ナゴヤからの手紙
 
2016年9月
 
「お値打ちだに」
 
                    今回も全てiPhone6です
 
えー、名古屋では
「私そろそろ新しいお茶碗欲しいんだて」とか言う話になりますと、
「まあ待ちゃーて。9月になったら瀬戸で瀬戸物祭りあるで。あそこはお値打ち
だでねぇ」というような話になりまして、9月の初めに行われるこの行事に
いそいそと遠征(都心から電車で30分くらい)するというのがかつての風習。
愛知県瀬戸市というのは名前の通り瀬戸物の大産地でありまして、それだけ
陶磁器の出荷が多かったために陶磁器といえば瀬戸物。というようなことに
なっているわけですね。
どちらかというと日常品=いつ割れても別に惜しくないような雑貨。という
感じがありますが、もちろん古瀬戸であったり、黄瀬戸であったり、そういう
貴重な骨董や巨匠名人人間国宝(瀬戸の人は加藤さんなんですけどね。
加藤一族が上質な粘土を求めて、愛知県瀬戸市に移り住んだといわれて
おります。郊外にあります陶土の採掘場は、こらもうグランドキャニオン
みたいなものすごいボコボコの状態)の作品もございます。
 
この素晴らしい資源と努力と最高の技術が瀬戸の陶磁器を現在まで支えている
わけですが、瀬戸物祭りは高級品から日用品までの、大体5枚で1セットとか
10枚で1セットそのになっているものが多いのですが、何かの弾みに
はぐれてしまったものとか、ちょっと難ありとか、そういうものを安く
放出して販売するものです。ですから、まあ、安いので100円。高いのでも
1000円から、有名な窯から出たものなどは10000円ぐらいのもあります
けれども、ちょっと買ってみようかなっていうようなものがほとんどです。
それぞれの窯であったり、陶器工房であったり、卸の問屋さんであったり、
小売り店であったりが、1年間にちょっと眠ってしまったもの、売れなくなって
しまったものをどさっと出すわけです。
ですから悪いものではないんですね。100均で並んでるのとは失礼ながら
全然違います。
 
私も子供の頃は連れて行ってもらったり、大人になってからも、やれカレーの
皿が欲しいとか、マグカップが欲しいとか言って、見に行ったことも
ありますが、ここ…そうですね。30年ぐらい行ったことないんです。
ところが、ひょんなことからちょっと欲しい皿がありまして、それは
形なんですね。
 
ちょっと細長い感じの四角い皿
 
私が通勤に使っている地元の駅は、駅前にスーパーがあるのですけれども、
ここはどういうわけだか8時までしか営業しない。大規模店舗法とか何かで
遅く営業できないんだっていうことを聞いたことがありますけど、その法律は近くの個人商店を圧迫しないためのものです。
私の住んでるこの駅から1キロ範囲内には個人商店というのは一軒しか
ないですね。もうそれも近所の年寄り相手に細々やってるような店で、
あとコンビニばっかりです。隣の駅前の同系列スーパーは9時までやってる
んですが、なぜかうちの駅前のスーパーだけは、8時で終わってしまう。
それも年間の営業時間計とかでしょうか?どういうわけだか7月と8月だけは
9時まで営業する。
 
そういうわけで仕事から帰ってくると、7月と8月だけはこのスーパーに
ギリギリ入ることができます。
ギリギリっていうことは半額とか何パーセントオフとかもう終わりかけなので
値引きしている。これはこれでありがたいのですが、実はこれが最近の
「晩酌をする」という習慣をつける原因になってしまったんです。
ま、あまり良い習慣ではないですね。私の病気から考えると。
でもまあ、やはり暑いときに疲れて帰ってくる。シャワーで汗を流す。
ビールまではいきませんが、ちょっとアルコールが飲みたくなることが
ある。
 
最近は前に池波正太郎先生の本で読んだ
「直し」という江戸時代のカクテルドリンクを嗜んだりしていました。
これは焼酎とみりん半々ぐらいに入れて、あとは氷水で割る。ものなんです
けれども、まあみりんも酒から作るもの。焼酎も酒を蒸留して作るもの
ですから”元に直す”って言う江戸の洒落なんでしょうけれども。
もちろんみりん風調味料ではだめで、まずは絶対本みりんって
書いてある製品でないといけません。
面白いことに一度酒屋ですごく高いみりんの、ちゃんとした醸造所で作った
伝統的製品を使ったんですけども(もちろん江戸時代はそういうのでしょう
けど)、結構いろんな匂いがするんですねみりんて。まあそういうわけで
安い、とにかく本みりんと書いてあるそういうものを使えば、割と焼酎の
強烈さを薄めることができるんです。ま、女子供の、あ!子供はお酒飲んじゃ
いけませんけど、まあそんな飲み物ですが、私は甘いこれが好き。
 
こういうのには、間違いなく肉よりは魚の方が合うので、くだんのスーパーで
閉店間際半額まではいかなくても3割くらい引いてくれる魚の塩焼きなんかを
買って帰るわけですね。鮎の塩焼き1本168円とかそんな感じです。
でこれをスーパーのトレイのまま置くのは寂しいですし。
もちろんレンジでチンもしますからお皿にのせたいわけ。
そういうわけで、四角いお皿にキレイに鮎の塩焼きを乗せて.
一杯やったらいいだろうな。と思ったわけですね。
ところがこの皿がない。
じゃあ買いに行こう。百均でも一応あるんですが、なんかぽてっとしてる。
厚い。重い。おしゃれじゃない。
専門店ぽい所行くとまあ2000とか3000とか、一枚するわけですね。
困ったなと思って、そういえば瀬戸物祭り!
 
