ナゴヤからの手紙
 
2019年8月
「お願いです」

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久しぶりに名古屋によつばと!の展覧会がやってきました。
日本でも絶大な人気をほこる、小岩井よつば ととうちゃん。そして友達と、
お隣さん。さらにお隣さんの学校友達の繰り広げる漫画。
子供の頃を懐かしむ人、子供が小さかった頃を懐かしむ人で、世代を超えて
幅広い支持を得ている作品ですが、特に海外にも広く出版され、カルトな
人気を得ているのでも有名な作品です。何年か前に
「ダンボー展」として、作品中2回しか登場しなかったのに、その
キャラクターが圧倒的人気となり、よつばと!を知らなくても、
このキャラは知っているという事態になった、隣の三女えなちゃんの
クラスメートの、みうら(名前)が夏休みの工作で作った段ボール人形の
ダンボーを中心に置いた展覧会でしたが、よつばと!の資料や原画も
沢山展示され、よつばと!カフェも開店したので、感動しました。

今回はよつばと!の原画を中心にした展示でした。パルコ南館に行くと、
早くもこんな看板が。
とうちゃんの友達ジャンボととうちゃん、よつばですね。カンフーの構え。

等身大のダンボーとよつば。

ラジオ体操するよつば、みうら、えな。
私はこのトリオが一番好きです。
結構大人目線でなくよつばに接しているから。
みうらは女の子ですよ。

入り口で列を作って並んでるので、びっくりしました。
前回はここまででもなかったのに。
入場料600円はリーズナブル!
混んでる理由はすぐわかりました。入り口からすぐあずまきよひこ先生の
原画が展示され、一枚一枚喰入るように鑑賞しているので、列が進まない。
有名な美術展でもこんなに遅くない。
みんな熱心だなと思いましたが、いくら素晴らしい原画でも、
ファンは雑誌掲載時や、単行本で何度も何度も見ているわけです。
結局交通渋滞の原理と一緒で、たぶん何人かの実際に漫画を描く人たちが、
おそらく技法を学ぶために、じっくりと鑑賞しており、結果全体が遅れている
のだと思います。生真面目に一列に並ぶ国民性が、こんなところにも…。

後ろ髪引かれる思いでしたが、次の予定があったので、
途中でショートカットして退出しました。

あずまきよひこ先生は、よつばと!の前にも
「あずまんが大王」という、学園漫画の傑作を残しております。
これはアニメ化されて、未だに好きな作品に推すファンが多いのですが、
オタクの間には、
「あずまんが大王のアニメの仕上がりに先生が満足されなかったので、
いつまでたってもよつばと!がアニメ化されないのだ」という伝説が
まことしやかに噂されたのですが、これはデマ。
あずま先生はアニメ版あずまんが大王を気に入られ、
全面書き直しで発行された原作単行本のキャラは、
アニメに近づけているのです。

ではなぜよつばと!がアニメ化されないか?
実は我々は一度だけ動くよつばを目撃している。
「にゃんぼー」という猫化したダンボーキャラたちが登場するショートアニメ
のエンディングで、1分ほどよつばが登場します。
かなり精密なアニメーションで、これを24分書き続けなければ、
あずまクオリティを満足させられない。
しかも先生独特の色鉛筆彩色の背景をアニメで表現するとなると…。
今に至るまで、よつばと!がアニメ化されない理由は、アニメ技術が、
あずま先生のクオリティに追いついていないから。

しかし日本には、どんな困難な課題でも、時間がかかっても、
最高のスタッフでアニメ化を成功させるスタジオがあります。
いえ、ありました。
そして今困難な状況から彼らは再び立ち上がろうとしています。
日本漫画界の国宝とでもいうべきこの作品を、
京都アニメーションの復帰第一作として、企画いただけないだろうか?
テレビ局、出版社、京都アニメーション様、そしてあずまきよひこ先生。
ご一考願います。

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