、不自然に濃厚な奴に慣れてます
ので、もう少しパンチが欲しいところ。
「天下一品ラーメン」みたいに、
”こってり”と”あっさり”を好みで選べるとか(笑)。
 
              Phone6
 
愛知牧場の売店には、900mlガラス瓶入りの牛乳(550円くらい)も売ってましたが、例えば高級なスーパーなど行けば、小岩井氏が買った牛乳みたいのが
あるんじゃないか?
まあ小岩井という時点で、牛乳と縁がありますが(笑)。
名古屋で高級なスーパーと言えば、まずヤマナカフランテ。
かつては名東区にハロードゥインターナショナルという超高級スーパーが
あり、名古屋のセレブは買い物したものですが(私らは見物に)、母体の
ハローフーズが関西のコノミヤに吸収され、ハローは店舗の名前としてのみ
存在します。インターナショナルの名を残しているのは東山店のみの様です。
 
フランテは、一般的なスーパーであるヤマナカの高級店舗として、
覚王山と、八事という、まあ高級住宅街に開設されており、ちっちゃい方の
ベンツやアウディに乗った奥様(当然奥様専用車)が、毎日の食材として
和牛とかを買いにくるお店です。
 
ここならジャージー牛乳あるかも?
八事店に行きましたら、なんと改装工事中(汗)。
覚王山まで行くのもなあ。と思いましたが、そういえば、かの
「成城石井」が石川橋に店を出した事を思い出しました。
名古屋ではまだ珍しく、千種のなんだかバブリーなレストラン街に一件、
あと金山総合駅にもあるのは知ってましたが、この間バイクで走ってたら
「おお、こんな所に成城石井」
石川橋と行っても、きわめて南山(愛知牧場がある日進市のはみなみやま。
こっちはなんざん)に近く、ここも高級住宅街です。
 
で、行ってきました。
成城石井は不思議なビジネススタイルですね。
コンビニより少し規模が大きいスーパーで、
置いてるものが、やはり超いいもの。
例えば、私がいつもお世話になっている、食肉界のブランド(笑)、
「オーストラリアor米国産牛肉」
「カナダ産豚肉」
「ブラジル産鶏肉」
などはございません。
ここならあるかも?と思いましたが、ジャージー牛乳はありませんでした。
そもそもここは
「成城石井牛乳」という低温殺菌牛乳ブランドを持っており、価格も、
明治やメグと同じくらいなので、私でも手が届きます。
その他流石に珍しいブランド牛乳。例えば鳥取の
「白バラ牛乳」なんかも置いてます。
並んでいる牛乳のなかで、文句なく私が選んだのは(200mlと言う事もあり)
 
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成分無調整ではありますが、120度2秒というごく普通の高温殺菌で、ノンホモ
でもありません(高温のは無理かな元々)。
ところが、飲んでみると、今日飲んだどの牛乳にも負けない濃さとコク。
しかもスムース。
なんかいつも飲んでる調整牛乳の超お上品かつナチュラル版。
「なにあれギャルみたいな金髪…じゃないやナチュラルなブロンドだ!
すっげいバサバサ言うつけまつげ…じゃないがな、ホンマモンで長いんや!」
みたいな美女。という感じかな?
 
考えてみれば、酪農王国北海道の、道東の大産地十勝平野で有名な音更町。
そこであえて”特選”と付ける自信がよくわかります。
「したらば、めったな牛乳に特選てば付ける訳にいかないんさ」
これ自転車漕いで、あの坂登る価値あるなあ。
普通に108円だし。
しかも、偶然ではございますが、
「よつば」牛乳なんでございますよ。
厳密には、結果ナゴヤネタではなくなってしまいましたが(汗)。