カレンダーで調べてみると9月にあることがわかったので、早速その日を
休みにしたわけです。ちょうどその日は他の用事があったりして、
出かけるのは午後の、それもちょっと夕方っぽくなるな?って言うの
分かってたんですが、まあ1時間もあったら好きな皿1枚さらっと
(誰がうまいこと言えと(笑))
200円か300円か1枚買ってくればいいや。と思っていたんですね。
 
で、その日にいよいよ出かけたんですが、これがまたやっぱり会場が大きい。
名鉄瀬戸線瀬戸駅の駅前広場のようなところから、川沿いに道路のところに
ぎしりと露店が並び。もちろん瀬戸物の市だけではなく、いわゆる
夜店屋台っぽいものも並んでいたんですけど、まあ100店近くは瀬戸物の店が
あったと思いますね。迷う迷う。
まず最初のところへ行ってこれはいいかなって思うけども、待てよ。
他にもいいのがあるかもしれない。と思って次のところへ行く。
うーん次いこかといって3、4軒見てる内に、やっぱ最初の買おかな?とか。
 
この細長い皿は、やっぱりお魚を並べる載せるのが目的のようで、特に
一番長いものをさんま皿というようです。
私はさんまは多分もう自分の家では焼かないので。というのは、もう
ガスロースターをやめてしまって、IH の調理器にしてしまったし、
焼き物もまあ、オーブンでもできますけども、後で魚焼くとオーブンが
臭くなるな。掃除大変だな。と思うと、もうやりたくないですね。
さんまは外食で食べるものということにして、鮎の塩焼きとかマスの塩焼き
とか鮭焼いたのとか、そういう皿が欲しかったのです。
 
結局4枚買っちゃったんですけども、一つ一つ紹介しますと
 
 
このごく普通のも何でも使えそうな普通の陶皿(これを探しにきた)。
えっとこれが300円だったかな?
帰りに寄ったのが、焼き魚のないスーパーだったので、鰹のたたき。
和風カルパッチョ風に(笑)。
 
 
それから黒いお皿。突き出し風に載せてみました。
ほうれん草和えもの。明太子、おから。
 
 
もともと、この写真にあるように最近はまってる卵焼きをのせたらいいんじゃ
ないかなと思いまして。これが確か500円。
 
 
それからちょっと形が真四角ではなくて、つるっとした白磁っぽいような
色で、どちかというとイタリア料理ですかね。生ハムとか高そうなのを
のせるといいかなと思って買ったもの。100円ですね。
今回はサラダと煮物。
 
 
そして最後にこれは瓜なんですかねぇ?ほそながーい楕円先が尖った形。
舟ですかね?柳の葉?よくわかりませんけれども、白磁っぽい色に青い線が
まあ、あの染付まで言うとちょっと笑われますけれども、自分では
「ああ、いい感じだなぁ!」と思って、割と最初の方のお店で目をつけたん
ですが、値段を聞いたら800円だという。いやそれはちょっとなあ。
500円までだなあ。と思ってやめて他の皿を買ったりなんかしてたんですが、
さあ帰ろうって時に、やっぱり欲しいと思って、もう終わりかけで放送でも
「あと30分です。そろそろ最終日最後ですのでお客様値切りましょう!」
なんて売るほうが困りそうなことを放送してるので、よーし!と思って
私マインドは関東人なのでなんかまけてもらうとか、ダメなんですけど、
頑張って4年間居た関西マインドで値引き交渉してみました。
 
「これいくらですか?」って聞いたら当然800円ですよ。
「そうかやっぱりいいなと思うと高いよな」と言って諦めた顔したら、
お兄さんが、じゃ 600円でいいです。っていうので、もうひと頑張りすると、
多分400円になったんじゃないかと思うんですが、600円で買いました
気に入ってます。
 
 
冷や奴を載せた写真を、ツイッターで師匠に報告したら、
「かつおぶしがー。かつおぶしが欲しい」
と言われたのでそれも載せて撮り直しました。いい感じですお気に入りです。
 
 
翌日カレー乗せたら失敗でした。船が沈没しそうです。(笑)。
ちなみにオリエンタルカレーのスプーンは、私の宝物(マジ)。
 
 
まあ全部で1500円の買い物だったんですけど、楽しかったです。
 
「お気に入りのお皿を探しに、瀬戸の町をプチ探検!」
 
僕って、意識高い系男子だと思います(笑)。
 
 
 
あともっかい行きたいなとおもう店がここのお肉屋さんで、名古屋で言うと
かしわ屋さんです。鶏肉中心のお肉屋さんですね。
 
          (既に2本食べてる(笑))
 
お祭りなのでで出店を出してたんですけど、まあ普段から店内で色々
すぐ食べられる、からあげとか置いてるみたいです。あと何故かここの店は
おいなりさんが名物らしくて、こないだマツコの番組でおいなりさんの
特集やってたので、これは欲しいなと思ったら残念ながら売り切れでした。
ぜひリベンジをと思ってます。週3日休みっていう、すごいお店なので、
気を付けていきたいと思います。
若い女性が友達を連れて食べに来てて、その子は瀬戸の子みたいで、
「あー懐かしい学生時代によくここ来た。もう部活帰り殆ど来てた。
ここ休みの日は隣の店行って」とか。
数年前まで女子高生だったのかな?と思いますけども、県立瀬戸窯業高校か
聖カピタニオ女子かわからないですけども、そういう地元卒業生の子が
「ここはいい!」っていうのはいいに決まってますから、
また行こうと思ってます。知らない子の味覚ですけど(笑)。