ナゴヤからの手紙
 
2018年12月
「異国の美味」

一枚を除きiPhone7plus
最近は外食というものをあまりしなくなり、外で飯を食うということが、
文字どおりアウトドア飯になっておりますが、取材となると話は別で、
毎年5月の同人誌即売会
「桜高新入生歓迎会」の作品作りに、今年は瀬戸内のしまなみ海道まで
行ってきて、その時の出費が今も負の予算として(笑)私の会計を苦しめて
いるのですが、今回はその関連で、数回タイ料理店に通いつめておりました。
なぜタイ料理かと言うと、来年の発表作のしまなみ海道をバイクで渡る話の
なかで、中野梓という登場人物をタイカブ”Wave125i”

参考資料(ちなみに私が乗った実車)
というタイホンダ製のスーパーカブ(随分かっこいいけど)に乗せたかった
からで、タイ料理店をスタートにしたかったからです。
それで愛知県のタイ料理を検索したところ、うちから比較的近い刈谷駅前で
平日ランチ880円でやっている店を見つけました。

”タァナムタイ”という店で、タベログ等でも評判はなかなか。
で、11月下旬の休みの日に行ってきました。
駅前の会社勤めの人が昼食に使う食堂が多い地域で12時前に行ったのですが、
下のフロア(椅子席)は満席。二階(小型エレベータで料理を運び上げる)は
座敷形式で、掘りごたつ式ではないので、店員さんに”膝が悪いので(これは
嘘ではありません。正座、胡座ができない)下で食べたい”と無理をいい
ましたら、ちょうど食事の終わった方が、開けてくれたので、座ることが
できました。
店内は表題写真の感じ。

まず注文前に、サラダとスープがでました。クチコミに”スープがぬるい”と
あったのですが、確かにそれほど熱くはない。ただ東南アジアの文化では
それほど料理が熱々であることにこだわらない(カレーを手で食べたりする
からね)と思ってますので、これは桶。
メニューは12種類ほどのランチ880円から選択。ランチタイムは一品料理は
選べないとのこと。かなり繁盛しているようです。

今回は定番のガパオライス。日本に入ってきているタイ料理は宮廷料理などは
少なく(トムヤムクンは世界三大スープの一つとして有名だが、恐ろしく
手間のかかるもので、タイの家庭料理ではない)旅行者が気軽に立ち寄って
食べる屋台料理が中心で、これものその一つ。甘辛+ピリ辛でスパイシーな
ひき肉炒めをご飯に添えて揚げた目玉焼きを乗せたもの。
まあこの手の料理にはずれはない。
タイ米も米不足の時のイメージとは違い、こういう食べ方だと大変結構。
最後に飲み物(アイスコーヒーかアイスウーロン茶)とコーヒーゼリーが
出る。
忙しいランチタイムにしては丁寧な料理で好感が持てたので、この店で
取材を続けることに。

次の休日は、パッタイ(タイ風の焼きそば)をいただく。これも定番の
屋台料理だそうで、麺は最近流行のフォー(米麺)です。現地で食べて
病み付きになり、日本のタイ料理店をめぐる人が多いそう。
こういう人の口コミは
「日本風にアレンジしている」がけなす言葉で、
「現地で食べるのと遜色ない」が褒め言葉なので、後者を信じていくとか
激辛で食べられなかったりします。この店の評価は前者と後者が二分して
おり、楽しかったタイ旅行の味覚の記憶が美化されているのかもしれません。
私は初めて食べましたが、印象は
「卵チャーハンのご飯が米麺」
正直言ってとても日本人の味覚に合うものではないです(ニョクマムの
かおりが強いので、別添えの酢と砂糖!をかけて中和する)。
つまり、旨い(笑)!

次はカオムーグロブ。これは失敗だったです。ざっくり言うとカツライス
なんですが、皮つきの豚肉を茹でて衣をつけて揚げてあるので、
結構小さい=ご飯余る(笑)。あとシナモンの香りがちょっと苦手ですが。
香りといえばこの料理にも飾り程度に乗っているパクチー。
この店で初めてネットで有名な
「パクチー大好き女」に出合いました!
一緒に来た同僚?がパクチー苦手というと
「私パクチー大好き!沢山入れてっていつも注文しちゃうの!」と力説。
でもあの香りを嫌いな人は嫌いだし(私はどっちでもない)、あの香りは
他の食品にはないので比較できず、単なる好き!の繰り返しになり、相手は
「へー、そうなんだ」としか返せないですよね(笑)。
エスニック系のハーブはどれも日本では高価なので、沢山入れては
店には迷惑でもあります。
これはもう注文しません。

口直しに、むらさきやでたい焼き。ツイッターで
「タイ料理の後はタイ焼」と呟きタイがための来店(笑)。
むらさきやさんも税込90円で頑張ってきましたが、来年からは100円に
するそうです。消費値上げの影響か?

写真撮り忘れたので、店のメニュー写真から。
翌週はカオマンガイ。茹でた鶏肉を乗せたご飯。とメニューにあります。
ソースがなかなか良かったです。
これは家でも試せそうですが、ソースが難しいかな?
ここのメニューはいわゆる丼物が多いですが、もともとタイがそうなのか、
日本のランチ事情に合わせたのか?
このうまいタイ米ご飯がないと、ただのエスニック鳥丼ですね。

年末最後は、カオパット(タイのチャーハン)。
前回相席の人が食べており、結構量多くて美味そうだったので、
一応取材ラストに選びました。
カレー(赤と緑がある)とどうしようかな?と思っていたのですが、
グリーンカレーは前食べたことがあるので、こっちにしました
これは大変旨い。
もともとチャーハンは、パサパサのインディカ米でなければ美味しく出来ない
(かつて周富徳は強いk力で煽り、思いおたまで丹念に飯粒を潰すことで、
日本米のチャーハンのスタンダードを作った)のは承知していますが、
良質の関東料理店で出すものとは違う、やはりスパイスやハーブ、
ナンプラーの旨味。渾然一体。さすが店の自慢料理というだけのことが
あります。
インド文化とマレー文化と中国文化。この3つが歴史的に混ざり合って
できたタイの文化の奥深さを感じます。
帰りに店員さん(毎日営業しているので何人かいる)に
「アロイ(美味しい)」と言ったら喜んでくれました。
こ日の店員さんは若い金髪の娘さんでしたが、他にも愛想の悪いおばさん。
愛想のいい中国系(タイは現地系の目のパッチリした色黒の名倉風と
日本人とあまり変わらない中国系がいるみたい)の美人さんがいます。
「バイク、サムクナイデスカ?」とお返しか、聞いてくれました。
あなたの国のタイカブを作品にするための取材ですよ。と言いたかった
ですが、余計なことは言わずに店を後にしました。
昼食に880円という、私には家計的に苦しい取材でしたが、
実りはありました。
またこんどカオパット食べに行こう。

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